売春地帯から少女たちを救え 人身売買の実態…救出の一部始終、アジア各国から数万人の女性が毎年インドへ【報道特集】
午後4時、目的地にたどり着いた救出チーム。周囲を見渡すと、売春宿への呼び込みを行う女性たちが既に路上に立ち始めていた。 ターゲットの雑居ビルを発見。警察とともに、一斉に踏み込んでいく。向かったのはビルの2階にある売春宿。そこに3人の少女がいるという。 店内に入ると、女性たちが客待ちをしていた。店の奥に進み、一つ一つ部屋を捜索する調査員。 NGOスタッフ 「少女たちは?」 調査員 「男性客しかいません」 長谷川さん 「逃げたか」 さらにビルの奥へと進み、別の部屋を調べる長谷川さんたち。捜索を続けていると、この店の責任者が近づいてきた。 ■警察から売春宿に情報漏れか わずか30秒の間にもぬけの殻に 長谷川さん 「あなたネパール人?」 責任者 「そうです」 長谷川さんたちに、座るよう促してくる。 売春宿の責任者 「ビールでも飲みます?」 時間稼ぎを狙っているのか、救出チームを引き留めようとしているようだ。 騒ぎを聞きつけ、ビルの通路は売春宿の関係者たちで溢れ始めていた。 NGOスタッフ 「少女たちはどこ?」 責任者 「2人ほどいたけど、どこに行ったかしら」 着手から既に10分以上が経過。救出を中断し出口へ向かっていた、その時。向かいのビルの入り口に、複数の少女が立っていた。 すぐさま現場に向かったが、姿は既にない。その間、わずか30秒。ビルの中に入ったのか。捜索に向かうと… 調査員 「逃げ道がある」 長谷川さん 「逃げてます。誰もいません。もぬけの殻です」 店の中には従業員すら残っていない。少し進むと、外へと繋がる道が見つかった。 捜索開始から20分。チームは少女たちの救出を断念した。 警察から売春宿に事前に情報が漏れ、警戒を強めていたのではないか。調査員は、そう分析する。 NGO調査員 「警察は売春宿から賄賂をもらって情報を漏らすこともあります。これがインドです」 「10回中、成功するのは2、3回程度です」 ■「普通の生活をしている女の子も被害に」 元々、ノンフィクションライターとしてインドの社会問題を追っていた長谷川まり子さん。駆け出しの頃に訪れた売春街で少女たちの姿を目の当たりにし、取材を始めた。