闇の王がファミリアに入ってもいいじゃない、『元』人間だもの 作:大豆万歳
「……まだか……」
【ロキ・ファミリア】のホーム、黄昏の館前で俺は人が来るのを待っていた。
遡ること数分前。アイズ・ヴァレンシュタイン氏の手紙を届けに来た俺は、門番の1人に渡したところ「そこで待っていろ」と言われた。渡したんだから帰らせてくれてもいいと思うんだが……。
「しかし、大きいホームだ……」
長邸という表現が似合う長大な館。狭い敷地面積に無理矢理築き上げ、高層の塔が幾つも重なり合い、お互いを補完し合っている。
オラリオ屈指の
「……お、やっと来た」
こちらに近づいてくる足音のするほうに目をやると、先程の門番の人が戻ってきた。
「主神ロキがお呼びだ、ついて来い」
「?……わかった」
俺は門番の人に案内され、ホームの敷地に入った。
「ロキ様、お連れしました」
「ん、ありがと。戻ってええで」
そこには白いテーブル越しに向かい合う神ロキと神ディオニュソスがいた。そして神ディオニュソスの後ろにはフィルヴィス・シャリアが、神ロキの隣にはベート・ローガとレフィーヤ・ウィリディスがいた。
「念の為に聞くで。自分、これを10階層でアイズたんから渡すよう言われたってホンマか?」
「ええ」
「何処の誰から
「いいえ」
「……わかった。ほんならな、自分、レフィーヤ達のパーティーに加わって24階層まで行ってくれへん?」
レフィーヤ・ウィリディス、ベート・ローガ、フィルヴィス・シャリアの順に指差した神ロキはそう言ってきた。
「ディオニュソスがな、『
「……わかりました、俺も行きましょう」
「よし」と神ロキは頷くと隣にいるレフィーヤ・ウィリディスとベート・ローガのほうを向く。
「ちゅーわけでや。あの子も同行するから、準備しとき」
「はい」
「……あぁ」
ダンジョンに向かう途中。
「すまない、1ついいだろうか?」
「はい。何でしょうか?」
「さっき聞きそびれたんだが、俺たちがこれから向かう24階層に何かあるのか?」
「ロキから聞いたんですけど、24階層でモンスターが大量発生しているそうなんです」
「ほう、そんなことがあったのか」
「ええ。ただ……今のところギルドが目立った動きをしていないんです」
……なら、アイズ・ヴァレンシュタインに
「でも、少し安心しました」
「安心した、とは?」
「だって、私1人じゃその……この空気に耐えるのは厳しいですから」
泣きそうな声で言うレフィーヤ・ウィルディスの目線の先には同行することになったフィルヴィス・シャリアとベート・ローガがいる。
フィルヴィス・シャリアのほうは、こちらが挨拶をしてもまったく返さない。ベート・ローガは彼女のその態度が気に入らないのか、刺々しいオーラを放っている。
パーティーの雰囲気がこれで大丈夫なんだろうか?そんな不安を抱きながら、俺はダンジョンに足を踏み入れた。
次回、18階層にGO