PIECE OF MY SOUL
●今日は3月6日・・・WANDSはそれぞれ何をしてる時期なの?
木村さん:ライヴのリハに明日から入るんで、僕はいろいろな音のデータをマニュピュレーターの人
と一緒に打ち込んでました。まだ柴崎のギターが加わってないから全体的なサウンドってのは見えてきて
ないけど、それは後から調整していく感じですね。
柴崎さん:僕は機材・・・ラック(ライヴでギターの音色を変える機械)の組み替えだとか、ギターの
リペアだとか。曲作ろうかとも思ってたんだけど(笑)
上杉さん:僕は取材・・・・あとラジオ
●ははは。で・・・遂に出来上がりましたね。アルバムが。ええと・・・やりましたなあ!いよいよきたか
この野郎!!つうぐらいに、一年以上待っただけのことがある作品ですけども。(一同神妙な表情で
うなずいている)まさに今の心境を教えて下さい。
木村さん:うん、演れるだけのことは演ったので・・・聴いて下さいとしか言えませんけど
柴崎さん:でも”満足してしまう”ことはずっとないだろうと思うから・・・毎回だけど、自分の中で
そのときのベストに近づけてる、その結果というか。
●もっとバーンと言って良いんだよ、これだけのモノを作ったんだから!
柴崎さん:そうですか(笑)
上杉さん:うん。でもやっとバンドとして一人前になれたかなとも思うし・・・自分がアマチュアの
頃に描いていた”格好良い自分”にまたひとつ近づけたかなっていうのはあります。
●なんて言うか、”これが3人の言っていたロックなんだろうな”って、資料も何も無しで
テープ聴いただけで明快にわかる曲があるもんね。
上杉さん:そうですね。確かに
●この、一年以上っていう長い制作期間の中で、一番初期に出来た曲はどんな曲だったの?
柴崎さん:「FLOWER」かな?
●ああ”パンクロックを聴いてはミルクを飲む老婆~”という歌詞で始まる以前からインタビューでも
話題になってた曲。でもこの曲はアルバムの中でもある部分コアになる雰囲気を持ってるし、
それが一番先に出来たってことは・・・・本当に最初から今回のアルバムに関して、みんなの
”演りたい方向”ってのには確信があったんだ?
柴崎さん:「FLOWER」は春にライヴのリハ演ってるときから、曲のモチーフが出来てたし
上杉さん:詞も出来てたね。
木村さん:あの歌詞見たときは驚いたよね
●2行目で”もうその瞳には/未来しか写らない”と来たと思ったら続いて”ベービーベットの中で
生まれたての彼は/殺人のニュースに/ほら/無邪気な笑みを浮かべてる”だもん
決して重すぎるとかダークなんじゃあないけど、どの曲も印象が強烈だよね
柴崎さん:うん、自分の中では濃い目のアルバムになった気はしてるかな?でも作ってる間は
そんな気もしなかったし、自然に演れたと思うけど。
上杉さん:ラジオじゃ”8ヶ月寝てました”とか言ってたしね。
でもいろいろメンバーの中においての自分たちのポジジョンとか、音楽性についてとか・・・
だから作業はわりとスムーズに行ったよね?
柴崎さん:うん。
上杉さん:もう、これしか出来なかったら、素直に
柴崎さん:策略的なことは考えてない。
●”好きな音楽を、好きなように自然に演ったらこうなった”って感じがそのまんま
伝わるもんね、音や詞から。
上杉さん:今までは個々にギタリストとしてヴォーカリストとしてって演っていたのが・・・
やっぱりライヴをきっかけに”バンドとしてどうなんだ?”って方に行ったから。
柴崎さん:”進むべき方向が感覚的に近い”ってこともより分かってきたし
●それがライヴを意識した曲の感じとか、生ドラムやベ-スを使った録音方法にも表れてるんだよね?
柴崎さん:何曲か以外は全部生だしね。やっぱり、演奏するときに自分が高揚するってのがあるし、
聴くときにも”そういう音を聴きたい!”っていう気持ちが凄く強くなってたから
●上杉君のブチ切れたシャウトとかも全面に出てきてるもんね?
上杉:ああ・・・ですね。
●ピアノやオルガンの音にも、人肌的なニュアンスが強いし
木村さん:ええ、打ち込みのパートにもあれこれ言ってたりして(笑)
演れば演るだけ楽しくなっていく感じ?・・・やっぱり自分達が演って楽しくないものは、
人にも伝わらないだろうし。そういう意味で凄くプラスな方向に向かってるアルバムだと
思います。客観的に見てても柴崎のギターなんて全然”優等生”じゃなくなってきてるし
柴崎さん:ははは。
木村さん:逆に上杉のヴォーカルは今までの積み重ねがそのまま、よりもっとそのまま
出てきてるという感じだし。
上杉さん:うん(笑)
●聴いてても”この時がくるのを待ってたんだ!”ってニヤニヤしたよ。
柴崎さん:だから、”ギターでいかに歌をサポートするか”とか、”細かいアプローチでパッキング
を固める”とかの方に頭は行ってなかったから・・・・
●うんうん”ギターが歌の邪魔したっていいや!”ぐらいの感じで(笑)
柴崎さん:そうですね
●ヴォーカルとギターが闘ってるっつうか・・それがバンドだもんね
上杉さん:そう、そういう部分レコーディングが凄く面白かったし”ギターソロこんなの入れやがった!”
とか
●(笑)いろんな刺激とか、バンド感だらけの音なんだよね、マジで
上杉さん:うん。それに今回のキーワードが”ハードロックっていうと野蛮、汗臭い、怖い、とかの
方に捉えてる人が大半だと思うんだけど。じゃあロックが対社会批判だったり、周りに対する怒りだったりとか
そういうものなのだとしたら・・・怒りって”自分が何かによって傷つけられて悲しい”っていう感情が
あってからの怒りじゃないですか?それを感じないと、それこそ本当にただ単に”叫んでるだけのロック”
になっちゃうと思うし。だからロックにもいろんな物があるけど、全部に共通して言えることは・・・
ロックは、凄いナイーブな部分を秘めてるんじゃないかなっていうか。そういうものも分かって
欲しかったし
●そういうナイーブな感情とかメッセージの込められたロックを、君達自身もきっと好きなんだろうね
上杉さん:うん、だから髪の毛を立てた奴が”パンクだ!”って言いながらスタジオに入ってっきて
ガムを壁にペって付けて”パンクでしょ”とか言ってるようなノリは好きじゃないから。でも
意図的にそういう奴等と一線を引く為にどうの、とか考えて作ったのでもなくて、出来上がって
自分で客観的に見てみて”ああ今回のアルバムのキーワードはそこかも知れないな”って思った
だけなんだけど
●なるほど・・・でも、例えば歌詞全般を読んでみても情けない男だったり、弱音を吐いてる男だったりの
姿がそのまま描かれてはいても、どこか”光”が見えてる気がするね・・・・”やっぱりもう少し頑張ろう”
って
上杉さん:うーん・・・”頑張る、かも”ぐらい(笑)
●ははははは素直な男!だけど演奏にしても、ギター小僧がヨダレ垂らして喜びそうなフレーズが
あちこちに入ってるじゃない?やっぱり凄くプラスの方向を向いてるよこれは。
柴崎さん:そうですか?それは・・・・・良いですね(笑)でも確かにアプローチはそっちへ
変わってきてるから・・・聴いてる人に突き刺さるというか、届くギターを弾きたいっていう
願望が去年ぐらいからずっと出てきてるし
上杉さん:だから、今回のアルバムを出して初めて”昔から演ってきたこと”っていうのが意味を持ったし
昔演ってきたことがあるからこそ今回のアルバムが初めて意味を持つっていう・・・・いろいろな面が
あって、もっと立体的なWANDSになれる・・・生身に近くなったっていうか
柴崎さん:そうだね
●WANDSが本当に”自分なりの正しい道を、自分たちの歩幅で歩いてきた”からこそ出来たアルバム
なんだろうね。でも男のファンが増えそうなアルバムでもあるな(笑)
上杉さん:うん
●ラヴソングチックな歌詞も今回はあんまり歌われてないし・・・
上杉さん:そんなに、それは、・・もうね、遊びまくってるわけじゃないから
●ははははは
上杉さん:(笑)そんな、もう、ね・・・出ないですよ。出てくる方が不自然だと思うけどなあ
柴崎さん:嘘つきが多いんじゃないの?
上杉さん:どうだかねえ
●ははは、でも無理矢理恋愛の歌を書こうなんて気もなかったんでしょ?
上杉さん:全然
●ね、だから自然体なんだよ
上杉さん:ですね。それに自分達が演ってきたアプローチそのままの音楽を聴きたいとも
思わないしね、WANDSファンとしては(笑)・・・次のアルバムも、俺はもう見えてますよ
●よし!すぐ作ってくれい(笑)