黒い沈黙の行先   作:シロネム

42 / 180

諜報や潜入に優れたローラン君好き


~接触~ 便利屋68

「いやぁ~、悪かったってば、アヤネちゃ~ん。ラーメン奢ってあげるからさ、怒らないで、ねっ?」

 

「怒ってません……」

 

「はい、お口拭いて。はい、よくできましたね~☆」

 

「赤ちゃんじゃありませんからっ」

 

「……なんでもいいんだけどさ。なんでまたウチに来たの?」

 

「ん~? だって、代理人がここがいいっていうから~」

 

「まぁ、ここなら人肉も入ってないし、安心して食事できるからな」

 

「んぐっ……!」

 

"代理人……"

 

「ん、アヤネ。チャーシューもっと食べる?」

 

「……食べれません。食べれませんよぅ……」

 

「ちょっと! ここで変な話するのやめなさいよ!」

 

「悪い……」

 

 

 

(ガタッ、ガララッ)

 

 

 

「……あ、……あのう……」

 

「いらっしゃいませ! 何名様ですか?」

 

「……こ、ここで一番安いメニューって、お、おいくらですか?」

 

「一番安いのは……。……580円の紫関ラーメンです! 看板メニューなんで、美味しいですよ!」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

 

 

(ガララッ)

 

 

 

「ん? え、お客様?」

 

 

 

(ガララッ)

 

 

 

扉を開け、先ほど出て行った客が戻ってくる。……追加で3人ほど引き連れて。

 

 

 

「えへへっ、やっと見つかった、600円以下のメニュー!」

 

「ふふふ。ほら、何事にも解決策はあるのよ。全部想定内だわ」

 

「そ、そうでしたか、さすが社長、何でもご存じですね……」

 

「はぁ……」

 

「4名様ですか? お席にご案内しますね」

 

「んーん、どうせ1杯しか頼まないし大丈夫」

 

「1杯だけ……? でも……、どうせならごゆっくりお席へどうぞ。今は暇な時間なので、空いてる席も多いですし」

 

「おー、親切な店員さんだね! ありがとう、それじゃあお言葉に甘えて。……あ」

 

「? どうかされました?」

 

「あー、わがままついでに、箸は4膳でよろしく。優しいバイトちゃん」

 

「えっ? 4膳ですか? ま、まさか1杯を4人で分け合うつもり?」

 

「ご、ご、ごめんなさいっ。貧乏ですみません!! お金がなくてすみません!!」

 

「あ、い、いや……! その、別にそう謝らなくても……」

 

 

 

★★★★★

 

 

 

黒見のやつ、何か揉めてるのか? 散弾銃に狙撃銃……。ほんとまぁ、銃がよく出回ってることで。

 

 

 

「あれ~。セリカちゃん、何か揉めてる感じ?」

 

「ぽいな。……小鳥遊、あの客たちに見覚えは?」

 

「えぇ~? ん~、見覚えはないかな」

 

「そうか……」

 

"……? 代理人、あの人たちがどうかしたの?"

 

「いや、別に……。何かあったって訳じゃないんだが……」

 

「代理人?」

 

「……なんでわざわざ、人気の少ないこんな街に来たのかと思ってな」

 

「ん、言われてみれば確かに変」

 

「常連客なら分かるが、……言ったら悪いけど、わざわざこんな辺境まで……」

 

「代理人~?」

 

「来ない……、……こともないか。……うん、今言ったことは忘れてくれ」

 

「代理人!?」

 

 

 

いや、まぁ……。……俺も昔、昼食の為だけに40分以上歩いてパジョンを食べに行ったから……そういう奴がいるのも分かるけども。

 

 

 

「でも、確かに変ですね。観光……、という様子でもなさそうですし……」

 

「……黒見の方は、揉め事は解決したみたいだな」

 

「そうだね~」

 

 

 

★★★★★

 

 

 

「はい、お待たせいたしました! お熱いのでお気をつけて!」

 

 

 

(ダンッ)

 

 

 

「ひえっ、なにこれ! ラーメン超大盛じゃん!」

 

「ざっと、10人前はあるね……」

 

「こ、これはオーダーミスなのでは? こんなの食べるお金、ありませんよう……」

 

「いやいや、これで合ってますって。580円の紫関ラーメン並! ですよね、大将?」

 

「あぁ、ちょっと手元が狂って量が増えちまったんだ! 気にせず食べてくれ!」

 

「大将もああ言ってるんだから、遠慮しないで! それじゃ、ごゆっくりどうぞー」

 

 

 

厨房から顔を出し、サムズアップする大将を目に、山のように盛られたラーメンをテーブルに置くセリカ。

 

 

 

「う、うわぁ……」

 

「よく分かんないけど、ラッキー! いっただきまーす!」

 

「……ふふふ。さすがにこれは想定外だったけど、厚意に甘えて、ありがたく頂かないとね」

 

「食べよっ!」

 

 

 

折角の好意を無碍にするような性格はしていないし……無碍にできるほどの余裕がある和気でもない4人は、それ以上は追及せず箸を手に取った。

 

 

 

「お、おいしいっ!」

 

「なかなかイケるじゃん? こんな辺鄙な場所なのに、このクオリティなんて」

 

「でしょう、でしょう? 美味しいでしょ☆」

 

「あれ……? 隣の席の……?」

 

「うんうん☆ ここのラーメンは本当に最高なんです。遠くからわざわざ来るお客さんもいるんですよ☆」

 

「えぇ、分かるわ。色んな所で色んなのを食べてきたけど、このレベルのラーメンは、なかなかお目にかかれないもの」

 

「えへへ……。私たち、ここの常連なんです。他の学校の皆さんに食べていただけるなんて、なんか嬉しいです……」

 

「ん……。その制服、ゲヘナ? 遠くから来たんだね」

 

「ふぅん……。ゲヘナねぇ」

 

 

 

なんでこんな所にいるんだか……。

 

 

 

(……連中の制服)

 

(あれ、ホントだ。……アルちゃんは気づいてないみたいだけど)

 

(……言うべき?)

 

(……面白いから放っておこ)

 

 

 

一応、警戒しておくか。……そういえば、あの事件前に都市で購入したセットが余っていたような。

 

 

 

「……あった。……小鳥遊、ちょっとそこ動くなよ」

 

「うへぇ? ……ちょ、ちょっと代理人!?」

 

 

 

並んでラーメンを食べていたローランは、隣に座るホシノの肩に手を添え、脇下から()()()()()を発砲した。手の平サイズのとても小さな拳銃は、発砲音を一切出さず、弾丸の代わりに小型のチップのようなモノを撃ち込んだ。

 

 

 

――発砲されたチップは、会話を楽しんでいる()()()()()()()()()()()に命中した

 

 

 

「……よし。もういいぞ、小鳥遊」

 

「……っ」

 

「小鳥遊……?」

 

「……~っ! 代理人!」

 

「ん? ……おい、小鳥遊、殴るな殴るな!」

 

「ん、今のは代理人が悪い」

 

"代理人、今の……"

 

「後で説明する。とりあえず……。黒見、この餃子追加で」

 

「餃子追加ね。分かったわ」

 

「分かりましたでしょ~、セリカちゃん~」

 

「ぐっ……、分かり、ました」

 

 

 

……さて、警戒心の強そうな奴もいるみたいだし、食事に戻るとするか。

 

 

 

――撃ち込んだチップは、問題なく機能しているみたいだな。

 

 

 






アルちゃんは一体何を撃ち込まれたんですかねぇ。少なくとも都市産の物みたいですが……。


感想、評価お待ちしております。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。