諜報や潜入に優れたローラン君好き
「いやぁ~、悪かったってば、アヤネちゃ~ん。ラーメン奢ってあげるからさ、怒らないで、ねっ?」
「怒ってません……」
「はい、お口拭いて。はい、よくできましたね~☆」
「赤ちゃんじゃありませんからっ」
「……なんでもいいんだけどさ。なんでまたウチに来たの?」
「ん~? だって、代理人がここがいいっていうから~」
「まぁ、ここなら人肉も入ってないし、安心して食事できるからな」
「んぐっ……!」
"代理人……"
「ん、アヤネ。チャーシューもっと食べる?」
「……食べれません。食べれませんよぅ……」
「ちょっと! ここで変な話するのやめなさいよ!」
「悪い……」
(ガタッ、ガララッ)
「……あ、……あのう……」
「いらっしゃいませ! 何名様ですか?」
「……こ、ここで一番安いメニューって、お、おいくらですか?」
「一番安いのは……。……580円の紫関ラーメンです! 看板メニューなんで、美味しいですよ!」
「あ、ありがとうございます!」
(ガララッ)
「ん? え、お客様?」
(ガララッ)
扉を開け、先ほど出て行った客が戻ってくる。……追加で3人ほど引き連れて。
「えへへっ、やっと見つかった、600円以下のメニュー!」
「ふふふ。ほら、何事にも解決策はあるのよ。全部想定内だわ」
「そ、そうでしたか、さすが社長、何でもご存じですね……」
「はぁ……」
「4名様ですか? お席にご案内しますね」
「んーん、どうせ1杯しか頼まないし大丈夫」
「1杯だけ……? でも……、どうせならごゆっくりお席へどうぞ。今は暇な時間なので、空いてる席も多いですし」
「おー、親切な店員さんだね! ありがとう、それじゃあお言葉に甘えて。……あ」
「? どうかされました?」
「あー、わがままついでに、箸は4膳でよろしく。優しいバイトちゃん」
「えっ? 4膳ですか? ま、まさか1杯を4人で分け合うつもり?」
「ご、ご、ごめんなさいっ。貧乏ですみません!! お金がなくてすみません!!」
「あ、い、いや……! その、別にそう謝らなくても……」
★★★★★
黒見のやつ、何か揉めてるのか? 散弾銃に狙撃銃……。ほんとまぁ、銃がよく出回ってることで。
「あれ~。セリカちゃん、何か揉めてる感じ?」
「ぽいな。……小鳥遊、あの客たちに見覚えは?」
「えぇ~? ん~、見覚えはないかな」
「そうか……」
"……? 代理人、あの人たちがどうかしたの?"
「いや、別に……。何かあったって訳じゃないんだが……」
「代理人?」
「……なんでわざわざ、人気の少ないこんな街に来たのかと思ってな」
「ん、言われてみれば確かに変」
「常連客なら分かるが、……言ったら悪いけど、わざわざこんな辺境まで……」
「代理人~?」
「来ない……、……こともないか。……うん、今言ったことは忘れてくれ」
「代理人!?」
いや、まぁ……。……俺も昔、昼食の為だけに40分以上歩いてパジョンを食べに行ったから……そういう奴がいるのも分かるけども。
「でも、確かに変ですね。観光……、という様子でもなさそうですし……」
「……黒見の方は、揉め事は解決したみたいだな」
「そうだね~」
★★★★★
「はい、お待たせいたしました! お熱いのでお気をつけて!」
(ダンッ)
「ひえっ、なにこれ! ラーメン超大盛じゃん!」
「ざっと、10人前はあるね……」
「こ、これはオーダーミスなのでは? こんなの食べるお金、ありませんよう……」
「いやいや、これで合ってますって。580円の紫関ラーメン並! ですよね、大将?」
「あぁ、ちょっと手元が狂って量が増えちまったんだ! 気にせず食べてくれ!」
「大将もああ言ってるんだから、遠慮しないで! それじゃ、ごゆっくりどうぞー」
厨房から顔を出し、サムズアップする大将を目に、山のように盛られたラーメンをテーブルに置くセリカ。
「う、うわぁ……」
「よく分かんないけど、ラッキー! いっただきまーす!」
「……ふふふ。さすがにこれは想定外だったけど、厚意に甘えて、ありがたく頂かないとね」
「食べよっ!」
折角の好意を無碍にするような性格はしていないし……無碍にできるほどの余裕がある和気でもない4人は、それ以上は追及せず箸を手に取った。
「お、おいしいっ!」
「なかなかイケるじゃん? こんな辺鄙な場所なのに、このクオリティなんて」
「でしょう、でしょう? 美味しいでしょ☆」
「あれ……? 隣の席の……?」
「うんうん☆ ここのラーメンは本当に最高なんです。遠くからわざわざ来るお客さんもいるんですよ☆」
「えぇ、分かるわ。色んな所で色んなのを食べてきたけど、このレベルのラーメンは、なかなかお目にかかれないもの」
「えへへ……。私たち、ここの常連なんです。他の学校の皆さんに食べていただけるなんて、なんか嬉しいです……」
「ん……。その制服、ゲヘナ? 遠くから来たんだね」
「ふぅん……。ゲヘナねぇ」
なんでこんな所にいるんだか……。
(……連中の制服)
(あれ、ホントだ。……アルちゃんは気づいてないみたいだけど)
(……言うべき?)
(……面白いから放っておこ)
一応、警戒しておくか。……そういえば、あの事件前に都市で購入したセットが余っていたような。
「……あった。……小鳥遊、ちょっとそこ動くなよ」
「うへぇ? ……ちょ、ちょっと代理人!?」
並んでラーメンを食べていたローランは、隣に座るホシノの肩に手を添え、脇下から
――発砲されたチップは、会話を楽しんでいる
「……よし。もういいぞ、小鳥遊」
「……っ」
「小鳥遊……?」
「……~っ! 代理人!」
「ん? ……おい、小鳥遊、殴るな殴るな!」
「ん、今のは代理人が悪い」
"代理人、今の……"
「後で説明する。とりあえず……。黒見、この餃子追加で」
「餃子追加ね。分かったわ」
「分かりましたでしょ~、セリカちゃん~」
「ぐっ……、分かり、ました」
……さて、警戒心の強そうな奴もいるみたいだし、食事に戻るとするか。
――撃ち込んだチップは、問題なく機能しているみたいだな。
アルちゃんは一体何を撃ち込まれたんですかねぇ。少なくとも都市産の物みたいですが……。
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