【SSスレ・挿絵募集中】パンダの代わりのピエロ(道化)の子【再掲】

  • 1二次元好きの匿名さん25/12/07 15:39:31

    当スレは、スレ主が過去に掲載した↓のSSスレの再掲スレです

    【閲覧注意】何度も言わせるな 俺は今年度末で退職不可避になった|あにまん掲示板3ヶ月くらい前に、任務帰りに俺の元嫁とバッタリ会ってだな、成り行きで一緒に飲みに行く話になったんだその時に、まあ良い雰囲気になってだな、・・・お互い泥酔状態でも合意の上で深い行為に至った訳だきのうのこ…bbs.animanch.com

    現在、当SSの外部サイトへの一括転載を検討しており、そこで挿絵として掲載する前提でイラストを描いて下さる方を捜しています。

    希望する構図は「とんでもないピエロ形呪骸の集団に追いかけられて本気で逃げるマジ顔の直哉」と、「その他、SSに相応しい構図のイラスト」です。


    なお、今回の再掲にあたり一部誤字脱字を修正しています。予め御了解下さい。

  • 2あの頃 退職予告25/12/07 15:40:32

    何度も言わせるな 俺は今年度末で退職不可避になった

    3ヶ月くらい前に、任務帰りに俺の元嫁とバッタリ会ってだな、成り行きで一緒に飲みに行く話になったんだ
    その時に、まあ良い雰囲気になってだな、・・・お互い泥酔状態でも合意の上で深い行為に至った訳だ

    きのうのことだ、お前が任務に出ている時に、元嫁のお母さんがこの高専にアポなしで来られたんだ・・・
    ここの廊下で、辺りを構わず「娘を孕ませた責任を取れ、学長を辞めて婿入りしろ、今年度末まで待ってやる」と、まあそういう趣旨のことを大声でおっしゃるわけだ
    元嫁以外に跡継ぎがいない術師の家なんだ、婿と跡継ぎが何としても欲しいらしいんだ、・・・元嫁の方はそうでもないが、・・・お母さんの方がな
    産婦人科に呼びつけられて元嫁が受診するところを見に行ったし、医者の説明も聞いた、あいつの妊娠はまちがいなく事実なんだ


    ・・・ヤルことをヤッたのは事実なんだ、その時の記憶は明瞭なんだ、ただ、その時俺が何をどう感じていたのかが頭からスッポリ抜け落ちている
    元嫁も同じことを言っている、何かの術式にかけられたといっても不思議でないくらいに不自然なんだ

    ・・・ココだけの話、元嫁のお母さんの術式はだな、ざっくり言うと『一時的な洗脳・暗示』で、術式対象には副作用として感情記憶の欠落が発生する
    おまけに元嫁は昔俺と縁づいてた頃に俺との子どもを3人いっぺんに亡くしてる、その時のトラウマから、もう妊娠する気はなかったはず、だったらしい、・・・

    誰にとっても疑わしく見える、・・・おそらくお前も疑っているであろう構図はどうあれ、・・・これ以上元嫁を傷つけることを、俺は選べなかった
    それに、上層部の方々から、「誰かに洗脳された疑惑がある者を学長に置いておくことはできん」と、先ほど宣告された
    事実がどうあれ、俺の退職は不可避ということだ

    強調するが、・・・これからどんな噂が駆け巡ろうと、・・・どうか元嫁を傷つけるような独断専行だけはやってくれるなよ、悟
    ただし、俺が退職した後、特に婿入り先に絡む俺の言動はあまり信用は置くな、・・・わかったな、悟?

  • 3あの頃 モブ補助監督の証言25/12/07 15:41:48

    俺、あの日のことを一部始終見てたんス!

    『仕事帰りに奢るから』って学長に言われたんで、お言葉に甘えることにしたんですよ!
    そしたら、お店の前で元嫁さんに会って、お二方とも俺そっちのけで盛り上がり始めてたんです!!
    元は嫁さんだったことも、子ども3人おられたのに離婚された経緯も、俺その時初めて知らされたんです!
    ものすごく気まずかったけど、奢りのタダメシだったんで俺は黙って会話合わせてました!! お酒飲まずに!!

    ホンットーに盛り上がってたんすよ、お二人は!!
    どっちもグデングデンに酔っぱらってて、俺でも心配になるくらいテンションが変だったんス!!

    元嫁さんの方を送り届ける話になって、高専の車に乗せたんです! 俺が運転席でお二人は後部席でした!
    お二方、毛布を頭から被ってから、・・・俺に構わずにその場でおっ始められたんです!!
    二人とも滅ッ茶苦茶ノリノリで本当に気まずい状態でしたけど!! スモーク貼ってるワゴン車でホントーによかったって思いながら運転してたんスよ、俺!!

    ・・・次の日、学長から見たことも聞いたことも秘密にしてほしいって頭下げられたんで、ずっと黙ってたッス
    元々奢りでタダメシ頂いて、その上であんな状況を言い触らすのもどうかって思ったんで
    でも、あんな義母さんが突撃してきたんなら秘密にする意味ないっスよね・・・?

  • 4あの頃 関係者の思考25/12/07 15:43:00

    義母の術式を知らない人「あの学長も術師だから、ネジが外れることがあるんですねー。夫婦の形って他人にはわからんなー」

    義母の術式を知ってる人「何であの学長が車の後部座席でおっぱじめたんだ!? 犯人はもしや・・・」

  • 5見つめる先は1/225/12/07 15:44:09

    ウチに位牌があったんです、花の描かれた小さな位牌が、3人分
    名字が違うお姉ちゃんとお兄ちゃんが3人いたんだよ、お前の生まれる前に・・・って、言われながら育ちました
    父がお婿さんではなくて、母がお嫁さんだった頃の、最初の結婚の時に生まれて亡くなった子達
    この名字ではひとりっ子だったけど、育てる方は4人きょうだいの末のつもりで育てていたんですよね、当たり前ですけど

    母方の祖母が亡くなったのは、私が高専に入る直前で、・・・私の『誕生経緯』を知ったのは、その時です
    父にとって、母にとって、『経緯』は表面上は永遠にグレーのままになりました
    私を産んで生かそうとする限り、黒にすることも、祖母を処断することも、どうしてもできないから

    二択だったらしいんです
    『誰も責めず、酒の勢いでやらかしたことにして婿入りして子を育てる』か、『祖母を責めて、生まれてはいけない方法で宿った子として中絶する』か
    妊娠に術式を使ったことを大っぴらにされると、それで普通に育てられると、術師の家でやりたい放題になって、モラル的にかなり不味い、・・・っていう理由で、上層部の方が提示した二択
    両親はどうしても後者を選べず、私が生まれて、育てられて、今に至ります、・・・祖母は、あのずる賢い人は、そういう選択になることを、たぶん見越してた

  • 6見つめる先は2/225/12/07 15:45:13

    私が両親に愛されたことは認めます、・・・ええ、間違いなく愛されたことは認めます
    強迫的に、私を愛するべきなんだ、って両親がお互いに言いきかせながら、そういう意味で強迫的になりながら育てていたことも
    恵まれてはいるんです、憎まれて育ったというわけでは、絶対に無いから

    でも、今、私が見つめてしまうことは
    殺せないから生かされた、憎むべきでないから愛そうとした、それだけのことじゃないのかってこと
    結局、生き方は生まれた側が決めるしかないんだけど、・・・どうしても、私は見つめてしまうんです――


    五条学長は、普段のおちゃらけな雰囲気とは打って変わって、静かに私の話に耳を傾けてくれた

    祖母が死んで早3ヶ月が経つ
    父は特別一級術師の婿として家長に立ち、私は跡継ぎの術師だけど、祖母の代とはちょっと変わって「一般社会に出ても構わない」と『大っぴらに』言われながら(以前は『こっそり』言われたことだから、それは変化ではあった)・・・結局は決めかねたままこの高専に入学した

    かつて父が学長だった学び舎で、父が信頼できる術師だと推してくれた、五条家の当主様にして学長先生
    この話を聞いて何を思っているのか、黒い目隠しが特徴的なその表情の色は、私には、まだよく分からない

  • 7入学時 歴の長い関係者の思考25/12/07 15:46:21

    当時の噂だけ知ってる人(あー、あの時にああいう経緯で生まれちゃった娘さんかー…)

    当時の真実を知ってる人(あー、あの時にああいう経緯で生まれちゃった娘さんかー…)

  • 8あの頃 高専の最強の2人25/12/07 15:47:31

    五条「ままならねぇもんだなー・・・、俺達は夜蛾センの言う通り『何もしない』ことしか選べねえ」

    夏油「そうだね悟、・・・君が独断専行で何か動いたら、さすがに私でも即刻縁を切るよ」

    五条「動くわけねぇよ、当事者以外が引っ掻き回したところで誰も幸せにならねぇ典型的なパターンじゃねーか」

    夏油「・・・・・・」

    五条「なあ傑」

    夏油「うん?」

    五条「強い『だけ』じゃダメな事ってあるんだな、・・・俺達が救えるのは、『救ってほしい』って言える準備がある人だけだ」

    夏油「・・・・・そうだね、悟」

  • 9あの頃 婿入り先にて25/12/07 15:48:37

    正道「一点お伺いしますが、・・・お義母さん、術式封印して隠居されるご予定は?」

    義母「はあ? ある訳ないでしょ? 酒の勢いでやらかした婿殿と娘が心配でまだまだ家督は譲れませーん」

    正道「・・・あなたね、『そういうこと』に収まった自覚はあるでしょうに・・・」

    嫁「・・・・・・」

  • 10道化(ピエロ)の子1/325/12/07 15:49:43

    本当にごめんね、最初から僕が悪かったんだ
    君が高専(ここ)に入学する時、君のお父さんはちゃんと僕に手紙を書いてたんだ
    ・・・もちろん、君が抱えていた事情も、かなり詳しくね
    でも僕、適当にしか読んでなかったんだよね・・・、ちゃんと読んでお返事するべきだったんだ

    良いところだけ見ると、確かに才能に恵まれてるようには見えるんだと思う
    お父さん相伝の傀儡操術、――お父さんは『お手製の布のぬいぐるみ』で、君は『お手製の布のピエロ人形』って違いはあるけどさ
    それから、お父さんよりも多い呪力量と呪力効率、精神干渉系術式や呪具が効かなくて、人形と視界共有もできるし、その共有した映像を画面に投影できる子でもあって

    ・・・ただし、お父さんのかなり強い意向で現場に出たことはなく、公立の小中学校に通い、等級は4級からの開始を強く希望、どうしても任務に出すなら、初回任務は教員できれば2名以上の付き添いを必須とすること
    ――ここくらいまでだったかな? 僕が読んだ部分は

    お父さん過保護だなあって思いながら、入学OKしたんだよ、あの時の僕
    てっきり上の子3人亡くしたから、お父さんが過敏になってんのかなぁー、なんて、呑気に考えてたんだよね

    視界共有できるんなら、最初は現場に出さずに、高専からの遠隔操作でいいよね、って
    僕は君の初任務の日は出張だったから、とりあえず、お父さんの希望通りに、日下部と、君の担任の七海を手配して、・・・だからまあギリ七海は助かったんだけど

    イヤあれはマジで僕が悪かった、君のお父さんは、ちゃんと僕に伝えたつもりだったんだもんね?
    それで伝わったつもりで、君は入学してるんだもんね
    出張先で日下部から猛抗議の電話受けてさ、それでお父さんが何を書いてたか初めて把握したんだ

  • 11道化(ピエロ)の子2/325/12/07 15:50:51

    ――8歳の時に天与呪縛の詳細が判明

    御三家の分家に呪縛を見抜く術師がいて、それを聞きつけた君のお祖母さんが、君を連れて鑑定してもらっていた
    呪縛の内容は、『パニック気質(呪力行使時限定)』『グロ耐性ゼロ』『子宮・卵巣の全欠損』

    ・・・それぞれは軽いと言えば軽いけれど、術師の家で本気で嫌がられることが三つ重なり合ってた
    呪縛と引き換えに『恵まれた呪力量と呪力効率』『精神干渉系の術式と呪具の無効』『強い術式効果』を、それぞれ得ていたんだよね・・・

    お祖母さんは現実を見つめたくなくて、君のお父さんに丸投げして逃避したんだ
    お父さんに言いつけておけば、君に跡継ぎになるものだって言い聞かせておけば、それで解決するんだって思いたかったんだと思う

    君のお父さんもお母さんも気を利かせて、学校の休みの日に任務に連れ出すフリして、君と普通に外食してた訳だけど――

    うん、君の初任務は結構悲惨だったね、僕が「初めての任務は本気出しな」って言って出張に行ったからだけど
    君が使ったのは、本気で作った2m級のピエロ、準一級術師相当の実力がある1体

  • 12道化(ピエロ)の子3/325/12/07 15:51:59

    2級呪霊の祓除現場で、現場には七海と君のピエロ、高専のTV前には日下部と君
    君は術式使ってる時に普通にグロい現場を見て、――2級呪霊が人を喰ってた現場を見て、普通にパニックを起こした

    ピエロも、そのままパニック状態に移行
    2級呪霊と相対していた七海は、準1級術師相当のピエロに本気で後ろからぶん殴られたわけだ
    日下部の判断はマジ早かった
    日下部に殴られた君は一発で昏倒、術式は強制的に解除されて、ピエロも停止
    ・・・七海はギリギリで、頭蓋骨と肋骨を折った『だけ』で助かった


    君のお父さんね、虫の知らせでその任務の日に、自分から高専に電話してくれたんだって
    それで、まあ、・・・間違いなく僕が悪かったことが分かったわけだね、うん


    君はなまじっか優秀な呪力量と術式があるから、まだ、あきらめきれなくて
    どうにか術師の世界で自分の力を活かす方法を見つけられないか、高専なら見つかるんじゃないか、・・・って思って、そういう意図で入学してた
    高専の先生なら君の天与呪縛を何とかできる見込みがあって、任務に連れてってくれるんだろうって、そう思っていたんだよね

    つまりね、僕の適当さがこの事態の元凶だったんだ
    詳しく把握せずにOK出して、君たち父娘に半端な希望を見せちゃった僕が、最初っから全部悪いんだよね・・・

  • 13保護者面談25/12/07 15:53:02

    正道「・・・悟、・・・お前、・・・学長になってもいい加減なままだったんだな・・・」

    五条「・・・ごめん」

    正道「学生の保護者の手紙くらいちゃんと読め・・・
    うちの娘は七海を殺すところだったんだぞ・・・」

    五条「・・・・・・ホントにごめん」

  • 14呪縛の道化(ピエロ)1/325/12/07 15:54:10

    ああ、あなた方は父娘(おやこ)でお見舞いに来られましたか、お父さんの方まで、・・・わざわざご足労お掛けします

    ・・・おや、なにも貴女が泣くこと無いでしょう?
    私は生きていますし、そもそも骨折程度の怪我ですから、すぐ治って復帰できますよ
    腐っても1級術師ですから、この程度で現場復帰を断念するほど弱くはありませんとも

    あなた方に落ち度はありません
    そもそも何もかもいい加減だったあの学長が悪いのですから

    ・・・座って話しましょうか、お二人ともそこの椅子をどうぞ
    落ち着いてから、難儀な天与呪縛の件で、あなた方に担任として話したいことがあります

    落ち着きましたか、では始めましょうか

    率直に申し上げますね
    事情を把握してから色々と考えてみましたが、今のところ貴女を呪術の世界で活用させる方法が思いつきません

  • 15呪縛の道化(ピエロ)2/325/12/07 15:55:20

    貴女の天与呪縛3つのうち、『呪力行使時限定のパニック気質』と『グロ耐性ゼロ』は、どちらも貴女の精神に関わるものですよね

    そうしたものを一時的に緩和させる手段として真っ先に思いつく方法は、何らかの呪具や術式で心を落ち着かせることですが、
    この手法は、本来メリットであるはずの『精神干渉系の術式と呪具の無効』で封じられてしまっていますよね
    貴女には洗脳術式は効きませんが、同様に鎮静化させる術式類も一切効かないということでしょう

    そしてまだいくつか、重要なことがあります

    まず、『呪力行使時限定のパニック気質』は、『呪力』行使時限定であって、『術式』行使時限定ではないですよね
    帳を降ろす結界術も要は『呪力』を使った技術の一種ですから、例えばそういう簡単なことを行う時でさえ、貴女は矯正不能なパニック気質になられてしまう
    ・・・それも『グロ耐性ゼロ』で、ちょっと凄惨な現場を見ただけでパニックになってしまわれる

    危なっかしくて、補助監督への転向も絶対お勧めできません
    一緒に行動する術師を死なせに行かせることになる

    そして、術式を使わずに呪具を持たせて戦うというのも、『無し』と考えます
    呪霊の攻撃を受ける時、我々術師は呪力を身体に纏わせて攻撃を受けますからね
    現場で確定的に『パニック気質』になっている状況では、呪霊相手にまともに戦えないでしょうから

    上澄みの術師に等しい呪力量と、たぐいまれなほど強い術式は認めます
    その希少性は稀なものです、何か突破口があれば活かせるのではないかという思考は分からなくはありません

    ですが、申し訳ありません
    私の目には、貴女の天与呪縛そのものが、明らかに、貴女を『術師ではない生き方』に向かわせているとしか思えないのです・・・

  • 16呪縛の道化(ピエロ)3/325/12/07 15:56:22

    実は、・・・お父さんの方から電話で色々話を伺っていたんです
    ・・・これまでの、生前のお祖母さんの試行錯誤も、挫折と逃避に至るまでのことも、ある程度は

    今生きている関係者のうち、諦めがついていないのは貴女ご自身だけなのですよ

    入学を認めた事自体があの学長のミスだったと思っていますし、そのことについて教員としてかなり責任を感じています
    真剣にお詫びしなければならないと考えています
    その上で、一般の高校への転学を強くお勧めする次第です


    ――高専の医務室で
      頭に包帯を、肋骨にギプスを巻いた、その教員に割り当てられたベッドの傍で
      少女がすすり泣いていた、優しい父親に頭を撫でられながら
      ただ泣いていた、呪縛に雁字搦めにされた道化の少女は、ただ、そこで泣いていた

  • 17あの頃 退職の日に25/12/07 15:57:31

    五条「学長、これ餞別だから、よければ受け取ってくれ
    ・・・言っとくけど俺の独断じゃねぇよ、傑と硝子には相談して決めたことだ」

    正道「これは、・・・ネックレス型の呪具か? 2つも、・・・俺に?」

    五条「五条(ウチ)の忌庫から持ってきた、・・・どっちも、洗脳系とか精神に干渉する術式に抵抗するタイプだな
    こっちの方は、日常的にじわじわ呪力を吸うけど、精神干渉系の術式を喰らった時、メチャメチャに熱くなって装着者に教えてくれる
    もう一方は、定期的に呪力を込めないと使えねぇけど、同じような術式を喰らった時、かなり震えて装着者に教えてくれる
    ・・・ちなみに色が黒くなると呪力切れの合図らしい、最初なんで俺の呪力を込めといた
    どっちも、服の下に着込めばバレないと思う」

    正道「・・・良いのか? かなり貴重な物だろう?」

    五条「良いんだ、学長には世話になったし
    ・・・たぶんこれから、・・・必要な機会がない方が良いんだろうけど、そうも言ってらんねーだろうからさ
    今度生まれてくる4人目の孫が、その、・・・あくまで術師の目線でだけど『期待外れ』だったら、・・・そのバアさん、同じ手を繰り返して、・・・5人目以降も無理矢理こしらえさせようとするんじゃねぇのかな、って
    そうじゃなかったとしても、そういう術式を持つ術師の家に婿に入るんだったら、一番、必要なものじゃねぇのかな、って、・・・勝手な俺の推論だけど」

    正道「・・・・・・、そうだな、教え子のお前にこんなことで気を遣わせてしまってすまない・・・
    ありがとう、・・・本当にありがとう、・・・・・・」

  • 18妄執の道化・呪縛の皮肉1/325/12/07 15:58:45

    悟、お前には本気で感謝はしてるんだ

    俺が学長を辞める時、俺達夫婦に餞別としてくれたものがあったろう? ・・・アレだ、洗脳に対抗するための
    アレな、あの後の俺達の人生で幾度となく役に立ってきたんだ

    ・・・アレがなければな、懸念していた通り5人目以降を無理矢理つくらされていた恐れがかなり高い・・・、というか、間違いなくそうなっていただろうな
    この娘(こ)が末っ子ではなくなり、俺達が愛情を注ぐことすら無理に封じられていたことだって考えられる
    この娘には天与呪縛の影響で洗脳は効かないが、・・・対抗手段を持たない俺達には、普通に洗脳が通っていただろうからな


    お前の予想はその通りだったよ
    この娘が生まれた後、義理の母は本気で俺達に同じことを繰り返そうとした
    ・・・お前の餞別でそれは全て防がれたし、義理の母と喧嘩になったさ、何度も

    天与呪縛が分かった後、しばらく、嫁がもう子どもを望めなくなる辺りまで・・・、うんざりするぐらいの攻防があったんだ

    だから、まあ、餞別の事については感謝しているんだ
    それは事実だし、今でも礼を繰り返し言えるくらいの恩はある、それは言っておく


    その上で流石に今回の件は文句を言わせてもらうぞ
    ――新入生の保護者からの手紙くらいちゃんと最後まで読んどけ・・・!! お前は・・・!!

  • 19妄執の道化・呪縛の皮肉2/325/12/07(日) 15:59:56

    それで、・・・本題に入ろうか
    わざわざ文句を言うためにこの四者面談を設定してもらったわけじゃないんだ
    特に忙しいお前まで巻き込んで苦情を言いに来たわけじゃない、そのつもりじゃない

    この娘の天与呪縛について、俺が考え付いた推測を聞いてほしかったから、意見を求めたかったからだ


    15年前、義理の母は、つまりこの娘の祖母は、『跡継ぎに相応しい、呪力と術式に恵まれた孫』が産まれることを願って、俺達に術式を使った
    俺達は、逆にこの娘が『祖母の妄執に振り回されないこと』、・・・もっと言えば『祖母の願望がへし折られること』を多かれ少なかれ願いながら、この子を産んだ

    相反する願いはどちらも呪いになって、お互いの願いが打ち消されないように強く反発し合いながら、この娘の魂を強く縛った
    だから、天与呪縛がこんな風に形を成した
    ・・・祖母も両親も、どっちもこの娘を呪ったから、俺達それぞれの呪いのせいでこの天与呪縛のかたちができてしまった

    俺の、この推理、・・・六眼で見た時、正しいと思うか?

    率直に言うとな、義理の母が心折れて現実から逃避したとき、その事自体に俺達夫婦が溜飲を下げた自覚はある
    下手な1級術師よりも強い呪力と術式を得ながら、それを活用できない、活用しようがないという状態だからな
    一番身近で皮肉を感じたのは俺達だし、あの義理の母が絶望に打ちひしがれた瞬間、・・・それを何より一番身近で密かに嘲っていたのは俺達だよ

    ・・・この娘に、『術式と呪力を活かしたい』という願望が芽生えることまでは想像していなかった
    こんな風に本人を苦しませること、泣かせることや、七海をはじめとする周囲に被害を生むことも、・・・その瞬間の俺達は全く考えていなかったんだ

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