昨夏以降に首都圏で相次いだ強盗事件のうち、千葉県市川市の住宅で昨年10月に起きた強盗事件を指示したとして、警視庁と3県警の合同捜査本部は、職業不詳の20代の男4人を強盗致傷と住居侵入の疑いで逮捕し、5日に発表した。一連の強盗事件で指示役の逮捕は初めて。「闇バイト」による広域強盗事件とみて実態解明を進める。

　一連の事件は昨年8月27日～11月3日の2カ月あまりの間に起きた。さいたま市で起きた逮捕監禁事件以降、東京と神奈川、千葉の住宅や店舗が狙われ18件相次いだ。実行役は、ネット上で違法な「闇バイト」として集められ、匿名性の高い通信アプリで指示を受けていた。

　警視庁と埼玉、千葉、神奈川の3県警は昨年10月に合同捜査本部を設置し、SNSで緩くつながり様々な犯罪に関与する「匿名・流動型犯罪グループ」による事件とみて捜査。18事件の実行役ら51人を逮捕し、指示した人物の特定を進めていた。

　指示役として逮捕されたのは、住居不詳の斎藤拓哉（26）、福地紘人（26）、村上迦楼羅（かるら）（27）、仙台市青葉区上杉6丁目の渡辺翔太（26）の4容疑者。昨年10月17日未明、SNSで集めた男3人=強盗致傷などの罪で起訴=らと共謀し、市川市柏井町の住宅に侵入し、50代女性を複数回暴行して眼底骨折などの重傷を負わせ、現金4万8千円やキャッシュカードなどを奪った疑いがある。

　4人は匿名性の高い通信アプリ「シグナル」の9のアカウントから実行役3人にリアルタイムで指示を出していたと警視庁はみている。ほかの事件への関与についても調べる方針だ。