【期待の星】県内最年少21歳の自動車教習指導員デビュー
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TVIテレビ岩手
11月、滝沢市の自動車教習所で21歳の女性が、指導員としてデビューしました。岩手県内で最年少。人材の確保が課題となっているこの業界で期待の星として輝いています。 (走る教習車)芳田さん 「はい、次ひだり」「ハンドル切る前にドアミラー(の確認)と目視、歩いている人いるかもしれないからね」 芳田結さん21歳。『見習い指導員』として奮闘しています。 芳田さん 「男性の指導員の方に負けないくらい、芯のある強い、そんな指導員になりたい」 芳田さんは滝沢市出身。ことし春から地元の自動車教習所で働いています。 芳田さん 「確認お願いします。12月7日、日曜日、8時40分、時間厳守です」 こうした事務の仕事を続けながら11月、念願の『指導員』の資格を取得しました。 その指導員。法律の知識を問う筆記試験や、運転技術を確かめる実技試験などの『審査』に合格しなければいけません。ことし、県内で行われた審査の合格率は、芳田さんが取得した「普通車の区分」でおよそ26パーセント、決して簡単ではありません。 一方、指導員の数は、高齢化などを背景に年々減少しています。県内では375人の指導員がいて、女性では最も若い芳田さんへの期待は高まっています。 STモータースクール副管理者 上家聡子さん 「すごく人当たりもソフトな感じで、優しい雰囲気が出ているので」「不安になっている生徒さんに対しても親身になって接して、長く活躍できる指導員になってほしい」 先輩も太鼓判を押す芳田さん。趣味はやっぱり『車』です。「オートマ車では物足りない」とマニュアルのオフロード車を乗りこなします。高校を卒業後、一度は、食品工場で働いていましたが、教習所で働くことへの思いは強くなりました。 芳田さん 「車の運転が好きだっていうところをやっぱり仕事につなげたくて」「この教習所で免許を取得したっていうこともあって、 自分が育った場所で自分も一緒に育っていければいいなっていう気持ちが大きくなった」 (教習車) この日、芳田さんが担当したのは、大学生の教習です。 芳田さん 「座席を合わせて、良かったらエンジンをかけてください」 「ブレーキ踏まないとエンジンかからないからね」 何とか発進できました。 芳田さん「坂道行きますよ…」 指導員にはコミュニケーション能力も求められます。ハンドル操作が難しい『S字カーブ』では… 教習生「うわぁ…」 芳田さん「大丈夫、大丈夫、ゆっくり行きましょう」 不安が大きくならないよう優しく声をかけ続けます。それでも、「交通事故を起こしてほしくない」と、厳しい言葉をかけることも忘れません。 芳田さん 「いまドアミラー(の確認)と目視なかったよ。もしかしたら(人を)ひいてたかもしれない。そこをちょっと意識していきましょう」 芳田さんの丁寧で物腰柔らかな指導。教習生からの評判は上々のようです。 教習生 「若い先生なので、親近感もあって安心して運転ができます」(芳田先生の印象は)「え…かわいいです、ははは」 たとえ経験は浅くても、芳田さんには誰にも負けない武器があります。 芳田さん 「私はまだ21歳で」「免許を取得しにくる方は私とほぼ年齢が近い方がばかりなので」「教習生の気持ちに一番に寄り添ってあげられると思うのでそこを強みにこれから指導に生かしていければ」 1人前と呼ばれる日まで。若き指導員の熱意は高まっています。