〈笑われまい 世界が見てる この選挙〉。戦後2年で行われた第1回広島県知事選で、本紙にこんな川柳が載った。被爆で名が知れ渡った県のかじ取り役を、初めて県民自らで選ぶ。熱気や責任感がよく伝わる▲当時は投票率ではなく、「棄権率」を載せていたのにも驚く。女性も参加できる普通選挙が実現したばかり。虎の子のように投票権を大切にしたのだろう。この時の棄権率は25%。それなのに本紙の論調が〈無責任〉と手厳しいのは隔世の感がある▲おとといの広島県知事選で、横田美香さんが女性初の当選を果たした。女性知事は全国で8人目。先の首相や財務相に続き、「ガラスの天井」がまた一つ破られたことは素直に喜びたい▲とはいえ県民の関心の薄さは気がかりだ。投票率は史上2番目に低い30%余り。棄権率は約70%だから、80年ほどで投票と棄権がほぼ反転したことになる。多党相乗りの構図や雨の影響があったにせよ、さみし過ぎる▲〈いま令和 ニュースは未(いま)だに 女性初〉。広島県が先日公表した「ジェンダー川柳」の一句だ。新時代の知事に求められるのは性別ではなく実績。懸案の人口流出対策を筆頭に、多くの人が手腕を見ている。