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2025年、買って良かったキッチン道具

キッチン道具はそう簡単には壊れるものではないし、ひとつのものを長く愛用している人も多いと思います。
それでも道具は日々進化しているから、新しい製品と出会って感動することもたくさんあります。もう買うものはないだろうと思いつつも、やっぱり何かしら買ってしまうんですよね。

今年は5月に基本のキッチン道具を紹介したnoteも出したため、重複もありますが、買ってから繰り返し使って定着したもの中心にテキスト書き下ろしでご紹介します!

今年買ってよかったものナンバーワン!タイムモアのコーヒーミル

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かっこいいつや消し黒!

もともとは、わざわざの平田さんがチームで取材で自宅に来てくださったときのこと。みなさんにコーヒーを淹れようと小さなコーヒーミルでがりがり豆をひいていたところ、時間がすごくかかってしまいました。その様子を見ていた平田さんに強くおすすめされたのが、これでした。
そのとき使っていたコーヒーミルも気に入っていたので迷ったのですが、やはり家に来てくれたお客さんにひきたてのコーヒーを素早く出したいという気持ちもあり、思い切って購入しました。

届いた箱から出てきたミルは、つや消し黒のかっこいいボディ。重厚感のある風合いで、手に取るとずしっときます。とはいえ細身ではあり、持ち手も折りたためて、置き場所はこれまでと同じで問題なさそう。

さっそくコーヒー豆をひいてみます。粉にする細かさをダイヤルで選べるので、ペーパーフィルター用に設定。持ったときの重みが作用するのか、ハンドルが驚くほど楽に回ります。感触を確かめつつ回していると、突然ふわっと軽くなりました。えっ、もう終わり?

とにかく早い!そして開けてみると、きれいに挽かれたコーヒーの粉ができていてびっくりです。私は毎日15時にコーヒーを淹れて飲むのが習慣になっているのですが、このミルの登場でコーヒータイムが一変しました。

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ダイヤルで粉の細かさが選べます

たまにコーヒーの道具の記事などを読むと、コーヒーミルで味が変わる、とプロの方は言います。でも正直なところ、コーヒー素人の私にとって同じ豆でふたつを同時に飲み比べるのでもない限り、そこまでの差は気づけないです。といっても、粉の細かさの違いはさすがの私でもわかるので、調節できるのは嬉しいかな。カフェラテを作るようなときは深煎りの豆を少し細めにひいたりしています。

毎日、休憩のときにコーヒー豆をひくのが、私にとってなんというか、すごくほっとする時間なんです。だから、単に機能だけじゃなくてデザインとか置いた感じとか、そういうところも大事にしたい。でも、あくまで私の小さな楽しみだからマニアックに深めるつもりもなくて、シンプルにミニマルにやっていきたい。そういう私の願いをバランスよく満たしています。

唯一の難点をあげるとしたら、コーヒーの粉を取り出そうと開けたときに静電気で口の部分と歯の部分に粉がびっしりついてしまうことでしょうか。付属のブラシを使ってきれいに落としています。思いつくのはそれぐらい。生活向上を考えると、今年ナンバーワンの素敵な買い物でした。

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15時のおやつタイム

コーヒーミル、わざわざで買うならこれと一緒に。幸せなコーヒーブレイクを!

入る喜び、すくう喜び。貝印の計量スプーン

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私、S&Bのカレー粉を使っているんです。あの口に、大さじが入らないのがストレスで。ほかにも、柚子胡椒とか豆板醤とか、なぜか口の小さなビンや缶ってありませんか?計量スプーンが入らないの、すごく困ります。

そんな悩みを解決してくれたのが、貝印のオーバル型の計量スプーン。デザインがシンプルで美しい。上の写真で見るとわかるのですが、スプーンの底の部分が若干平らになっていて、かつ持ち手にゆるやかなカーブがついていて、底と持ち手で支える形でスプーンが自立。液体が入っていてもちょっと台の上に置くことができます。調味料を計量しておいて、炒め物なり煮物なりのいいタイミングでパッと鍋に入れられるのも、案外便利です。

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外側の大さじ小さじはこれまで使っていたタイプ

とはいえ一番よかったのはやはり、すくう部分の形状です。

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(before)入らなかった計量スプーンが→(after)入った!

サイズはいろいろありますが、私は大さじ1小さじ1の2本しか使わないです。間の計量はお好みでどうぞ。バラでも買えるはず。

ちょっと使いに出番が絶えない、マーナのエラストマーまな板

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トマト中1個がこのぐらいのサイズ感

調理中に大きなまな板を何度も洗うのって大変ですよね。でも、生肉やにんにくなどを切った後は、できればちゃんと洗ってから使いたい。
そんな私のキッチンで今、2枚目のまな板として大活躍しているのが、マーナのエラストマーまな板のSサイズ。

刃の当たりがやわらかくて切りやすく、ある程度の厚みがあるから、肉などをのせても安定します。それでいてコンパクト。料理中に洗剤をつけてサッと洗うにも手軽です。

100均などで売っているプラスチックの薄いまな板を使っている方も多いと思いますが、このぐらいの厚みがあると、軽い料理をするときの主役まな板として一枚で済ませられるのもありがたいです。縁に浅い溝がついていてトマトや豆腐など汁気が多少あるものを切っても安心。ぱぱっと作る昼食などは、このまな板一枚で済ませることも増えました。

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とはいえキャベツは1/8個が限界

まな板は1枚だけしか持ちたくない、という方にはこれの大きなサイズもいいかもしれませんね。人工素材のまな板はいろいろあるのですが、この適度に柔らかいエラストマーが最近はまな板素材として定番化しています。このまな板を使うようになったら、硬い材質のプラスチックまな板は刃がカチカチ当たって、切りにくさを感じるようになってしまいました。

ちなみに小さなまな板のときは包丁もやや小さめサイズが扱いやすいです。ペティナイフでもいいのですが、小さめの三徳が万能でおすすめ。イベントで使わせてもらって気に入って購入した貝印のミニ三徳を紹介しておきますね。軽いのに持ち手がしっかり重ためでバランスよく安定します。切れ味も抜群。食洗機OKです。

もちろん、どんな包丁とまな板でも料理は作れますが、料理の楽しさには大きな差が出ます。ぜひ使ってみてください。

冷蔵庫内、視界良好。IWAKIの保存容器を初めて使ってみた

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保存容器は長年、ジップロックコンテナと、野田琺瑯を合わせて使っていました。野田琺瑯ってシンプルなデザインで、卓上でもそのまま出していい感じなので気に入っているんですが、外から見てすぐにわからないのが難点。

カレーを食べる時の福神漬、らっきょう、それから紅生姜、ピクルスなど、常備の漬物をこれに入れて冷蔵庫にしまってあるのを出すたびに、これは違う、こっちも違った、みたいなことがよくあって、なんとかしたいなあと思っていました。

中身が見えるとなると、やっぱりガラスです。iwakiのガラス保存容器の一番小さいやつを試しに買って入れ替えてみたら、やっぱりよく見えます。残りの量も見えるから、出してみたらちょっとしかなかった!みたいなことも減りました。

冷蔵庫の奥ってそれでなくても死角が出やすい。容器でだいぶ冷蔵庫の風景変わるんだなあと思いました。どんぐりをどこに埋めたか忘れちゃうリスみたいな頭の私には、こちらが向いていたのかも。サイズがもうちょっと大きいと嬉しいかも。来年は冷蔵庫の保存容器、少し見直してみます。

カラフルって嬉しいことなんだと気づいた、幡 井上の蚊帳台拭き

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黄色がかわいい

ふきんマニアなので、ちょっと見かけて買ってみたこのふきんが良かったです。

台ふきんも食器のふきんも、基本的には白いふきんを使うようにしています。汚れがわかりすいという理由からなんだけれど、この台ふきんを使い始めたら、あれ、なんだか色のあるふきんっていいな、カラフルなものって心踊るんだなと思いました。

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最近新調しました

以前、彫金師に取材をしたことがあって、その方が「模様って、人の心をはなやかにしますよね。嬉しくなる」という内容のことをおっしゃったんです。私、実は模様がちょっと苦手なところがあって、無地のものを選びがちだったので、そうかなあと心の中で思っていたんですが、最近は模様も悪くないなと思い始めています。その流れでの、色のふきんだったのかも。自分の心が求めるものを身近なところに置くことの効用ですね。

色のことばかり言いましたが、このふきんは機能がとってもすぐれていて、吸水性、速乾性はもちろん、何度洗ってもしっかりしていて形も崩れないんです。なので非常に優秀。ネットで調べて後から少し買い足しました。いろんな色があるのでぜひ試してみてください。年末年始の、ちょっとしたプレゼントにもいいと思います。

ポーランドの旅の思い出。ボレスワヴィエツのオーバル皿

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つぶつぶ恐怖症の方、ごめんなさい

今年、自分として一番のトピックスは、ポーランドへ行ったこと。スープ作家としてとても勉強になったし、思い出深い旅になりました。
研究用のスープや調味料、それにみんなへのお土産のせいでトランクが一杯で、自分のものはそれほど買えず、唯一手元に残ったのがこのお皿。ボレスワヴィエツというポーランドの名産品です。

この模様はピーコックアイズ(孔雀の羽についている目玉みたいな模様)という伝統的な柄らしく、ボレスワヴィエツといえばデパートの催事にあるようなお花柄というイメージしかなかった私にとって、シンプルで素朴なこの模様にとても惹かれました。

サイズが大きすぎず小さすぎずちょうどよくて、炒め物でもポテサラでも生ハムでも、何を盛りつけてもさまになります。いい買い物でした。ポーランド、また行きたいな。

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シンプル料理もしっくり。なすとみょうがの塩もみ。

醤油の奥深さに気づいた2025年秋。職人醤油で醤油の味比べ

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今年は愛知や岐阜で醤油蔵を見学したこともあって、ちょっと醤油づいていた私。「職人醤油」で、きほんの醤油 6本セットを買ってみました。

職人醤油で売られているのは、代表の高橋万太郎さんが日本各地の醤油蔵を巡って出会ってきたさまざまな醤油。全ての醤油を100mLのサイズで売っています。調味料っていろいろ試したいのですが、醤油は一度封を切るとそれほど持たないのでこのサイズは本当にありがたい。

基本のセットは、濃口醤油・淡口醤油・白醤油・たまり醤油・再仕込み醤油・甘口醤油の6本セット。これだけ比べると、醤油の違いがかなりわかるようになります。年末年始、醤油でお餅を食べ比べるのもいいかも。

ちなみに最近の私は、たまりしょうゆにはまっています。

これほんとおいしいので!ninの瓶詰め食品

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ninは、ロス食材を使った加工食品を作るブランド。中川政七商店の大日本市に出展していたところに出会って、試食させてもらったらおいしくて、その場で買って帰りました。

りんごや洋梨のバターや、なまり節を使ったボロネーゼ、粒マスタードなど何種類か試しましたが、廃棄されてしまう食材を利用したとは思えない、おしゃれな味わいに仕上がっています。

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なまり節のボロネーゼは茹でたパスタとあえるだけ。すごくおいしい。

こちらは粒マスタード。粕酢や鰹節など日本の食材や調味料を使って味付けしているとのこと。でも、和風、という感じではなく何にでも使えます。サンドイッチやドレッシング、ソーセージやハムにもたっぷり添えて。

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りんごバターにはいちじくの香りがほんのりと。
SDGsをうたう商品は多いのですが、こうして本格的においしいものはなかなか巡り合うことができないので、ご紹介しておきますね。

さて、2025年買ってよかったもの、いかがでしょうか。
今年は道具によって思い込みがちょっと変わった、みたいな道具との出会いが多かった気がします。不便なのにそのことに気づいていなかったとか、自分はこれが好きと思いこんで変化を避けてきたものとか。道具との出会いによって、あ、意外とこうだったかもと気づかされました。

気に入った道具と一生つき合う、という考え方も素敵ですが、その一方で自分のキッチンを細かいところからバージョンアップしていくことで、生活に風が入ります。

過去のキッチン用具の紹介記事にも、まだまだ良品がたくさんあるので、この記事が気に入ってくださったらぜひ読んでみてくださいね。よい買い物で一年を締めくくってください。

こちらのマガジンに道具の記事がまとまっています↓

こちらは料理を始める方のための、基本の料理道具と選びかたのコツをご紹介しています!

【番外編】今年関わったキッチン用品ふたつ

料理の仕事をしていると、おつきあいのある方々から道具に関するお声がけをいただき、使わせていただくことがあります。今年使ってみた器と鍋、最後にひとつずつご紹介しますね。

◯漆琳堂 新色 「麻」

まずは、漆琳堂からご提供いただいた、お椀の新色「麻」シリーズ。

白漆、という漆を使った軽やかな色あいのお椀です。
漆琳堂が手がける「RIN&CO.」というブランドの漆器が気に入って、2023年に私がベージュカラーを作ってほしいとお願いしてオリジナルで作っていただきました。今回の新カラーはそのカラーが好評だったことがきっかけになったそうです。嬉し。

硬漆という強い漆を使っているため、食洗器が使えるのが大きな特長(電子レンジはNG)。黒や赤だとどうしてもイメージが和食になってしまいますが、明るいベージュである白漆は洋風のスープを盛り付けてもさまになりますし、テーブルやランチョンマットの色ともうまくなじんでくれます。
ちなみに「麻」という色の呼び名、オリジナルでつけたそう。素敵なネーミングですよね。漆は使っているうちに少しずつ色が褪せてきていい感じになっていくので、その点も麻と似ています。

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かきたまスープ

軽くて丈夫で割れにくく、熱々のスープを入れてもちゃんと持つことができて、しかも口当たりが最高。漆器は本当にすぐれた食器だと思います。
一通り使ってみて、一番人気はスタンダードな一乗椀とのことですが、私は口のところが少し沿っていて口にフィットしやすい朝倉椀が好きです。普通の味噌汁椀のサイズ4寸がスタンダードですが、少し大きめで豚汁などをたっぷり入れたい4.5寸椀もいいサイズです。

これは2023年に私がかかわった漆器の記事。このRIN&CO.も同じ漆琳堂が手がけていますがデザインが若干違います。

,◯藤田金属フライパンジュウ SOUP

さて、もうひとつは、鍋です。

取っ手のつけ外しができるフライパン・ジュウを私が深く愛用していることからお付き合いが生まれた藤田金属が、同じシリーズで鍋を作った、ということで、発売時に少しお手伝いさせていただいたのが、この「フライパンジュウ・SOUP」です。鉄製でほうろうびきの小鍋で、フライパンとは取っ手が共用できます。

この鍋の面白いところは、作るだけでなく、保存に着眼したところ。デザインをしたTENTの青木さんとお話したんですが、家で味噌汁を翌朝の分まで作って、冷蔵庫にしまっておく、という食習慣があるので、作ってそのまましまえる鍋を作ったというのです。味噌汁を多めに作って翌日また食べるという人は結構いるのは知っていたので、なるほど、と思いました。

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ちょっと残った味噌汁、冷めたら鍋のまま冷蔵庫へ。

フラットなふたが別売りなので、上に他のものをのせられるのがとても便利。鍋を二つスタッキングすることもできます。

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普通の鍋のように、つまみや取っ手が邪魔にならない

鍋のサイズは、14cm。なので、2~3人分の味噌汁にちょうどいいサイズです。おしゃれなデザインなのでそのまま食卓に出してもいいです。持ち手になる耳は熱くなるので必ず鍋つかみを。

木製の長いハンドルやふたは別売りなのでやや高めに感じるかもしれませんが、家にあると出番が何かと多くなる鍋かなと思います。味噌汁以外にも残った煮物など入れておくと、冷蔵庫からすぐ火にかけられるので、めちゃくちゃ便利です。

最後のふたつは仕事でのおつきあいがあり、仕事としての㏚ではないのですが普通の商品とは別枠でご紹介しました。

日々の暮らしを、ちょっと違う角度をつけて見られる製品と出会うとわくわくします。来年もそんなグッズと出会えますように。




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有賀 薫 読んでくださってありがとうございました。日本をスープの国にする野望を持っています。サポートがたまったらあたらしい鍋を買ってレポートしますね。

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2025年、買って良かったキッチン道具|有賀 薫
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