広島県の虚偽公文書作成問題を巡り、県の再調査で「虚偽公文書作成罪に当たる」と唯一認定された職員が県に公益通報した職員だったことが4日、分かった。公益通報者本人が中国新聞に明らかにした。公益通報者保護法は、通報者に対する不利益な取り扱いを禁止している。ただ、法令違反に関する刑事責任の免責を明記しておらず、制度の課題が浮き彫りになった。
広島県の虚偽公文書作成問題 県西部建設事務所呉支所が2021年度、呉市安浦町の中畑川災害復旧工事で作業用の土地の確保について地権者と協議していないにもかかわらず、協議したとする虚偽の借地協議録を作成。国土交通省に提出し、補助金を増額して受け取った。公益通報の再調査結果では、県が当初から虚偽作成を認識しながら、事実認定と公表をしなかったことが判明した。県土木建築局内では今回の通報を含む計23件の虚偽作成が判明しており、県が原因や全体像の調査を進めている。
県の再調査報告書によると、この職員は県の聞き取りに詳細に答えており、その結果、罪に問われる可能性が生じた。通報者だけが処罰される事態となれば、不正の告発をためらうムードが広がりかねない。不祥事の隠蔽(いんぺい)を防ぐためにも、国や自治体は刑事責任の減免を含めて制度のさらなる改善を探る必要がありそうだ。


