黒い沈黙の行先   作:シロネム

38 / 180
~食事~ 柴大将 = ねじれ?

 

 

――自由登校日

 

 

アビドスの生徒たちに取っては、自由に行動できる日であり、バイトや銀行強盗?など各々がやりたいことをやれる日であるのだが……。そんなことを知らない先生と代理人は、一向に登校してくる気配のないセリカに不安を覚えていた。

 

 

 

"セリカちゃんは、まだかな?"

 

「いつもはこの時間には登校してるのか?」

 

「そうですね、いつもであれば登校しているはずですが、本日は自由登校日ですので……」

 

「自由登校日?」

 

「えぇ、登校してもしなくてもいい日ですね。勿論、成績が良くない人は登校しなければいけませんし、暇な人がこうして集まったりしますが」

 

「セリカちゃんはね~、たぶんバイトじゃないかなぁ~」

 

"バイト?"

 

「はい~☆ 折角ですから、皆さんでセリカちゃんのバイト先に行ってみますか?」

 

「ん、いいと思う。少し早いけどお昼ご飯というのも、悪くない」

 

「昼ご飯? っていうと、料理屋か何かで働いてるのか?」

 

「そうだね~。着いてからのお楽しみかな~」

 

 

 

料理屋ねぇ……。あっちとは違うし、人肉を使ってたりはしないと思うが。……正直、不安だ。

 

 

 

「……代理人さぁ~。今、人のお肉が提供されるんじゃないかとか、考えてるでしょ~?」

 

「はい!? ……え、そんなこと考えてたんですか!?」

 

「い、いやいや……。そんなこと、考えてないぞ?」

 

「じゃあ、何考えてたの~?」

 

 

 

小鳥遊……なんで考えてることがわかるんだ。

 

 

 

「……どんな料理が振舞われるのか考えていただけだ」

 

「……そういう事にしておいてあげる~」

 

 

まぁ、この感じ的に大丈夫だろう。……料理屋といえば、最近行けてなかったし、ハムパンみたいなサンドイッチが食べたいな。

 

 

 

★★★★★

 

 

 

「紫関ラーメン? ……ラーメン屋?」

 

「そうですけど……、もしかしてラーメン嫌いですか?」

 

「いや、そんなことはないんだが……。……最後に食べたラーメンが、友人に騙された店でな」

 

「騙された? 美味しくないお店だったんですか~☆」

 

「代理人……。やめて、言わなくていいから」

 

「ホシノ先輩?」

 

"私も聞きたくないかなぁ……"

 

「ん、先生?」

 

 

 

だって……。ジャーキーを食べて人の肉じゃないって言うローランだよ? ……嫌な予感しかしない。

 

 

 

「味は美味かったが、人骨と人の内臓で出汁を取ってるラーメン屋でな……。聞かされた後に全部吐き出す羽目になったんだ……。……って、おい。小鳥遊、なんで殴ってくるんだよ」

 

「~~~! 代理人! 言わなくていいって言ったじゃん~!!」

 

"……食欲が無くなっちゃったなぁ"

 

「ん、代理人。ここのラーメンはそんなことない」

 

「大丈夫ですよ~☆ ここのラーメンはちゃんとした素材しか使われていませんから~☆」

 

「……なんで二人とも、平然としていられるんですか」

 

 

 

ゲッソリとした先生とホシノとアヤネを後目に、3人は紫関ラーメンの暖簾を潜った。

 

 

 

★★★★★

 

 

 

「いらっしゃいませ! 紫関ラーメンで……」

 

「あの~☆ 6人なんですけど~!」

 

「よう、黒見。ここで働いてたのか」

 

「お疲れ」

 

「あ、あはは……、セリカちゃん、お疲れ……」

 

「お疲れ~、セリカちゃん……」

 

"やっほー、セリカちゃん……"

 

「み、みんな……、どうしてここに……!? ……ていうか、なんで後ろ3人は死にかけてるんですか!?」

 

「ん、気にしないで」

 

「いや、無理ですけど!?」

 

「おっ、アビドスの生徒さんか。セリカちゃん、おしゃべりはそれぐらいにして、注文受けてくれな」

 

「うん?」

 

 

 

何だあれ。喋る二足歩行の……犬? ねじれの一種か? ……警戒だけしておくか。

 

 

 

「あ、大将。……そ、それでは、広い席にご案内します。……どうぞこちらへ」

 

「はい、先生はこちらへ☆ 私の隣空いてますよ」

 

「代理人はこっちおいで~」

 

「分かった分かった。袖を引っ張るな、小鳥遊」

 

"それじゃあ、お邪魔します"

 

「それで、ご注文は?」

 

「違うでしょ~。"ご注文はお決まりですか"でしょ~? セリカちゃ~ん、お客様には笑顔で親切に接客しなくちゃ~」

 

「うわぁ……。鬼か、お前」

 

「……うぅ。……ご、ご注文は、お決まりですか……」

 

「私はチャーシュー麺をお願いします☆」

 

「私は塩」

 

「えっと……、私は味噌で」

 

「私はね~、特性味噌ラーメン! 炙りチャーシュートッピングで」

 

「先生と代理人はどうされますか~☆ お金なら、私のカードの限度額まで余裕があるので、何でも大丈夫ですよ~☆」

 

「いやいや、またご馳走になる訳にはいかないよ~。きっと大人の先生と代理人が奢ってくれるはずだよね~」

 

"……え、初耳なんですけど"

 

「まぁ、招待状に同梱されていたクレジット? にはまだ余裕があるから、別にいいけどな」

 

"え、代理人。連邦生徒会長にお金貰ってたの!?"

 

「あ、あぁ。黒いスマホと一緒に入っていたが……。……え、先生も貰ってるよな?」

 

"私、貰ってない……。基本は大人のカードで払って、現金はリンちゃんに借りてた……"

 

「嘘だろ……?」

 

「……☆」

 

「先生、こっそりこれで支払ってください☆」

 

"いや、大丈夫だよ。……カード払いになるけど、流石に生徒に奢ってもらう訳にはいかないよ"

 

"私はこの、紫関ラーメンで。今日は私が奢るよ"

 

「……まぁ、いいって言うなら奢ってもらうか。……それじゃあ、俺も紫関ラーメン一つ。トッピングの……あー……」

 

「……小鳥遊」

 

「……はぁ。代理人、チャーシューは人のお肉じゃないから大丈夫だよ」

 

「そ、そうか……。……よく考えてることが分かったな」

 

「……はぁ。心配性だなぁ~」

 

「何でもない。俺も先生と同じ紫関ラーメンで」

 

 

 

まぁ……。この世界にいる限りは心配しなくても良さそうだな。

 

 

 

★★★★★

 

 

 

「いやぁ~。ゴチでした~、先生」

 

「ご馳走様でした☆」

 

「うん、お陰様でお腹一杯」

 

「早く出てって! 二度と来ないで! 仕事の邪魔だから!」

 

「あ、あはは……。セリカちゃん、また明日ね」

 

「ホント嫌い! 最低! みんな死んじゃえー!」

 

「あはは、元気そうで何よりだよ~」

 

「いや、小鳥遊。半分以上お前のせいだと思うぞ?」

 

"帰ろっか。美味しかったよ、セリカちゃん"

 

「あぁ。あんなに美味いラーメンは人生で初めて食べた。マジで美味かったよ」

 

 

 

人の独特の臭いと味もせず、あっさりとした醤油の味と豚の出汁の香り。……向こうだったら結構な金取れるぞ。

 

 

 

★★★★★

 

 

 

深夜、ローランが酒を買いに街を歩いていると、連邦生徒会長から貰った黒いスマホのモモトークに、一件のメッセージが入っていた。

 

 

 

 

 

 

"代理人、セリカちゃんが攫われたかも"

 

 

 






夜中にローラン君が一人でほっつき歩いているのは、トラップの確認などを済ませたシャーレ内は、安全だと思っているからです。


護衛対象から目を離すなァー!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。