彼氏との性行為が「トラウマだった」女性の告訴で、警察が動き出した…デートDV、別れても「犯罪」になる可能性
「証拠がないと安心し、加害行為をなかったことにしようとしている」 黙っていられないと思った。 「私は傷つけられたままではいたくない。それに彼にも、人を傷つけたまま放置する人でいてほしくない」 弁護士に告訴状の作成を依頼した。 ▽「知ってもらいたい」 ただ、告訴状を出したとしても、警察に取り合ってもらえないこともある。警察はいったん告訴を受理すれば、捜査しなければならないからだ。立件するには証拠も必要になる。今回、佳奈さんが「特にひどい」と感じたホテルでの上記2件は、4年も前の出来事でもある。 それでも、証拠はあった。1件目は被害直後に友人に相談していたため、友人に陳述書の作成を依頼。当時の状況について証言してもらった。2件目については、直後に友人にLINEで相談していた記録が残っていたほか、アフターピルを処方してもらったクリニックの診断記録もある。 告訴状では、計2件の行為が「強制性交罪などに当たる」と記載(現在は不同意性交罪だが、2件は法改正前に起きたため)。被害を克明に記した上で、こう書いた。
「同意ない性交で多大な精神的苦痛、恐怖を感じた。卑劣な行為に厳重な処罰を求めるとともに、損害を可能な限り回復すべく告訴する」 ▽「捜査だけでも、加害者には『釘』に」 「受理してもらえるだろうか」と心配だったが、8月に正式に受理された。今後の行方は、警察の捜査にゆだねられた。 10月、佳奈さんは事情聴取を受けた。担当が男性刑事と知って不安だったが、被害者の心情に寄り添うように話を聞いてくれ、配慮を感じたという。 「交際相手からの性被害は、別れた後で気づくことが多いと思います。私のように行為から4年たっても、告訴を受理して捜査してもらえることはぜひ、知ってもらいたいです。起訴されるかどうか分かりませんが、警察の捜査を受けただけでも加害者に釘を刺すことになると思う」 ▽警察相談は100人に1人 内閣府の2023年度の調査によると、不同意性交などの被害経験がある人(男女)のうち、加害者が「交際相手」「元交際相手」だったのは16・4%と最多。次いで「職場・アルバイト先の関係者」(10%)、「配偶者」(8・6%)、「学校の生徒・学生」(8・6%)と続く。カップル間での不同意性交が多いことが分かる。 被害相談については「誰にも相談しなかった」が55・7%。実際に相談したケースのうちでは「友人・知人」(29・3%)が最も多く、警察への連絡はわずか1・4%だ。泣き寝入りが多く、佳奈さんのように警察に相談する人はまれだ。