もし星見雅に兄上が居たら   作:89式小銃

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どうも89式小銃です。

未だ油断禁物の暑さが続く9月ですが、ほんの少しずつ涼しくなってきていることを肌身に感じております。さて、今回のゼンレスゾーンゼロのストーリー・エージェント秘話は中々衝撃的な内容でした。ネタバレをしてしまうので詳細は語れませんが、今回もバーニスにお世話になってしまいました…

そしてオルペウスちゃんが可愛いすぎる…絶対に入手してやると思わず意気込みしてしまいます(「鬼火」隊長はその…ウン…)

長文と駄文失礼しました。それではどうぞ



# 09 狐の威を借る猫 上

 

 

 

 

鄙「はぁぁぁぁやっと終わった…」

 

同日の時刻は薄暮の時。調査協会から戻った鄙はため息をつきながらベットに転がり込んだ。

 

あの後は作業員達と無事合流を果たし、彼らが線路の修復作業を行う傍らで周囲に隈無く目を光らせながら警戒し、何も起こらずに終わってほしいと願っていたが今日の星占いが最下位だったことが運の尽きだった。

 

その後の展開は察しの通り、作業員がホロウ外に退避するまで鄙は襲来してくるエーテリアスをひたすら斬って、斬って、斬って、斬りまくった。

 

結果として任務は無事達成したものの、戦闘時間は1時間を越え、200を超える個体数のエーテリアスを撃破した。しかも驚くべきことにホロウ半径がほんの数メートル規模ながら縮小をしたらしく、そのせいで書類作業を増やしてしまったことは完全にやらかした。

 

鄙「イタタッ…き、筋肉痛が…」

 

寝返ろうとした時、両手両足に鈍い痛みが走る。最近は事務方の業務ばかりを行っていた影響で身体がたるんでしまったようだ。

 

鄙「備えあれば憂いなし…明日を休暇にして正解だったな…」

 

幸い、こういうことになることを予測して予め有給を取得いたので、明日一日は自宅で溜まった疲れを癒すことにする。

 

 

ピコンッ

 

鄙「ん、メール?誰から………ゑ?

 

相手はなんとからだった。もちろんノックノックの連絡先を互いに交換した覚えはなく、いつの間にか追加されている……いやなんで?

 

ホラー映画みたいな展開に思わず冷や汗をかくが、ひとまずメールに返信する。

 

 

______________________

 

雅)〘藤木、少し良いか?〙

 

        〘どうかされましたか?〙(鄙

 

雅)〘先週、お前と初めて出会った

   際手合わせを願おうとしたこ

   とは覚えているか?あの時は

   都合が合わずそれが叶わなか

  った〙

  〘そこで提案なのだが、次週の

   末に予定が空いるのであれば

   どうだろうか?〙

 

     〘それはまた急なお誘いですね… (鄙

      あいにく当日は外せない用事が

      ありまして…せっかく誘って下

      さっているのに申し訳ないです

      …〙

 

雅)〘む…そうだったか。そちらの

   都合を考えずに話を進めてし

  まってすまなかった〙

  〘久しぶりに実りのある修行が

   できると期待していたのだが 

   致し方ない。次回の報告会へ

   の出席は、ボンプ語検定特一

  級をマスターする修行で逃れ

   るとしよう〙

 

     〘えっと…修行が成功すると良い (鄙

      ですね?〙

     〘ところで自分の連絡先はいつ知

      ったのですか?交換した覚えが

      ないのですが…〙

 

雅)〘あぁ、初めて出会った時にお

   前と一緒にいた猫のシリオン

   …名はサクラと言ったか。彼

   女に尋ねると快く教えてもら

  った。彼女には感謝する他な

   い。これで藤木を毎週の鍛錬

   に誘えるのだからな〙

 

        〘それは勘弁して下さい…〙(鄙

______________________

 

 

 

鄙「……やっぱり手合わせの誘いだったかぁ…」

 

正体がバレてないようでホッと息を撫で下ろすと同時に、意図せず雅の連絡先を持ってしまったということに危機感が募る。

 

というか、何気にトンチキな言い分で仕事をサボろうとしてなかったか?

 

鄙「しかし修行か。雅も続けていたんだな」

 

その言葉を思い浮かべると、昔の記憶が思い出され懐かしく感じる。

 

年端もいかない幼少期から、母親と一緒に多種多様な事柄へ挑戦するたび修行と銘打ち学んでいた。母亡き今でもその習慣は肌身に染み付いている。

 

時には少しばかり辛いものもあったが、母親が一緒なら如何なる難題でも成し遂げることができた。そして、母親の絶え間ない努力と人一倍の愛情があったからこそ今の自分がある。

いつかその恩を何十倍にして返すつもりだったが、それは叶わず自分達より先に二度と会うことが叶わない遠い場所へと行ってしまった。

 

鄙「…そういえば、もうすぐ母さんの命日か…」

 

今年で10年目を迎えることになる旧都陥落事件―それは母親が落命した悲劇の出来事でもあり、何もできなかった自身の無力感、大切な家族を失ってしまった深い悲しみをその日が近づくにつれ日常的に感じ、心が強く締め付けられる。

 

 

 

Pruuuuuu!!!!

 

 

 

感傷に浸っていた時、その雰囲気を崩すように着信音が部屋に鳴り響く。

 

鄙「うおっ…!で、電話か…」

 

情けない声が出てしまうほどに驚きつつ相手先を確認すると、パエトーン兄妹のリンからだった。別に珍しくはないのだが…何故か嫌な予感を覚える。

 

鄙「どうしたリン?何かトラブルでもあったのか?」

 

リン『あっ藤木さん。今すぐビデオ屋に来てくれない?トラブルというか事件というか…どうやらニコ達がホロウの中で身動きが取れない状態になっているらしくて』

 

鄙「…!すぐ向かう。場所はビデオ屋だな?」

 

リン『うん。事態はかなり切迫しているっぽいから、なるべく急ぎでお願い』

 

鄙「あぁ承知した」

 

電話を切るなり崩れていた身なりを素早く整え、ベットに投げ置いていた骸狩りを手に取り自宅をそのまま飛び出す。

 

自宅のマンションからビデオ屋までの距離はそう遠くなく、走れば1、2分で到着できる。夕風を切りながら住宅街の狭い路地を駆け抜け、最短距離でビデオ屋へと急行する。

 

そして、1分もせずビデオ屋に到着した鄙が扉を開けるとレジカウンターの前に立つ三人の人影が見えた。二人はいつも見るアキラとリンだが…

 

リン「あ!藤木さ―」

 

自身の名前を呼ぼうとしたリンの声を遮り、ネコのシリオン少女が目の前に飛び出してくる。

 

「あんたがパエトーンの言っていた助っ人か!?今からニコ達を助けるためにヴィジョンの爆破エリアに向かおうとしていたところなんだ!着いてきてくれるか?」

 

鄙「…ちょっと待ってくれ。ヴィジョンの爆破エリアだと?そして君は誰だ?」

 

色々と突然すぎて話の整理が追いつかない。

 

アキラ「猫又、落ち着くんだ。唐突すぎて本人が困っているだろう。駆け付けてくれてありがとう御座います藤木さん」

 

鄙「あぁ。それよりアキラ、この娘は何者なんだ?」

 

猫又「私は猫宮 又奈。猫又って呼んでいいぞ。好物はサバ缶…って、呑気に自己紹介している場合じゃない!あんたの力を貸して欲しいんだ!」

 

鄙「単刀直入だな…急を要しているのは分かっているがまずは情報を知りたい。事の経緯を説明してくれるか?」

 

リン「それについては私が話すよ。内容が長いから結構端折っちゃうけど」

 

そして、彼女によって超簡潔なあらましが段階的に説明される。

 

 

①金庫の出処調査のため、赤牙組アジトに潜入していたニコ達が組員達と遭遇

 

②アンビー、ビリーと逸れたニコは猫又と出会い、組に

奪われた家族の形見を取り戻してほしいという猫又の

依頼を引き受ける

 

③他の二人と無事合流したニコ一同は赤牙組の3つある拠点を探索していたが、最後の拠点があるデッドエンドホロウでトラブルに遭い、ヴィジョンの爆破エリアに取り残された

 

④爆薬を積んだヴィジョンの輸送列車が爆破エリアに到着するのを防ぐべく、治安局や調査協会に見つからないようデッドエンドホロウ内部で列車を停止させる

 

 

リン「以上がここまでのあらすじだよ」

 

鄙「………」

 

相変わらず運ではなくトラブルには恵まれているニコ達に頭を抱えるしかない。それもよりによってデッドエンドホロウの爆破エリアで立ち往生するなど、大金はたいて購入したメロンが熟しきっていなかったのと同じぐらい深刻な状況だ。

 

アキラ「当初は猫又とイアスだけで行動しようと思っていたんですが、デッドエンドブッチャーと遭遇した時のことを考えるとリスクが大きすぎるので、強力な助っ人として藤木さんを呼んだ訳です」

 

鄙「…とりあえず事の経緯は把握した。かなり面倒な事になっているようだが、列車を止める手立てについて考えは?」

 

リン「それはまだ…緊急事態だからデッドエンドホロウに入ってから考える予定」

 

鄙「そうか…」

 

万全を期すため行動計画はなるべく念密に仕上げたかったが、今回はタイムミリットがあるため致し方ない。

 

鄙「だが、万が一列車が止められなかった場合はヴィジョンと治安局に連絡させてもらう」

 

猫又「待て待て!治安局はともかくヴィジョンはダメだ!!あのオッサンは嘘つきだから信用しない方がいいぞ!」

 

瞳孔をこれでもかと大きく見開き、必死の表情で制止してくる。

 

鄙「オッサン?もしやパールマンのことか。嘘つきとはどういうことだ?」

 

猫又「あ…えっと〜…こっちも話せば長くなってしまうから……ひとまず列車を止めることに集中するぞ!」

 

適当な言葉ではぐらかされ、他に何か隠し事をしているように感じ得るが、これ以上会話を重ねていると爆破時間に間に合わなくなってしまう。追求は事が終わってからでも遅くはない。

 

鄙「よし、行動計画を纏める」

 

そして簡単なブリーフィングを行う。

 

鄙「自分と猫又はデッドエンドホロウに向かい、最適解の手段で列車を停止させて爆破エリアに居るニコ達を救出。最短距離で時間をかけないためにエーテリアスとの戦闘は可能な限り回避する。これら行動計画を円滑に進めるためにはアキラとリンの道案内が不可欠だ」

 

アキラ「任せて下さい。無事に目的地まで案内します」

 

リン「失敗は許されないから気を引き締めていかないと…」

 

普段の温厚で優しい性格とは真反対の真剣で鋭い目つきの仕事モードに入った鄙を見て、アキラとリンの二人はこれまで以上に経験したことのない重責を肌身に感じる。

 

鄙「あと…」

 

アキラ「?何か足りない物でも?」

 

鄙「…筋肉痛用の湿布をくれないか…?痛みで今にも倒れそうだ…」

 

その言葉によって張り詰めていた空気がポンと弾ける。

 

猫又「( ゚д゚ )ポカーン」

 

リン「あはは…いつもの藤木さんだね…」

 

 

 

 

 

to be Continued

 




Pwmdt’さん、たらたむさんから☆10

Himakuraさん、Erlösungさん、人工肉さんから☆9を頂きました!!皆さん高評価ありがとう御座います!!

著者のモチベーションにも繋がりますのでお気に入り登録、感想、そして評価をお待ちしております。もし誤字や脱字、文書の抜け等がありましたら報告をお願い致します。

それではグッバイ

鄙と雅を再開させるなら、どの章?

  • 2章 白祇重工編
  • 2章 間章 治安局編
  • 3章 ヴィクトリア家政編
  • 4章 カリュドーンの子編
  • 5章 対ホロウ6課編
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