福岡市地下鉄箱崎線と西鉄貝塚線の相互乗り入れ、市長が検討意向…地下鉄の福岡空港国際線延伸など検証も
任期満了まで残り1年となるのを前に、福岡市の高島宗一郎市長は3日、読売新聞の単独インタビューに応じ、市地下鉄箱崎線と西鉄貝塚線が相互に乗り入れる直通運転を検討する意向を初めて明らかにした。市地下鉄の福岡空港国際線への延伸や、橋本駅と姪浜駅間の接続の実現可能性を検証する考えも示し、「さらに福岡が発展するために交通利便性の向上は重要だ」と強調した。 【地図】福岡市地下鉄と西鉄貝塚線
九州最大の都市・福岡市は市内や周辺部の人口増加に伴い、交通混雑が課題となっている。箱崎(4・7キロ、中洲川端―貝塚)、貝塚(11キロ、貝塚―新宮)両線は貝塚駅で接続しているが、1度ホームを出て改札を通らねばならず、不便さを指摘されていた。
7月に国土交通省が公表した都市鉄道の調査では、貝塚線は、朝の通勤通学時間に全国2位の混雑率164%となった。直通化が実現し、貝塚線の2両編成が箱崎線の6両編成の規模になれば、輸送能力と東部交通網の強化が見込まれる。
市役所でインタビューに応じた高島市長は、5月に将来の交通施策の方向性を示した「都市交通基本計画」を策定したことに触れ、「この3年間でしっかりとした地盤を作った。ここから飛躍して攻めていける」と話した。
高島市長は、直通化のほか、計画に示された福岡空港国際線への延伸や七隈線・橋本駅と空港線・姪浜駅間の接続、市南部にある西鉄・井尻駅の高架化などを挙げ、「実現の可能性の検証を速やかに進める。計画を計画で終わらせるわけにはいかない」と強い意欲を見せた。
福岡空港の国際線ターミナルは、地下鉄駅から南西に離れており、駅が新設されれば海外客らの利便性の向上が期待される。空港線の延伸と七隈線の延伸の2案を検討する見通し。
高島市長は現在4期目。来年12月6日に任期満了を迎える。