ペットとオフィスでも一緒…社内コミュニケーションが円滑に、働く意欲も向上
ペットと一緒に働けるオフィスが注目されている。犬などのかわいいしぐさは円滑な社内コミュニケーションにつながり、飼い主本人の働く意欲を高める効果も期待できる。ペットに関係する福利厚生を導入する企業も出てきている。(福島憲佑) 【写真】ドッグランがあるバイオフィリアの社内(東京都新宿区で)
JR川崎駅(川崎市)近くの高層ビルにある富士通のオフィス。トイプードルの「シエル」をつれた社員の上野朋美さんが「同じ種類でもうちのはだいぶ大きいです」と同僚とおしゃべりをしていた。
同社は2022年から、オフィスフロアの一角約150平方メートルを「ドッグオフィス」とし、個室3室とドッグランなどを設けた。10キロ・グラム以下の犬と一緒に働ける。
上野さんは4人用の机がある個室を予約し、誘った同僚と一緒に勤務。上野さんのひざの上で寝るシエルに、同僚の一人が時折ほほえみかけた。上野さんは「社員同士のコミュニケーションが和やかになる」と喜ぶ。
取り組みのきっかけはコロナ禍以降のリモートワークの広がりだ。対面でのコミュニケーションも重要との考えから、同社が出社を促す仕掛けの一つとして取り入れた。毎月約20人が利用しており、「転職の決め手になった」という社員の声もあったという。
手作りのペットフードを販売する「バイオフィリア」もペット同伴出勤を認めている。東京都新宿区の本社オフィスビルの2階はペットと過ごせるフロアで、社員約50人のうち約15人が犬を連れてくる。ヨークシャーテリアと一緒にパソコンに向かっていた中野紗来さん(27)は「仕事が一段落したら犬と遊ぼうと思って集中できる」とほほえむ。
犬と一緒に働く様子はSNSで発信し、顧客が製品を買うきっかけになっているという。社長の岩橋洸太さん(36)は「ペットは家族の一員。人と動物の共生が今よりも進むきっかけになればうれしい」と語る。
このビルの近くには新宿中央公園があり、犬の散歩に便利な立地だが、駅からは徒歩約15分と遠めだ。同社の入るビルの運営会社の担当者は「ペット同伴ができる賃貸オフィスは少なく、駅前立地ではないオフィスでもペットを同伴できることが新たなセールスポイントになり、長期契約も期待できる」と話す。