「男性トイレの女性清掃員」利用者の約50%が抵抗感…女性清掃員の思いは?「邪険にしないで」「人手不足で致し方ない」
■10年以上トイレ清掃に従事「一生懸命やっている人は傷つく」
10年以上トイレ清掃に従事してきた稲辺さんは、田村の投稿に「その言葉・態度を向けられたら、一生懸命やっている人は傷つく。邪険にせず、頑張っていることを肯定してあげてほしい」とコメント。 稲辺さんも当初、男性トイレに入ることに抵抗はあったが、仕事のため躊躇していられないのが実情だと語る。清掃中に利用者から言われたこととして、「使いたいから出て行って」「そこ今使うからどいて」、トイレットペーパーの交換を申し出ても「そんなの後にして」といった内容を説明。ただ、このような言動は女性トイレでも発生するそうだ。 一方で、田村の投稿に納得する部分もあるという。稲辺さんは先月、機械清掃(フロア掃除)の会社に転職したが、「今の仕事は男性の比率が多い。ちょうど仲間内でこの話をした時に、“同業だけど俺だって嫌だよ”と。いろいろ話をする中で、こちらもクールダウンというか、考えることは増えた」と語った。 また、プライベートを考えれば同性の清掃員のほうが良いとは思うものの、「コストや効率のことを考えると、やはり女性がやったほうが早い」と率直に述べた。
■女性清掃員が多い背景に「無意識の思い込み」
男子トイレの清掃を女性が行うケースが多い理由として、ビル清掃の専門誌『月刊ビルクリーニング』編集長の比地岡貴世氏は「無意識の思い込み」が背景にあるとの見方を示す。高度経済成長を背景に強まった性別役割分業意識の下、「男は仕事、女は家事/育児」「女性が男子トイレも掃除を行う」という習慣・固定概念が根付いたと指摘する。 また、トイレに同性の清掃員が入るのは、人手不足やコストの面から「現実的ではない」と説明。トイレ清掃員は、かつてはシニア層にとって定番の働き口だったが、現在はファーストフードやコンビニなど受け皿となる業種が多種多様に。“高齢者=清掃”という定説が崩壊し、働き手が確保できない問題をあげた。 なり手不足解消には、清掃員に数%のチップが入るなど清掃員が得をする仕組みづくり、清掃時間の予告制による利用停止と利用者側の妥協も大切だとした。 そうした中、女性のなり手が少なくなり、男性清掃員が女性トイレに入らざるを得ない状況も出てきているという。さらに、男性清掃員の“苦悩”として、女性の抵抗感への不安や、痴漢・盗撮など冤罪への恐怖心があること、「世論は女性の味方で、男性清掃員側は不利」という意識を伝えた。