闇の王がファミリアに入ってもいいじゃない、『元』人間だもの   作:大豆万歳

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お待たせしました。24階層での話は3つに分けて投稿する予定です。


第13話

「……まだか……」

 

【ロキ・ファミリア】のホーム、黄昏の館前で俺は人が来るのを待っていた。

遡ること数分前。アイズ・ヴァレンシュタイン氏の手紙を届けに来た俺は、門番の1人に渡したところ「そこで待っていろ」と言われた。渡したんだから帰らせてくれてもいいと思うんだが……。

 

「しかし、大きいホームだ……」

 

長邸という表現が似合う長大な館。狭い敷地面積に無理矢理築き上げ、高層の塔が幾つも重なり合い、お互いを補完し合っている。

オラリオ屈指の探索(ダンジョン)系【ファミリア】と聞いてはいたが、【ヘスティア・ファミリア(俺達)】のような零細【ファミリア】と比べても天と地ほどの差がある。

 

「……お、やっと来た」

 

こちらに近づいてくる足音のするほうに目をやると、先程の門番の人が戻ってきた。

 

「主神ロキがお呼びだ、ついて来い」

「?……わかった」

 

俺は門番の人に案内され、ホームの敷地に入った。

 

「ロキ様、お連れしました」

「ん、ありがと。戻ってええで」

 

そこには白いテーブル越しに向かい合う神ロキと神ディオニュソスがいた。そして神ディオニュソスの後ろにはフィルヴィス・シャリアが、神ロキの隣にはベート・ローガとレフィーヤ・ウィリディスがいた。

 

「念の為に聞くで。自分、これを10階層でアイズたんから渡すよう言われたってホンマか?」

「ええ」

「何処の誰から冒険者依頼(クエスト)を受けたか、聞いてへん?」

「いいえ」

「……わかった。ほんならな、自分、レフィーヤ達のパーティーに加わって24階層まで行ってくれへん?」

 

レフィーヤ・ウィリディス、ベート・ローガ、フィルヴィス・シャリアの順に指差した神ロキはそう言ってきた。

 

「ディオニュソスがな、『うち(ロキ)の信用が欲しい。信用は行動で勝ち取らなければならない』って自分とこの子も連れて行ってくれ言うたんよ。ほんで、自分はディオニュソスと協力しとるんやろ?だったら丁度ええと思ったんやけど……どうや?」

「……わかりました、俺も行きましょう」

 

「よし」と神ロキは頷くと隣にいるレフィーヤ・ウィリディスとベート・ローガのほうを向く。

 

「ちゅーわけでや。あの子も同行するから、準備しとき」

「はい」

「……あぁ」

 

 

 

 

ダンジョンに向かう途中。

 

「すまない、1ついいだろうか?」

「はい。何でしょうか?」

「さっき聞きそびれたんだが、俺たちがこれから向かう24階層に何かあるのか?」

「ロキから聞いたんですけど、24階層でモンスターが大量発生しているそうなんです」

「ほう、そんなことがあったのか」

「ええ。ただ……今のところギルドが目立った動きをしていないんです」

 

……なら、アイズ・ヴァレンシュタインに冒険者依頼(クエスト)を発注したのは何者なんだ?どこか他の探索(ダンジョン)系ファミリアがしたのか、それとも……

 

「でも、少し安心しました」

「安心した、とは?」

「だって、私1人じゃその……この空気に耐えるのは厳しいですから」

 

泣きそうな声で言うレフィーヤ・ウィルディスの目線の先には同行することになったフィルヴィス・シャリアとベート・ローガがいる。

フィルヴィス・シャリアのほうは、こちらが挨拶をしてもまったく返さない。ベート・ローガは彼女のその態度が気に入らないのか、刺々しいオーラを放っている。

パーティーの雰囲気がこれで大丈夫なんだろうか?そんな不安を抱きながら、俺はダンジョンに足を踏み入れた。




次回、18階層にGO
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