【天音かなた卒業と赤井はあと騒動の共通点】───ホロライブ運営への不満・不信と不仲
以前、赤井はあとが暴露した「運営への不満」と「一部メンバーへの苦言」について記事に取り上げました。
が、当時はアーカイブが消されたことと、赤井はあとの病気のこともあって、どこまでが事実かを判断するのが難しい状況になっており、多くの人達が運営擁護に徹する動きが見られました。
しかし、今回の天音かなたの卒業コメントによってその風向きが変わってきています。
天音かなたの卒業理由は、明確に運営の問題点を示すものだったことから運営批判をするファンが続出。さらに、赤井はあとの暴露と共通しているような内容も多かったため、赤井はあとの発言の信憑性も上がる結果になっています。
■天音かなたと赤井はあとの「させられた仕事」
本来、会社が担当するはずの発注業務の一部を天音かなたが長期間担当していたことがあり、数カ月単位で自分の活動を減らして対応せざるを得ない時期があった。
とある制作進行について、会社でどの部署が担当するかが整理されておらず、結果的に天音かなたがその発注を担当するようになっていたという話。
実は、赤井はあとの暴露配信の中にもこういう発言がありました。
「7年間、私が夢見てきた世界が全部潰されました。英語力もマイクラの建築力も、歌も曲も、動画編集技術も、頑張って作ったんだけどなあ。無料で、無給料で。」
「人が動画依頼するのにね、10万とかかかるのを私は無給料で、無料で動画作ってるんですけど。」
「4カ月ぐらい無給なんですけど。無給で仕事させて、そっちはお金もらって。」
この発言、「4ヶ月ぐらい無給で動画を作らされてる」という普通ではちょっと考えられない話だったので、さすがに信憑性が怪しいと判断して以前の記事では掲載しなかったんですが、今回の天音かなたのコメントと合わせると、かなり印象が変わってきます。
つまり、ある企画の制作進行において、本来裏方が行うような仕事であっても、会社のどこの部署が担当するか決まっていないような場合に、結果的にメンバーがその仕事を担当することになってしまう。
そして、その仕事はメンバーの契約内の業務に含まれてしまうため、実質的に無給で行うことになる。
と、2人が似たような状況だと考えると、辻褄が合ってきます。
このことを裏付けるような話がもう一つあって、
カバーは昨年10月、イラスト等の発注について下請け業者23名に対し、合計243回ものやり直しを無償でさせていたことがわかり、公正取引委員会から勧告を受けています。
これも、「本来は契約外の業務を『契約内』ということにして無償でやらせる」という、天音かなた・赤井はあとの話とも非常によく似た構図ではないでしょうか。
普通に考えれば、裏方の仕事を「担当部署がまだ無いから」という理由でタレント側にやらせるのはそれだけで異常です。社員数人の零細企業ならともかく、それなりに大きな企業が長期間対応できなかったというのは考えにくい。
つまり、2人の業務もたまたま会社の都合やタイミングの問題で仕方なくやることになったというよりは、会社側が意図的に「断りにくい状況」を作り、確信犯的にやらせていた可能性が疑われます。
なお、ホロライブ(カバー)の社員数は679名(2025年6月時点)、平均年収は610万円(日経新聞調べ)。
にじさんじ(ANYCOLOR)の社員数は532名(2025年4月時点)、平均年収は497万円(日経新聞調べ)。
にじさんじより少ないタレント数で、社員数は多く、平均年収も高い組織でなぜこんなことになってしまうのか不思議です。
■天音かなたと赤井はあとの「メンバー間の不仲」
「そして挙句の果て、ずっと1人でいたら『プライドバカ高くてつるみたくないやつ』だって言われました。そっちが無視したのに?そっちがハブしたのに?」
「パーティーって何?パーティーって。人呼んだり呼ばなかったり、自分呼ばれてないって思ったり、ハブられたり。」
「谷郷さんと話したときに言われました。『卒業生たちは孤立してた人達が辞めた』と。そして震えました。『あぁ、自分もそうだ…』って。なにそれ?孤立させてるのはどっちだよって。孤立させてるのはどっちだよ。」
以前の記事では、これは必ずしも意図的なイジメとは限らず、「毒舌の冗談」と「たまたま呼ばなかっただけ」の可能性があると書きました。
ただ、運営の仕事の割り振りによって孤立しやすい状況になってしまったのは十分あり得る話で、運営が孤立の件を認識しながら対応しなかったことには問題があるとも書いています。
そして、天音かなたもメンバー間の不仲について言及。
また、タレント間の関係において精神的に負担となる出来事が続いていた。
個人的な関係性ではなく、仕事で必要な範囲だけでも連携ができればと考えていたが、それも難しくなってしまう場面が重なっていった。そういった状況が続いたことも大きな悩みの1つだった。
主語を明確にはしていないので「天音かなた以外の誰かと誰かの不仲」という捉え方も出来ますが、個人的な関係性ではないといった文脈を考えるとやはり「天音かなたと誰かの不仲」と考えるのが妥当だと思います。
赤井はあとの件では「冗談」や「偶然」という可能性が十分考えられましたが、天音かなたの件は明確に「不仲」としか思えない構図です。
しかも、「仕事だけの関係だと割り切って必要な仕事について接しようとしても、相手側の問題で連携できなくなっていた」というニュアンスで伝えられています。
もちろん赤井はあとの件と同じメンバーというわけではないですが、天音かなたの相手は「冗談」や「偶然」ではなく、明確な「拒絶」などの姿勢があったことを示しています。
以前、卒業者ゼロのぶいすぽの記事でも不仲の事例を書いたことがありますが、
過去には胡桃のあが紫宮るなに対して返事の遅さをツイッターで晒して説教して騒動になったこともありました。
この件で胡桃のあは謹慎処分。その後、紫宮るなとは3年間で1回2回程度しか絡んでおらず、ファンの間でも暗黙の関係性として知られています。それ以外にも、極端に絡みが少ないメンバーが何人かいます。
同期で不仲が深刻化した例として、小森めとが移籍前のななしいんくで同期の不磨わっとに「当時あまりにも嫌いすぎて、京都の縁切り神社に行って絵馬に『小森めとが早く辞めますように』と書いた」という衝撃エピソードを語られたことがありました。
不仲のメンバー同士を一緒に仕事させ続けると関係性がさらに悪化し、メンバーの精神的負担も極めて大きなものになっていきます。
しかし逆に、一緒に仕事をさせず絡みが無ければ関係性がそれ以上悪化することはなく、精神的負担もほとんど無くなります。
女性が大勢集まれば性格的に合わない人が出てくるのは当然のことですが、そこから先は運営次第ということです。
ホロライブ運営は去年の大量卒業による反省で「メンバーとしっかりコミュニケーションを取っていく(メンバーの要望を聞く)」と言っていましたが、はたして現在はメンバー間の不仲を把握できているのでしょうか。
■天音かなたと赤井はあとの「心身の不調」
これも以前、筆者が記事で指摘した話ですが、
配信すること自体が困難になり回復時期の見込みが不明というメンバーがわずか1年程度の間に3人(風真いろは、火威青、赤井はあと)も出てるというのはいくらなんでも多すぎるのではないかと。
【赤井はあと騒動から『事実』の抽出と『問題の改善』について考える】
赤井はあとは現在でも心身の不調から活動休止中。
記事ではホロライブメンバーの心身の不調が多いことについて、「過激なファンが多いこと」を一つの理由として挙げていましたが、天音かなたの発言から別方向の問題が見えてきました。
体調にも大きな影響が出てしまい、医師の判断で休職の診断書も提出。
運営から業務に関して整理する提案もあったが、とあるイベントのため、事務所と相談して合意のうえで仕事を続ける判断をした。
医師の判断で休職したほうがいいという診断書が出て、それを提出しているのに、それでもなお運営は相談したうえで仕事を続ける判断を受け入れたという話。
これは企業としてはちょっと考えられない判断で、これが天音かなたじゃなくカバーの社員だったら労基署から是正勧告を出されるレベルの出来事です。
心身の不調があり、医者が休職するべきだと診断し、その診断書まで出てるのであれば、相手が「まだ仕事をしたい」「自分的には大丈夫」と言ってたとしても、企業としては休ませる以外の選択肢はありません。
天音かなたは結果的に長期休業するほど病状が悪化することはなかったですが、こんな体制でやっていたのなら重症化するメンバーが多くなるのも当然でしょう。
■天音かなたと赤井はあとの「運営との約束」
「“いつか”なんてなかった。そうやって釣ってるだけだった。私はもうそんな釣り竿には引っかからない。」
「期待させるのもやめてよね、ソロライブできるとかいう餌を撒いて。」
心身に不調をきたす仕事量について運営と何度も相談したが、仕組みや体制を含めて見直しが必要な部分も多く、すぐに形として改善できるものばかりではないと説明を受けてきた。
しかし、数年前には「すぐには変えられないけど必ず改善するから時間が欲しい」とも言われた。
運営から「いつかやる」と言われて、何年間もやってくれなかったという共通点。
天音かなたは「事務所はこれまで改善しようとしてくれていた」とは言っていましたが、数年経っても”心身の不調が無くなる程度の改善”すら見えてこなかったのなら、「ほとんど改善しようとはしていなかった」と思われても仕方ないでしょう。
赤井はあとのソロライブも、大箱とまではいかなくても、小さな会場ならやろうと思えば出来たはずです。
曖昧な約束だけして問題を先延ばしにするのは企業の定番ですが、それにより不信感を持たれてしまうのも企業の定番です。
□あまりにも予想外だった卒業
正直、今回の天音かなたの卒業発表は歴代のVtuberの卒業の中でも一番の驚きでした。
天音かなたはファンに対して”アイドル”としての活動ポリシーを表明し、「男性とは一切絡まない」など自身のブランディングにもこだわりをもって活動していて、「絶対に辞めない」と何度も宣言していたメンバーでした。
それが、結婚等でもなく、運営の不備や不信から辞めることになるというのは衝撃的です。
「天音かなたが辞めるのなら、他メンバーの誰が辞めてもおかしくはない」と思ったファンも多いのではないでしょうか。
なお、天音かなたの卒業配信のコメントは、すべて運営と相談して許可を取ったうえで発言していると言っていたので、これでもかなりオブラートに包んだ表現になっていて、実際には他にも言えないような不満もあることが予想できます。


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