小湊鉄道(市原市)が来春から学生専用で全線乗り放題の年間パスポートを発行することが2日、分かった。小学生以上が対象となり価格は1万円(税込み)と通学定期券に比べ9割超安く破格。同社初で、全国の私鉄でも珍しい取り組みという。観光など通学以外の目的でも利用できる見込み。沿線に住む子育て世代の市外流出防止や地域活性化を目指し、苦境にある同鉄道の安定経営にもつなげたい考えだ。
同社によると、購入できるのはJR規定で通学定期券購入が可能な小学校~大学、専門学校の児童・生徒・学生で、対象区間は同鉄道全区間(五井~上総中野、全18駅)。バス、タクシーは対象外。利用期間は2026年4月1日~27年3月31日の1年間。
沿線人口の減少が進む中、同鉄道の営業継続には子育て世代が市内に定住し続けられる負担軽減策が必要と判断。また、進学で沿線教育施設を選択する際の大きなアドバンテージとしても期待できる。
同鉄道によると24年の通学定期券利用者は260人程度。沿線では、県立市原高校、県立市原特別支援学校つるまい風の丘分校、小中一貫教育校の市原市立加茂学園の児童・生徒らの利用があるという。
中でも利用が多い五井-牛久間の6カ月通学定期券は9万7150円(年間19万4300円)。年パスは大きな負担軽減となる。26年3月ごろから販売開始予定で、アプリ利用限定の見込み。継続性が必要として、27年以降も発行する方針。
同時に支援策として沿線などの住民から返礼品付きの寄付を募る考えで、同社は順次地域などへの説明を重ねている。
(佐藤大介)