その名は英語で「おちゃめに」を意味する。広島東洋カープのマスコットキャラクター、スラィリーだ。この夏、初登場から30年を迎えた。今やマツダスタジアムに欠かせない盛り上げ役である▲全身が青い毛で覆われたデザインは米国企業が担った。日本でもおなじみの米教育番組「セサミストリート」のキャラを考案する会社にカープ球団が依頼した。なるほどセサミの多彩な仲間たちと並ぶと、よくなじむ▲いわば兄弟の間柄。そのセサミが存続の危機に陥った。放映する公共放送が復活したトランプ政権に「リベラル色が強いプロパガンダ」と攻撃されたのだ。政府支援が打ち切られる方向という。セサミの番組は動画配信のネットフリックスが救済し、一息ついた▲かつてセサミに実業家だった頃のトランプ氏を模した「グランプ」が登場している。みんなが暮らす通りを壊し、巨大なタワー建設をもくろむ悪役だ。今回の攻撃と重なるところが怖い▲超大国の大統領が幼児向け番組に目くじらを立てる姿は見ていられない。その先にはジェンダー軽視や移民排斥の考えが潜む。スラィリーの背番号「!」のように感嘆の声が上がる政策転換は期待できないものか。