馬木也は24年の初主演映画「侍タイムスリッパー」で大ブレーク。知名度を上げたが、関係性は以前と変わらない。
幸四郎「今回会うにあたり『侍―』の次回作のタイトルだけは考えましたよ。『侍タイムマシン』、もしくは『侍タイムショック』(笑)」
馬木也「そこは2でいいんじゃないですか?あるいは『侍ニューヨークに行く』とか」
幸四郎「何だったら(脚本を)書きますよ! 出演しませんし、見ませんけれど(笑)」
馬木也「どういうことなんですか!?」
幸四郎「映画の公開以来、今回久々に会ったけれど、何も変わらずの馬木也さんであるのは、うれしいですよ」
同い年といえど、2人の芸歴は幸四郎が47年、馬木也が27年と2倍近く差がある。この際、馬木也が幸四郎に尋ねたいことを聞いてみた。
馬木也「実は撮影前に幸四郎さんは立ち回りの合宿をされていた。このキャリアでも取り組まれている。大量の資料も一緒に持参されていると聞いた。ここまで来たらもう、やることないんじゃないのと思うけれど、目指されるものがあるのかと。現場ではふわっとひょうひょうとしているし、一切そんな素振りを見せない。僕にとっては雲の上の方。見て空気を感じていくしかない」
幸四郎「何もせずにやるのが理想。技術的なことの確認が目的で、例えば着流しでやったときはどう崩れていくかとか。撮影日前でないと試せませんからね」
善悪だけでなく、登場人物の個性やユーモアまで繊細に描かれているのも「鬼平」の魅力だ。
幸四郎「江戸時代ってフィクションでは一番つくりやすい。まずは時代劇に触れていただきたい。人が会う、話すことが濃く描かれた作品」
馬木也「日本人特有の持っているものを感じてもらえる作品。時代劇に対する見方が変わると思う」
黄金タッグの熱演に注目したい。
★映画館でも
作品は「時代劇専門チャンネル」での独占初放送に加えて「時代劇専門チャンネルNET」で独占配信される。さらに特別映像を加えた特別先行版「鬼平犯科帳 兇剣」が今月5日から18日までTOHOシネマズの3館(東京・日比谷、京都・二条、大阪・なんば)で上映される。TOHOシネマズ日比谷の9日午後3時からの上映回には幸四郎の舞台あいさつが予定されている。
■松本幸四郎(まつもと・こうしろう) 1973(昭和48)年1月8日生まれ、52歳。東京都出身。78年12月、NHK大河ドラマ「黄金の日日」の最終回に子役で出演。翌79年3月、歌舞伎座「侠客春雨傘」で三代目松本金太郎を襲名して初舞台を踏む。81年10月に七代目市川染五郎、2018年1月に十代目松本幸四郎を襲名。父は二代目松本白鸚(83)。座右の銘は「一意専心」。
■山口馬木也(やまぐち・まきや) 1973(昭和48)年2月14日生まれ、52歳。岡山県出身。98年の日中合作映画「戦場に咲く花」で役者デビュー。2000年に「三人姉妹」で初舞台を踏む。24年8月の初主演映画「侍タイムスリッパ―」で第67回ブルーリボン賞主演男優賞などを受賞。俳優の故藤田まことさん(享年76)を師と仰ぐ。座右の銘は「日日是好日」。