昭和50年代初めに中古のF2を手に入れてから,ライカ判はずっとニコンを使ってきた僕である.ニコマートEL,FE,F601,F80,F4と続いて平成19/2007年のD200によってデジタル化,その後はD700,D850を追加してミラーレスがラインナップに加わったのは令和5/2023年のZ8によって,だった.
Z8の導入には,大いに頭を悩まさせられることになった.懐の具合はいうまでもないことだが,なにしろニコンの“一眼”カメラとしては初めてのマウント変更が伴ったから.
これまでのFマウントレンズが全く使えなくなったわけではなくて,一定以上の年代のレンズならばアダプターを介してZボディにも装着できるというのが,いかにもニコンらしい計らいであった.
しかしその逆は不可であり,Zマウントのレンズは一眼レフで使うことはできない.あってもよさそうに思う……レフ機とミラーレス機との構造の違いを考えれば不可能であることはすぐに理解できるのだけれど.
ということで,純粋のZマウントレンズも手に入れたが,Fマウントのレンズで好きな描写を実現してくれるレンズもあり,なおかつD850も並行して使うつもりだったから,全面移行はできない,僕なのである.
手に入れてから2年を経て,ようやく手に馴染んできたと思うようになってきた今年の秋,タムロンから“最新ラインナップレンズを試してみませんか”とお誘いをいただいて,しばらくの間,同社のZマウントレンズ3本を試用することができた.
タムロンレンズは広角ズームレンズを長期で拝借した経験があって,無縁ではなかったけれど,それは20年ぐらい前のこと.いやはや久し振りである.どのように進化しているのか興味津々,現物の到着を待った.
拝借したのは16-30mm,28-75mm,そして70-180mm.いずれも開放値はF/2.8.
フィルムの時代に比べれば絞り値の制限は格段に緩やかになった.なにしろ,かつてはTRY-Xを最大に増感現像してもようやくISO 1600.朝夕や曇り空だと,早い列車を写し取るためには2.8とか2.0とか……レンズの開放値での勝負だった.当然,被写界深度は浅いから,おのずと構図に大きな制限が生じる…….
それが今ではISO 1600なんて当たり前.12800とか25600とか……非常時には102400なんて,桁が違うんじゃないかという数字が出てくる.おのずと三脚のお世話になるチャンスは激減した.
しかしそれにしても,である.やっぱり撮影時の感度は低く設定するに越したことはない.粒子(ではないのだけれど)の違いは歴然としているから.
ということで,“F/2.8”という明るいレンズはありがたいのである.
ずいぶんと前置きが長くなった.到着を待ちかねて持ち出したのは,皆さんご存じの西武鉄道池袋線江古田駅を出はずれた踏み切り近くであった.
なお,僕は機材の性能を数値化しての評価ができるカメラやレンズの専門家ではない.だから,あくまでも使ってみての印象や感想であることを,あらかじめご了解いただければ幸い.
また,ブログにアップロードする解像度では,本当の意味での解析などおぼつかないことは,みなさんご承知のことと思う.それでも,いつもよりは解像度を上げてみたので,ぜひ画面をクリックして,拡大画像でご覧いただきたいと思う.
最初にやってきたのは20000系だった.レンズは28-75mm.焦点距離は記録によれば53mm.シャッタースピードは1/400秒,絞りは開放.思わず流し撮りをしてしまったから,周辺の隅々の解像度を厳密に見ることはできないが,左手前のマンションのエアコン室外機や右下のバラストのボケ方から,このレンズの味付けの一端が解るかもしれない.
二番目は西武秩父行きLaview.同じ26-75mmで焦点距離は39mm.少し絞ってf/3.5.左端は通行人が写り込んだのでトリミングしたが,それ以外はノントリミングで,なおかつ傾き取りなどはしていない.シャッタースピードは1/800秒.だから電車が少し流れているが,地面にはしっかりとピントが来ている.
合間には,20㎝ぐらいまで近寄っての撮影ができるというので,線路脇に咲いていた芙蓉の花を撮影してみたりもしたが,やっぱり電車でなくちゃ……と思い直して,レンズを70-180mmに取り替え.

続いては40000系.Laviewとは対照的に,1/125秒でようやくLEDの文字を読むことができる,なかなか手ごわい電車である.この写真は焦点距離180mmでf/8まで絞っている,焦点距離が違うし,ほんの少しだけれど,本能的にカメラを振ってしまっているから,背景のボケ具合は単純比較できないけれど,僕の目には素直な描写のように思える.
レンズを28-75mmに戻し,LEDの文字が欠けるのを承知で撮影してみたのが下の写真.

続いては16-30mmであるが,持ち出すことができたのは江古田でのテストから1週間後となった.ビッグサイトで催されたジャパン・モビリティ・ショーの会場だった.
会場内にさまざま展示された新形車や旧形車,ましてやコンセプトカーなどは,“報道”ではない今回のブログでは差し障りがあるかもしれないと思うので,2点だけ.

横方向のひずみを見るための,もうひとつのサンプル(?)が,真横から撮影した“HYBARI”の模型.ほぼ一直線が保たれている……ように“感じる”けれど,どうだろう.
さてその次はどこへ……と思っていたのだけれど,なんだかいつも以上の怒涛のスケジュールが僕に襲い掛かってきてしまい,活躍させる場を得ることが難しいままに,お返しする期日が来てしまった…….残念!
それで感想だが,F/2.8という明るいレンズにしては,という但し書きは付くだろうけれど.軽い! 全く同一のスペックというニコンレンズは存在しないのだが,似たスペックのニッコールレンズと比べると,いずれも10~20%程度は軽い.
使い初めて戸惑ったことがひとつあって,それはズームリングの位置.僕が普段使っているレンズと前後関係が異なっていて,ズーミングのつもりでフォーカスリングを回して……なれの問題なのだろうが.回転方向が違うのに比べれば,大きな問題ではあるまい.
フィルター径が67mmに統一されていることも,地味だけれど,揃えるべきフィルターの数を減らすことができるということ,ひいては荷物を軽くすることができるというメリットがある.
ということで,ちょっとした“レンズ沼”に浸ることになっしまうのではないかと“恐れて”いる今日この頃なのである.
Z8の導入には,大いに頭を悩まさせられることになった.懐の具合はいうまでもないことだが,なにしろニコンの“一眼”カメラとしては初めてのマウント変更が伴ったから.
これまでのFマウントレンズが全く使えなくなったわけではなくて,一定以上の年代のレンズならばアダプターを介してZボディにも装着できるというのが,いかにもニコンらしい計らいであった.
しかしその逆は不可であり,Zマウントのレンズは一眼レフで使うことはできない.あってもよさそうに思う……レフ機とミラーレス機との構造の違いを考えれば不可能であることはすぐに理解できるのだけれど.
ということで,純粋のZマウントレンズも手に入れたが,Fマウントのレンズで好きな描写を実現してくれるレンズもあり,なおかつD850も並行して使うつもりだったから,全面移行はできない,僕なのである.
手に入れてから2年を経て,ようやく手に馴染んできたと思うようになってきた今年の秋,タムロンから“最新ラインナップレンズを試してみませんか”とお誘いをいただいて,しばらくの間,同社のZマウントレンズ3本を試用することができた.
タムロンレンズは広角ズームレンズを長期で拝借した経験があって,無縁ではなかったけれど,それは20年ぐらい前のこと.いやはや久し振りである.どのように進化しているのか興味津々,現物の到着を待った.
拝借したのは16-30mm,28-75mm,そして70-180mm.いずれも開放値はF/2.8.
フィルムの時代に比べれば絞り値の制限は格段に緩やかになった.なにしろ,かつてはTRY-Xを最大に増感現像してもようやくISO 1600.朝夕や曇り空だと,早い列車を写し取るためには2.8とか2.0とか……レンズの開放値での勝負だった.当然,被写界深度は浅いから,おのずと構図に大きな制限が生じる…….
それが今ではISO 1600なんて当たり前.12800とか25600とか……非常時には102400なんて,桁が違うんじゃないかという数字が出てくる.おのずと三脚のお世話になるチャンスは激減した.
しかしそれにしても,である.やっぱり撮影時の感度は低く設定するに越したことはない.粒子(ではないのだけれど)の違いは歴然としているから.
ということで,“F/2.8”という明るいレンズはありがたいのである.
ずいぶんと前置きが長くなった.到着を待ちかねて持ち出したのは,皆さんご存じの西武鉄道池袋線江古田駅を出はずれた踏み切り近くであった.
なお,僕は機材の性能を数値化しての評価ができるカメラやレンズの専門家ではない.だから,あくまでも使ってみての印象や感想であることを,あらかじめご了解いただければ幸い.
また,ブログにアップロードする解像度では,本当の意味での解析などおぼつかないことは,みなさんご承知のことと思う.それでも,いつもよりは解像度を上げてみたので,ぜひ画面をクリックして,拡大画像でご覧いただきたいと思う.
最初にやってきたのは20000系だった.レンズは28-75mm.焦点距離は記録によれば53mm.シャッタースピードは1/400秒,絞りは開放.思わず流し撮りをしてしまったから,周辺の隅々の解像度を厳密に見ることはできないが,左手前のマンションのエアコン室外機や右下のバラストのボケ方から,このレンズの味付けの一端が解るかもしれない.
二番目は西武秩父行きLaview.同じ26-75mmで焦点距離は39mm.少し絞ってf/3.5.左端は通行人が写り込んだのでトリミングしたが,それ以外はノントリミングで,なおかつ傾き取りなどはしていない.シャッタースピードは1/800秒.だから電車が少し流れているが,地面にはしっかりとピントが来ている.
合間には,20㎝ぐらいまで近寄っての撮影ができるというので,線路脇に咲いていた芙蓉の花を撮影してみたりもしたが,やっぱり電車でなくちゃ……と思い直して,レンズを70-180mmに取り替え.
70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2 Model A065
またもやLaview.なにしろ1/1000秒でチャッターを切っても,このぐらいにはLEDが奇麗に写る電車である.絞りは開放.焦点距離は123mmだった.ちょっと傾いてしまったが,あえてそのままお目に掛ける.まぁるい前頭部にはきっちりピントが来て,バックは刺々しくなくソフトにボケているように,僕には見える.続いては40000系.Laviewとは対照的に,1/125秒でようやくLEDの文字を読むことができる,なかなか手ごわい電車である.この写真は焦点距離180mmでf/8まで絞っている,焦点距離が違うし,ほんの少しだけれど,本能的にカメラを振ってしまっているから,背景のボケ具合は単純比較できないけれど,僕の目には素直な描写のように思える.
レンズを28-75mmに戻し,LEDの文字が欠けるのを承知で撮影してみたのが下の写真.
28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 Model A063
焦点距離は75mmで絞りは開放.シャッタースピードは1/1250秒である.車体側面に施されたハリー・ポッターのラッピングが少しずつボケてゆくサマに注目である.続いては16-30mmであるが,持ち出すことができたのは江古田でのテストから1週間後となった.ビッグサイトで催されたジャパン・モビリティ・ショーの会場だった.
会場内にさまざま展示された新形車や旧形車,ましてやコンセプトカーなどは,“報道”ではない今回のブログでは差し障りがあるかもしれないと思うので,2点だけ.
16-30mm F/2.8 Di III VXD G2 Model A064
まずは正面ゲート.焦点距離16mm.f/7.1まで絞り込んでしまったが,この写真の目的であるひずみやゆがみの観察にはあまり関係ないだろうか.画面下部の横長の垂れ幕や手摺などの“直線振り”をご覧いただけるだろう.横方向のひずみを見るための,もうひとつのサンプル(?)が,真横から撮影した“HYBARI”の模型.ほぼ一直線が保たれている……ように“感じる”けれど,どうだろう.
さてその次はどこへ……と思っていたのだけれど,なんだかいつも以上の怒涛のスケジュールが僕に襲い掛かってきてしまい,活躍させる場を得ることが難しいままに,お返しする期日が来てしまった…….残念!
それで感想だが,F/2.8という明るいレンズにしては,という但し書きは付くだろうけれど.軽い! 全く同一のスペックというニコンレンズは存在しないのだが,似たスペックのニッコールレンズと比べると,いずれも10~20%程度は軽い.
使い初めて戸惑ったことがひとつあって,それはズームリングの位置.僕が普段使っているレンズと前後関係が異なっていて,ズーミングのつもりでフォーカスリングを回して……なれの問題なのだろうが.回転方向が違うのに比べれば,大きな問題ではあるまい.
フィルター径が67mmに統一されていることも,地味だけれど,揃えるべきフィルターの数を減らすことができるということ,ひいては荷物を軽くすることができるというメリットがある.
ということで,ちょっとした“レンズ沼”に浸ることになっしまうのではないかと“恐れて”いる今日この頃なのである.