闇の王がファミリアに入ってもいいじゃない、『元』人間だもの 作:大豆万歳
「レフィーヤから聞いたぞ。貴公、『ソウルの魔術』のみならず『奇跡』と『呪術』も使えるそうだな」
「ああ」
「何処の誰から教わったか……」
「すまないが、教えられないな」
「……そうだろうな。わかっていたさ」
ベルがいるとされる9階層奥のルームまでの道中。俺はリヴェリアからの質問に答えている。
「貴公の倒したあのミノタウロスだが、間違いなく『強化種』だろう」
「ほー」
「それを相手にあそこまで冷静でいて、なおかつ討伐してのける……本当にLv.1か?」
「ああ。なんなら、ここで【ステイタス】を見せようか?」
「……いや、いい。次の質問だ。貴公、あのミノタウロスを倒したあとで座り込んでいたが、何をしていた?」
「
背負っている
「材料は何だ?ミノタウロスの角……は違うな、大きさが釣り合わない。魔石か?」
「いや、ミノタウロスの『ソウル』を使ったよ」
「……もしや、『ソウル錬成』か!?」
「そのとおり」
「馬鹿な!『ソウル錬成』は我々人類の四大
「使えるものはなんでも使う。それだけだ」
「……いや、『ソウル錬成』という、遥か古代の
「聞いたことはなくとも、ついさっきその目で目撃したじゃないか」
「むぅ……」
俺の返答を聞いて、リヴェリアは顎に手を当ててぶつくさ言い始めた。
「……」
ちらりと背後のティオネに視線を送ると、睨まれてしまった。なんでさ。
「では、次の──」
質問を口にしかけたところで、リヴェリアの目線が前方に向けられる。俺もつられてそちらを見ると──
「ベル!リリ!」
ベルを背負っているアイズと、リリを抱きかかえている【
「グレイさん……」
「ベルとリリの容態は!?」
「2人とも疲労で眠っているだけなので、大丈夫ですよ」
アイズの報告を聞き、俺は胸を撫で下ろす。
「リヴェリア、この子達をバベルに届けてくるね」
「ああ」
「じゃあ、俺は一旦帰らせてもらう。団員の命が最優先なんでな。そちらの質問には、またの機会に」
「わかった。その言葉、忘れるなよ」
俺たち3人はそのまま地上へ向かって走り始めた。
「俺は
「はい!」
「任せて!」
俺は【ヘスティア・ファミリア】
「フレイヤ様。ただいま帰還いたしました」
「開いているわよ」
部屋の主の許可を得て、
「まずは……お疲れ様。そして、よくやったわ。オッタル、アレン」
今回の件は、ベルの可能性とグレイの闘う姿を見たいという彼女のお願いから始まった。
ベルは彼の魂の輝きを曇らせる要因となっているミノタウロスへの
そして、彼女が2人に提示した条件は2つ。1つ、彼らにぶつけるモンスターはミノタウロスであること。1つ、彼らと直接接触してはならない。この2つを守るのなら、強化方針は任せるという命を受け、オッタルとアレンは今日まで中層に潜っていた。
ベルは
結果は、フレイヤが《神の鏡》越しに見ていたとおり。ベルはミノタウロスと激闘を繰り広げ、見事これを撃破。グレイはミノタウロスとの戦闘を楽しみ、見事撃破してのけた。
「(
まぶたを閉じれば鮮明に浮かんでくる。2人の魂が輝いたあの瞬間を思い出しては熱っぽいため息をつき、疼く下腹部に手を当てる。
「フレイヤ様。貴女に1つ、質問がございます」
「おいオッタル、お前何を──」
「何かしら?オッタル」
止めようとする
「鎧を纏ったあの男……グレイ・モナークとは、何者なのですか?」
「そうね──」
オッタルの問いに対し、彼女は微笑みながら答える。
「──あの人こそは最強の
次回から原作4巻開始です。