動画生成AI 進化の功罪 誤報や著作権侵害も【#きっかけ解説】
――こうした問題は、動画生成AIを公表する前に解消するべきだと思いますが、なぜこのような事態に至ったのでしょうか?
背景には、著作権に対する考え方の違いがあるとの指摘があります。
オープンAIはSora2を出した時、「嫌だと言われなければ、著作物を勝手に学習して良い」という仕組み、これは「オプトアウト」と呼ばれるのですが、この考えを使っていました。
しかし日本の著作権ルールは、「使ってもいいですか?」と事前に許可をもらう仕組み、「オプトイン」を採用しています。
さらに、アメリカの専門家は、このように述べています。
スタンフォード大学法科大学院 マーク・レムリー教授
「著作権侵害で訴えられ敗訴する可能性があることを認識しつつも、人々が使いたがるツールをいち早く市場に投入し、広く普及させるメリットのほうが非常に大きいと考えたのだろう」
オープンAIは「著作権リスクを承知のうえで、Sora2の普及を優先させた」との見方もあるのです。
現在はSora2も対策を進め、多くの有名なコンテンツを使った動画は生成できないようになっていますが、まだまだ抜け穴が残っているのが現状です。
――櫻さんがこのニュースで一番伝えたいことはなんでしょうか。
AI動画は「誰でも作れる。だからこそ気付かぬ侵害に注意」することです。
気軽にAI動画を生成できる反面、気付かないうちに自分が違法行為を犯してしまう可能性もあります。
個人個人がルールを守る意識が大事だと思います。