SNSでは「万博コスプレ」が袋叩きに…大炎上した「コスプレイヤー」が万博会場で目の当たりにした“意外な反響”とは
万博ではたくさんの人が喜んでくれた
――炎上を繰り返しても、コスプレを続けるモチベーションは何でしょうか。
鹿乃:キャラへの愛が大きいのもそうですが、炎上の原因になった万博が、心の底から楽しかったのが大きな理由です。会場では老若男女、たくさんの方からお声がけいただき、子どもやお母さん、パビリオンのスタッフと触れ合うことができました。
みなさん、私のコスプレを見て喜んでくださいました。現地で味わった反応は、SNS上のイメージとはまったく違うものだったのです。大屋根リングの下をマルシルのコスプレで歩いても、誰からも苦情は言われませんでした。むしろ「わーっ!」て感じで、周りの人たちが集まってくれましたから。
――SNSとは真逆の反応だったわけですか。
鹿乃:あと、SNSでも確かに叩かれはするのですが、私のコスプレを見て喜んでくださる方もいます。何より私自身コスプレが楽しいので、どんなに炎上してもやめようとは思いませんね。
――しかし、“炎上の人”のような枕言葉がついているのは、事実だと思います。
鹿乃:そうかもしれませんが、炎上したおかげでできた体験もたくさんありました。その後、いろいろな方が声をかけてくれて、お会いする機会を得ました。「万博で炎上した鹿乃つのです」と自己紹介をすると、「ああ、あの人ね」って言ってもらえる(笑)。炎上のおかげで私の認知度は上がりましたね。
私は昔からただでは起きない人間なのですが、炎上したおかげで、1年も経たない間に貴重な体験ができました。もちろん炎上はしんどいし辛いのですが、決して無駄ではなかったと思っていますし、得られたものはとても大きい。足掻く姿を評価してくれる方も多いです。考えようによっては、炎上も肯定的に捉えることができると感じています。
炎上の経験を未来に繋げたい
――それにしても、鹿乃さんほど激しい炎上を経験した人は珍しいでしょうね。
鹿乃:アンチのみなさんには怒りや呆れの感情を抱くことが多いのですが、そもそも話がかみあわないんですよ。さらに、Xのポストを見ると、常に何かの批判ばかりしてるか、愚痴ばかり書いている。日常生活で満たされないものがある人が、SNSで他者への加害を始めてしまっているのかもしれません。
私がめっちゃ書きたいと思っているのが、推しが炎上したり、友達が炎上したら、あなたがどう支えたらいいのか…というテーマの本です。私がこれまでに炎上で体験したことを、社会のために活かすことができれば嬉しいですね。
――コスプレイヤーとしては、どんな活動をしていきたいと思っていますか。
鹿乃:コスプレイヤーとしてはこれまでと変わらず、気楽にコスプレして、気楽にフォロワーさんと交流できたらなと思っています。でも、まあ……、まずは生きていたら万々歳と思ってください(笑)。ただ、コスプレをこれから盛り上げて輪を広げていくためには、一方的にルールを押し付けたり、いじめを横行させていたらいけないと思いますね。
第1回【「万博コスプレ」にSNSで非難が殺到…2025年に最も炎上したコスプレイヤーが明かす「コスプレで会場を訪れた理由」】では、コスプレイヤーの鹿乃つのさんが、関西万博の会場に「ダンジョン飯」のマルシルのコスプレで訪れようと思った経緯について詳しく伺っています。
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