黒い沈黙の行先   作:シロネム

43 / 180


誤字報告、及び評価、感想ありがとうございます!

仕事の都合上、今後はかなり不定期になると思いますが、なるべく早く更新できるよう努めますので、楽しみにして頂ければ幸いです!


~接敵~ 便利屋とアビドス 

 

 

「それじゃあ、気を付けてね」

 

「お仕事、上手くいきますように」

 

「あははっ! 了解! あなたたちも学校の復興、頑張ってね! 私も応援してるから!」

 

「……」

 

あー、 ……こいつ、本当に便利屋か? ……狙う相手間違えたか?

 

 

 

★★★★★

 

 

 

ラーメン屋を後にする。数時間歩いた結果、何とかありつけた食事は本当に美味だった。

 

 

 

「ふぅ……、いい人たちだったわね」

 

「……」

 

「……」

 

「社長。……あの子たちの制服、気づいた?」

 

「えっ、制服? 何が?」

 

「アビドスだよ、あいつら」

 

「……なななな、なっ、何ですってーーーーーー!!!??」

 

「あはははは、その反応うけるー」

 

「はぁ……、本当に全然気づいてなかったのか……」

 

「えっ? そ、それって私たちのターゲットってことですよね? わ、私が始末してきましょうかっ!?」

 

「あははは、遅い、遅い。どうせもうちょっとしたら攻撃を仕掛けるんだし、その時暴れよっ、ハルカちゃん」

 

「う、うそでしょ……。あの子たちが? アビドスだなんて……。う、うぅ……何という運命のいたずら……」

 

「何してんの、アルちゃん。仕事するよ?」

 

「バイトのみんなが、命令が下るのを待ってる」

 

「本当に……? 私、今から……あの子たちを……」

 

「あはは、心優しいアルちゃんに、この状況はちょっとキツいねー。……でも、金さえ貰えれば何でもやるが、うちのモットーでしょ?」

 

「そ、そうだけど……」

 

(これ、完全に参ってるね……)

 

 

 

便利屋68の面々が話していると、後方から機械の駆動音が鳴り響いた。

 

 

 

「疑問。 ……何を迷っている?」

 

 

 

全身が機械の体で構成された人型のナニカ。薄赤色の機体色に赤いモノアイが揺らめく姿は、見るものを恐怖させる姿だろう。

 

 

 

「……! ……赤の便利屋」

 

「推奨。依頼遂行」

 

「……っ、分かってるわよ」

 

「……」

 

「……ねぇ、赤ちゃんは何しに来たの~?」

 

「依頼。雇い主からの伝言。……活躍を期待する」

 

「……わよ」

 

「アルちゃん?」

 

「……行くわよ! バイトを集めて!」

 

 

 

アルの号令を聞き、集合地点へと集まったアルバイト達。彼女たちは集合時間ギリギリに表れた雇い主へと、不満げな表情を浮かべていた。

 

 

 

「なんだよ~。遅かったじゃん」

 

「少し野暮用よ。準備はできてるわね?」

 

「もちろん。何でもいいけど、残業はナシでね。時給も値切られてるし」

 

「細かいことは今は置いておいて! さぁ、行きましょう! アビドスを襲撃するわよ!」

 

「出勤~!」

 

「はぁ……」

 

「アル様! わっ、私、頑張りますから!」

 

「……。……気のせいかな」

 

「カヨコ? どうかしたの?」

 

「…………! ……やっぱり」

 

「ん~? 何かあったの?」

 

「社長、動かないで。…………やられた。アビドスの連中か

 

 

 

★★★★★

 

 

 

「おっと、気づかれたか。……一人だけ警戒心が強いと思ってたんだよな」

 

 

 

都市に居た頃、潜入任務に備えてある工房で作って貰った、超小型盗聴器付き発信機。通信距離の制限が無く、受信端末さえあればどこでも盗聴可能な優れもの。

 

 

 

「……にしても、赤の便利屋って。……アイツじゃないよな?」

 

「うへぇ~。さっき撃ってたのって、盗聴器だったんだね~」

 

「ん、迎え撃とう」

 

「代理人のお陰で、襲撃に気づけましたからね~☆ 準備万全です☆」

 

「アイツら~!ラーメン無料で特盛にしてあげたのに、恩知らずめ!」

 

「……! こちらでも兵力を確認しました! 場所は校舎より南15km地点」

 

「ん、先生。行こう」

 

"出勤だーーー!"

 

 

 

……

 

 

 

「ぐ、ぐぐっ……」

 

「待ってたわよ! この恩知らず共!」

 

「あははは、やっぱり盗聴されてたみたいだね」

 

「やられたよ……。盗聴器は誰が……?」

 

「うちの代理人がやってくれたわよ!」

 

「……」

 

「セリカちゃん……」

 

「うへぇ~、セリカちゃん、それ言っちゃっていいの~」

 

"だ、代理人……"

 

「はぁ……」

 

 

 

黒見、余計な事言いやがって。

 

 

 

「ふぅん……。お兄さんがやったんだ」

 

「……はぁ。まさかあんな小型の盗聴器があるなんてね」

 

「よ、よくもやってくれたわね!」

 

「……いや、お前らもお前らで、便利屋を名乗るなら警戒ぐらいしろよ……」

 

 

 

…………見た感じ、赤の便利屋は居なさそうだな。

 

 

 

「もう! 学生なら、他にもっと健全なアルバイトがあるでしょう? それなのに便利屋だなんて!」

 

「ちょっ、アルバイトじゃないわ! れっきとしたビジネスなの! 肩書だってあるんだから!」

 

"……肩書?"

 

「そうよ! 私は社長! あっちが室長で、こっちが課長……」

 

「はぁ……。社長、ここでそういう風に言っちゃうと、余計薄っぺらさが際立つ……」

 

「ん、誰の差し金? ……いや、答えるわけないか」

 

 

 

(カチャッ)

 

 

 

「ん、力()くで口を割らせる」

 

「ふふふ、それはもちろん企業秘密よ。……総員! 攻撃!」

 

「……先生」

 

"……? どうしたの、代理人"

 

「大丈夫だとは思うが、下がっててくれ。……さっき盗聴した時に聞いた()()便()()()が、俺の知ってる通りなら、……都市の奴の可能性がある」

 

"……分かった"

 

 

 

頼むから、俺の聞き間違いであってくれ。……人違いであってくれ。

 

 

 

 

 

 

――ここ(キヴォトス)は、裏路地のゴミ屑が居ていい場所(世界)じゃない

 

 

 





赤の便利屋を赤ちゃん呼びするムツキは流石だなぁ……

赤の便利屋の喋り方と声は、某随行支援ユニットをイメージして描写しています。










  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。