photo by gettyimages

復旧復興は遅れているのか?

石川県によると、県が公費解体の期限としていた2025年10月末で、公費解体の完了率は95%に達しているとのことだ。発災当初の被災規模の大きさと、被災範囲の広大さ、そして道路や港湾インフラの損傷状況、奥能登地域の宿泊施設の少なさ、そして地域によっては豪雨によって甚大な被害があったなどの過酷な条件を鑑みると、この解体ペースは極めて迅速な対応が実現したことを示している。

県による昨年の2月時点の公費解体計画からすると、解体見込棟数はその当時の想定からおよそ2倍となっている事実も、いかに被害が深刻であったかを物語る一方、行政と住民、また解体事業者ほか復旧復興に従事する関係者が一体となって、復興の第一歩となる公費解体に心血を注いだ結果であろう。

この更地化の進展は、復興の「胎動」を伴っている。被災の爪痕が深く残る中においても、プレハブ建物での店舗営業の再開のほか、新たな住宅の着工が一部で始まっており、既に完成間近の新築住宅や、基礎着工が進んでいる建物などを見かけるなど、未来を見据えた生活再建の動きが見え始めている。

また、主要幹線道路の復旧が進んだことで、地域の経済活動にも変化が生じていた。飲食店や宿泊施設が昨年以降、多数営業を再開している。道の駅や観光地には自家用車や大型観光バスで乗り付ける観光客、そして街中や宿泊先では外国からの観光客とみられる方の姿も見受けられた。これは、地域が復興に向けて着実に、そして力強く歩みを進めている紛れもない証左である。この力強い歩みを止めることなく、持続的な復興へと繋げていくことが、2年という節目に求められる責務である。

Photo by gettyimages
イメージギャラリーで見る
-AD-

他方、地震で液状化現象、地すべりなどの被害があった地点や豪雨で激しい土石流被害があった地点などでは、そのまま住み続けることが難しい地域もある。解体がほぼ手付かずであるような地域もあった。しかし、こうした地域は限定的であり、顕在化したリスクや被害に対してどのような対応をとっていくかは個別の課題となるだろう。

道路では、能登半島先端部の大動脈である国道249号線では、被害が甚大であった2箇所を除いて復旧済み、その他道路なども優先度合いに応じた復旧が進められている。その結果、被害が甚大で殆ど人が通らないような場所を除いて、歩道などでも復旧が進められており、道路の段差やマンホールの突出なども可能な限り修復が進んでいることを至る所で感じた。

おすすめ記事