エプスタイン元被告の女性虐待現場の島の写真を公開 米民主党議員
(CNN) 米下院監視委員会に所属する民主党の委員は3日、 性犯罪で起訴され勾留中に死亡した米富豪ジェフリー・エプスタイン元被告がカリブ海に所有し、少女や女性への虐待の現場となった島の写真や映像を公開した。 写真特集:エプスタイン元被告が所有していた島の写真を公開 公開された写真には複数の寝室や浴室、歯科医院にある診療台のようなものが置かれ壁にはマスクがかけられた部屋、短縮ダイヤルボタンの横に個人の名前が書かれた固定電話などが写っている。 また、複数の映像には豪華なリゾート地のような敷地が映っており、プールやヤシの木、海を見渡す曲がりくねった歩道などが確認できる。ある写真は邸宅内の黒板をとらえており、そこには「権力」「ごまかし」「陰謀」「政治的」といった言葉が走り書きされている。 監視委員会の関係者がCNNに語ったところによると、今回公開された写真や映像がこれまで公表されたことはなく、いずれもエプスタイン元被告が米領バージン諸島に所有していた島で撮影されたもの。電話と黒板の写真では一部が黒塗りになるなど編集されている。関係者によると、慎重を期して女性の名前は全てわからないように編集したという。 監視委員会の民主党のトップ、ロバート・ガルシア議員は声明で、「調査の透明性を確保し、エプスタイン元被告の恐ろしい犯罪の全体像を把握するためにこれらの写真と映像を公開する」と述べた。 エプスタイン元被告をめぐっては、トランプ大統領がこのほど、関連する文書の公開を司法省に義務づける法案に署名した。文書は数日内に公開される可能性がある。 エプスタイン元被告の数十年にわたる虐待を調査する捜査当局にとって、米領バージン諸島は長年、極めて重要な場所だった。エプスタイン元被告は二つの島を所有していた。 エプスタイン元被告は島の自宅を頻繁に訪れ、有力者や裕福な友人・知人を数多く島に度々招いていた。島を所有していたことで、エプスタイン元被告は長年にわたって世間に気づかれずに性的人身売買を行っていた。 例えば、エプスタイン元被告の被害者としてよく知られている故バージニア・ジュフリーさんは死後に出版された回想録で、エプスタイン元被告が所有していた島で、18歳のときにエプスタイン元被告によって「ある男のもとに売られ、その男にそれまでの誰よりも残虐にレイプされた」と書いている。 ジュフリーさんはエプスタイン元被告ともう1人の特定していない世界的な権力者について、「彼は私が意識を失うまで何度も首を絞め、命の危険を感じておびえる私の姿を見て楽しんでいた。恐ろしいことに、その首相は私を傷つけるたびに笑い、私がやめてと懇願するとさらに興奮した」とも記している。 エプスタイン元被告が所有していた二つの島は富豪の投資家ステファン・デッコフ氏が2023年に購入した。 監視委員会は先月、米領バージン諸島のレア司法長官に対し、エプスタイン元被告が所有していた島での暮らしに関する一連の文書を提出するよう求めた。同委員会の書簡によると、エプスタイン元被告はこれらの島で人脈を駆使して税優遇措置の交渉や現地の法執行機関への賄賂も行っていたという。 同委員会の広報担当者はCNNに、同委員会が米金融大手JPモルガン・チェースとドイツ銀行にエプスタイン元被告の財務記録を提出するよう求め、約5000点の文書を受け取ったと明らかにした。これらも近く公表される見込みだという。