テーマ外国人政策
日本の外国人数は急増しており、2024年末時点の在留外国人数は376万人超と前年から11%増えました。外国人労働者が経済成長に欠かせないとする意見がある一方、財政や社会保障への影響を懸念する見方もあります。
Q.
在留外国人数の増加は、平均的な日本人の生活水準の向上に寄与する。
集計結果・個別の意見
掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。
在留外国人は住民基本台帳に登録しているので、住民登録している日本人と同じ義務と権利があると理解する。多くが、不足している技能のある人、不足している労働を提供しているので、複数の産業で寄与していると考えられる。サービス産業では直接的な寄与であり、企業での生産性向上、大学院生は基礎研究や応用研究を通して、間接的、長期的に寄与している。
日本の労働者不足は有効求人倍率や失業率に表れており、在留外国人の労働力はサービスの維持に欠かせない。
どのような外国人が増えるのか(高技能人材か単純労働従事者か留学生か、出身国と日本との文化的な距離など)によって影響が全く異なるのでこの問いに対する答えは「答えられない」以外ないと思う。
少子化と人手不足が進行する日本において、労働力人口の増加は基本的に望ましい。また、単純労働にとどまらず非単純労働においても、知識のスピルオーバーが生じることは、経済全体にとって好ましい。
近年の日本における外国人受入れの特徴は、難民が非常に少なく、若年労働者を中心に企業の主導で日本人労働者が不足する産業・職種・地域を中心に受入れが進み、その規模は総労働力の数%に留まっている点にある。実証研究によると外国人と日本人労働者は主に補完的関係にあり、日本人の賃金や失業率に負の影響を与えていない。在留外国人の増加は生産人口を増やし、経済を活性化し、日本人の生活水準を向上させる可能性が高い。
日本語・日本習慣・家族の教育、雇用安定性、法制度の執行などで適切な政策が実施されれば、在留外国人数の増加は、労働面、消費面で日本経済に貢献する可能性がある。
少子化や、労働力不足を鑑みれば、長期的には在留外国人や日本人でない「市民」の増加によって日本の活性化をはかることは不可欠である。
I strongly believe so.
日本の総人口の3%程度なので、欧米諸国と比べても著しく低く、急激に増えない限り、外国人人口の増加自体が平均的な日本人の生活水準に与える影響はほとんど無いと思われる。
増加する外国人の技能が平均的な日本人の技能と代替的か補完的かによって影響が異なる。ただし、経済学の実証研究の多くは、外国人労働者の増加が、受け入れ国の労働者には影響を与えないかプラスの影響を与えるとしている。
建設や公共交通などエッセンシャルワーカーとしての担い手不足が深刻化するなか、外国人労働者がわが国経済や社会の担い手として不可欠になりつつある。技能実習という形で、帰国を前提として外国人労働者を「安く使う」という制度的な問題を解消し、育成就労としてしっかりわが国の労働者としての制度上の位置づけを確立することで、在留外国人を含めた日本に暮らす人々の生活水準の向上に資することができるはずである。
外国人の労働者達と競合してしまっている日本人の労働者達がいるとはいうものの、少子高齢化で人財不足が進む中、外国人労働者達は、国内における生産コストの高騰を抑えるため、総じてプラスだと考えられる。
一概には言えない。影響は外国人のスキルや職種によって異なる。たとえば医療・介護など人手不足が深刻な分野では、外国人労働者の受け入れは供給の安定化につながる。他方、外国人に依存できない場合には代替技術への投資が進み、結果として生産性や賃金が上昇する可能性もある。主要な送り出し国でも少子高齢化が進んでおり、将来も十分な外国人労働力を確保できるとは限らない点にも留意すべきだ。
国籍に関係なく、卓越した才能を持つ人が日本で活躍できるような環境を更に整えたりすることは、日本の成長に寄与し生活水準を高めると思う。また、高度な専門性を必要としない仕事の労働力に関しても、移民を受け入れることによる労働供給の増加は、平均的な家計にとっては物価の低下を通し生活水準の向上に寄与すると思う。
日本経済の相対的規模が縮小する状況では、日本の企業や人が海外に進出するとともに、海外の企業や人が日本に来ることが経済成長と技術進歩にとって重要である。
日本経済は医療・介護、建設等を含めて慢性的な人手不足に陥っている。また高技能な外国人労働者は日本の企業・経済の生産性の向上にも貢献することが期待できる。
例えば人手不足の医療・介護分野で外国人が労働力となれば、高齢者向けサービスの充実やその家族の負担軽減につながると期待できます。その一方で、彼らと労働市場で直接競合する日本人には不利に働きます。もともとそうした分野では労働者の待遇が不充分なことも多いので、財政支出の思い切った拡大により日本人労働者の待遇改善・雇用拡大を同時に進めることができれば、軋轢を軽減できると思います。
外国人就業者が増加する産業では労働供給の増加により物やサービスの価格上昇・供給不足が抑えられ、一般的な消費者の生活水準の向上に寄与すると考えられる。一方、そういった産業で働く人の賃金が抑えられる可能性もあるが、日本では今のところ労働力不足が深刻な産業で限定的に受けいれているため、効果が小さいと思われる。日本人労働者に負の影響があるという信頼できるエビデンスは私の知る限りはない。
人手不足解消だけでなく、新しい考え方を職場にもたらしてくれることが期待される。非生産的な慣習が長続きしがちな多くの職場における生産性向上につながり得る。
労働力不足を補う
とくに少子高齢化が進む中、介護の現場では外国人労働者の貢献度が高い。
在留外国人の増加は、人手不足対応として、日本の経済力向上に寄与すると思う。ただし、人手不足に関しては、より幅広い対策を講じるべきだ。特に、定年の大幅な引き上げや定年制の廃止などによってやる気と能力のある高年齢の日本人の活躍の場を大幅に広げるべきであり、そのような包括的な取り組みの一環として外国人人材の受け入れ拡大を位置付けるべきだと思う。
人手不足が進めば、サービスや物資のコストが上昇し、賃金が上がっても生活の質が低下する恐れがある。外国人労働者の増加はこうした影響を和らげ、人口減少の影響も抑えている。よって、外国人の受け入れは平均的な日本人の生活水準の維持・向上に寄与していると考える。
移民が経済や生活を“悪化”させるケースは、主に(1)大量の移民がその国の社会・制度基盤を不安定にする、(2)代替的な仕事に就く労働者の賃金を下げる、の2つに限定される。日本の移民比率・増加ペースおよび犯罪率、足元の労働力不足を鑑みると、(1)と(2)はしばらく心配ないと予想する。
生産年齢人口の減少による労働供給不足を考えると、在留外国人が増加することで労働供給が増加し、サービス産業の供給の安定に寄与する。また適切に制度を運営することで、在留外国人からの税収の増加や社会保障への貢献も期待でき、日本人の生活水準の向上に寄与する可能性が高い
「在留外国人」、「平均的な日本人」、「生活水準」を一意に定義することが難しい。「どんな移民受け入れがどの日本人のどのアウトカムにどう影響を与えるか」については、パウエル編(2016)『移民の経済学』、ボーシャス(2017)『移民の政治経済学』、永吉(2020)『移民と日本社会』、友原(2020)『移民の経済学』等が参考になる。「移民増加は日本人の生活水準を下げるとは言えない」は正しいと考える。
日本では労働力人口に制約があり、今後それが強くなって行くと見込まれるため、外国人労働力の供給増加は、他の事情が変わらなければ日本のGDPおよび1人当たりGDPの増加に寄与すると考えられる。
在留外国人数の増加は、労働力不足を補完する形で経済活動の維持に貢献しているが、特定分野での賃金押し下げ圧力や国民の治安に対する懸念もある。移民ポイント制システム(例:年齢、学歴、日本語能力、人手不足の分野)の導入により日本の経済・社会ニーズに適合した人材を選考し、同時に外国人による犯罪に対してはビザや永住権取り消しなどの厳重な対応を行うことで、平均的な日本人の生活水準向上に寄与できると考えられる。
どんな外国人かにもよる。保険料を納付率しない、生活保護を受給している、犯罪を犯すなど、国民経済に対してネットで負の貢献をするような外国人が増えれば日本人の生活水準には悪影響を与えうるだろう。したがって、外国人と一括りにするのでなく、よりターゲットを絞った議論が必要だ。
在留外国人数の増加が生活水準の向上に寄与するというよりは、人種・性別・年齢を問わず多様な人材を活用できるような社会が、持続的な生活水準の向上を享受できるということだろう。しかし、外国人の受入れには様々な負担(制度整備、言語・文化教育、事務負担等)も伴う。負担を軽減し、多くの人が便益を享受できるような包括的な理念・仕組みを作らなかったことが国民の不満を招いているのではないか。
人口減少と高齢化により労働力人口が減っていく中で、特に若い世代の移民の受け入れによる労働力の増加は潜在成長率(=中長期的な成長率)を押し上げる要因になり得る(いわゆる人口ボーナス)。しかし、国内労働市場への移民の受け入れには時間がかかり、短期的には負の影響が大きいと指摘する先行研究も存在する。
あくまで医療・介護分野に関してではあるが、人材不足は深刻であり、改善の見通しがあまりないのが現状。外国人割合が低い看護についても、多くの勤務医は英語を理解できるので、海外で看護師等免許を取得した方が日本で就労する際の日本語要件などについては、逆に見直す余地も大きくなっている。生活インフラの維持に貢献してもらえば「平均的な日本人の生活水準の向上に寄与する」のではないか。
言語や文化・習慣の違いを乗り越えて能力を発揮できるように環境を整備することで(留学生教育の充実など)、外国人労働者の増加は労働力不足の緩和や生産性向上に資するものとなり、結果として平均的には日本人の生活水準の向上にもつながると考える。
生活水準をGDP、平均的な日本人を代表的個人として捉えれば、上昇する。ただし、生活水準を、別のコンセプトで捉えたり、分配面への影響をも考慮して考えると、定かではない。
最近の経済学の研究によれば、外国人はその国で生まれた人たちに比べて、新しい発見をしたり、起業したりして、経済成長により寄与することが知られている。その一方で、文化や生活習慣の違いから自国民との政治的・社会的軋轢が生まれることもあることも明らかになっている。
在留資格は政策的に決められるので、日本人の生活水準が低下したとすれば、政策の失敗である。外国人を労働力としてしか見ずに社会生活を営む人間であることを無視したため、移民政策を失敗した国が多い。日本の政策もその轍を踏んでいるので、費用を考慮せずに進めばいずれ生活水準の低下につながる。適切な運用でそれを避けることも可能であり、確実にそうなるとまでは言えないが、警鐘の意味で「そう思わない」と回答する。
今後50年で日本の人口が3割以上減少すると予測されていることを踏まえると、コンビニや外食、介護、建設など幅広い業種における人手不足の解消には、外国人労働者の受け入れは避けて通れないだろう。ただし、言語や文化の違いによって生活上の摩擦や地域コミュニティへの負担がどの程度生じるかについては、不透明な部分も残っている。
経済社会の発展と活性化に対して「多様性」という価値観は必須。また、単に、彼らを人手不足をカバーする「労働力」としてではなく、どうすれば私たちの社会に貢献したい・受け入れられたいと思ってもらうようになるかについて真剣に考える必要があると思う。
外国人を受け入れることを前提とするにしても,その増加の規模や特質,そして増加に応じた中央政府や地方自治体による体制整備に大きく依存する.したがって,現状では一概には言えない.
テーマ
外国人政策
外国人増で「生活上向く」76% 経済学者、財政改善に期待大きく
日本の外国人数は急増しており、2024年末時点の在留外国人数は376万人超と前年から11%増えました。外国人労働者が経済成長に欠かせないとする意見がある一方、財政や社会保障への影響を懸念する見方もあります。
在留外国人数の増加は、平均的な日本人の生活水準の向上に寄与する。
在留外国人の増加は、日本の財政収支の改善に寄与する。
外国人や外国企業による不動産購入の規制は強化するのが望ましい。
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