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人体のなか、チラ見せします――『細胞を間近で見たらすごかった』ためし読み

人体の中では何が起こっているのか? 普段は見えない世界が一目瞭然のイラスト(ぜんぶ著者が描いた!)と絶妙な比喩満載で、楽しく体内を旅する『細胞を間近で見たらすごかった』。奇跡のような人体の仕組みに、驚きと感動が連続の一冊です!! 一部抜粋して公開します。

✑ 小倉加奈子

はじめに――食べもの・空気・バイキンとともに巡るからだ一周旅行

 みなさんは、自分のからだの仕組みについて、どのくらいご存じでしょうか。私は、医師になるずっと前から「からだの中ってどうなっているんだろう?」「食べ物はどんなふうにうんちになるんだろう?」と、からだの仕組みに興味がありました。子ども向けの図鑑などを飽きずに眺めては、「小腸のひだひだを伸ばすとテニスコート1面分になるの⁈」と興奮し、うっとりとそのひだひだを想像し、さらにそれだけでは飽き足らず、臓器の絵を描いて喜ぶという変な子どもでした。

 自分がまさか医師になる、なれるとは思わず、なんとなく女子校から附属の女子大の文学部英文学科に進学したものの、自分が学びたいのはこれじゃなかった……と意を決して、そこから一念発起、医学部を目指しました。

 晴れて医学部に入学してからまもなく、印象的な出来事がありました。医学部1年生の生物の授業の一環としてカエルの解剖の実習があったのですが、「内臓の位置関係についてわかる範囲内で描いてみなさい」という先生の指示がありました。「なんでそんな簡単なことを指示するんだろう?」と、すらすらと内臓の絵を描いていったのですが、近くに座っていた同級生たちから、「なんでそんなに知っているの?」と驚かれたことに驚き、「なんで医学部に入ってきているのにそんなことも知らないの?」と思ったものでした。

 その後、医学部の同級生の多くは「お医者さんになりたい」という熱い想いをもって入学しており、「からだの構造を知りたい」という興味よりもその熱意の方がずっと大きいのだということを知り、自分が変わっているらしいという認識を新たに得たのでした。

 そうして、気がつくと、人体の不思議をミクロのレベルで観察する病理専門医となり、早くも20年が過ぎていました。病理医の仕事については、後ほど、コラムでお話しするとして、広く一般の方々にも人体の構造の美しさや細胞一つひとつがどんなに素晴らしく互いに連携しているのか、知っていただきたいと思うようになりました。

 そこで、食べ物や空気やバイキンとともに身体を巡りながら細胞を見て回る、ツアー(旅行)仕立ての本を書いてみることにしました。細胞について教科書的に説明するのではなくツアーに見立てることで、「細胞って間近で見たらすごいですよね」と、読者のみなさんとその感動を共有できるのではないかと思ったのです。

 この「見立て」ですが、あるものを別の何かで代用する、という意味であり、メタファーや比喩などにもつながる表現方法であり、考え方です。よく“医者の見立て”といいますが、泥をこねておまんじゅうに見立てるごっこ遊びと医師の診断行為は同じ方法に基づいているということです。

 このことを教えてくださったのが故・松岡正剛さんでした。松岡正剛さんが校長を務めるイシス編集学校で、診断の本質がごっこ遊びと同じであることに衝撃を受け、松岡さんの提唱する編集工学を15年近く学び続けて現在にいたります。その方法論は、私が日常の業務の中で、若い病理医を指導する時にも大変有用であり、また、一般の方向けに病理学の本を書く機会もいただきました。

 2022年の秋、中高生、大学生、ドクターそして一般の方々といった年齢も立場も職種も異なる方々が集って医学を多様に学ぶ場として「MEdit Lab 順天堂大学STEAM教育研究会」という研究会を立ち上げました。医学は、医学部で学ぶ専門的なものではなく、自分の身体や心の仕組みを学ぶ身近な学問であり、いわば「リベラルアーツとしての医学」という観点で、医学をもっと自在に捉えられたらいいなと思って活動しています。

 この研究会で様々な活動を企画している私たち自身も、医学を改めて多様に捉え直そうと、医学や医療をテーマにしたゲームを開発し、細胞をテーマにしたゲームもつくっているんですよ。これらの活動すべてにも、見立てをはじめとした松岡さんの編集工学の方法論が活きています。

 本書では、この“見立ての力”を使って、みなさんと私で全身の細胞たちに会いに行きます。ご自分の身体を構成する細胞たちの素晴らしい性質について理解を深めていただくような仕立てになっているはず、と自負しています。

 お話が長くなりました。さっそく、からだツアーへ出発しましょう!


序章 からだツアーの旅じたく

3.まるでビルの工事現場! すべては細胞から

 ビル建設の工事現場を眺めていると、まずは骨組みがつくられて、そこにセメントが流し込まれ、外壁ができていく様子がみられます。細胞たちが臓器を形作る時も似ています。細胞同士がつくる骨組みを支える「細胞外基質」というものが必要です。
 ちなみに、細胞外基質はタンパク質でできていますが、この基質も細胞自身がつくったものです。骨組みをつくる細胞たちが、セメントまで作っちゃうってすごくないですか? さらに、その基質にも細胞自身にも絶えず栄養がいきわたるように、細かな血管が縦横無尽に引き込まれ、配管工事もばっちりですし、細胞自体は、先ほどお話ししたように、かなり頻繁に取り換えがなされ、メンテナンスも緻密なんですね。
 さて、そうやってできた人体というビルディングですが、細胞という基本パーツからみていくと、「細胞→組織→臓器→器官→人体」の五段階でみていくことができます。

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細胞から人体まで五段階!

 細胞は同じ形と機能を有した細胞同士が集団となって「組織」をつくります。さらにいくつかの組織が互いに組み合わさってひとつの「臓器」をつくり、臓器同士が連携して人体を動かす「器官」をつくっていきます。器官同士があわさることで、ひとりの人間の身体がつくられています。

4.「器官」を巡るからだツアー、集合場所は?

 人間の身体のいちばん大きな単位である「器官」には、消化器系・呼吸器系・泌尿器系・循環器系・生殖器系・内分泌系・免疫系・骨格系・筋系・外皮系・神経系・感覚系の12種類があります。それぞれの器官は、複数の臓器が組み合わさって構成されています。
 今回のからだツアーは、これらの器官を順々に巡ります。え? 集合場所が気になる? そうですよね。実は、それ、とても鋭いご質問です! 12の器官の中で、“外界”、すなわち、身体の外側と接している器官は、限られていまして、ツアーのスタートとゴールの場所(INとOUTの場所)がはっきりしない器官も数多くあります。

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身体と外界との関係、こうなっています。

 そのなかでも最もわかりやすいのは、消化器系です。口から入った食べ物は消化吸収されながら、便となって肛門から出ていきます。つまり、消化器系は、入口が口で、出口が肛門です。とってもわかりやすい。ですので今回もまずは消化器系を訪れるツアーからまいりたいと思っています(第1章)。
 呼吸器系は、気管、気管支、そして肺で構成される呼吸を司る器官ですが、入口のひとつは消化器系と一緒、でも出口はどこでしょう? 色々な解釈がありますが、鼻や口から吸った空気は、同じように鼻や口から呼気として吐き出されます。空気の立場になってみれば、入口と出口は一緒といえましょう。
 一方、泌尿器系は、腎臓、尿管、膀胱、尿道からなる、身体の老廃物を尿として対外に排出する臓器の集まりです。こちらは尿の観点から考えると、出口は尿道の先っぽかなと思いますが、入口はどこなのか難しい。また、血管や筋肉や神経は身体の奥にあり、どこにも外界と接する場所がありません。
 このように全部はこの場で説明しきれませんが、器官の中には外界と接する場所が明確なものとそうでないものがありますし、明確にどこがスタートでゴールかわからないものがあるのです。


第1章 ごっくんからうんちまで 「ジェット消化器ツアー」

7.十二本の指の長さの十二指腸

 はい。十二指腸に入りました。ここは小腸の最初のパーツで、指を横に12本並べたくらいの長さがあります。

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へぇ~。臓器の名前の由来、面白い!

「ひょっひょっひょっひょっひょっ!」どうしましたか? いや、なんだかこの場所に来たら足裏がもしょもしょしてくすぐったいんです。それになんだかこの通路自体もでこぼこしていてちょっと頭をぶつけてしまいました。歩きづらいところですね。

 そうなんです。小腸に入ると壁自体も粘膜も、さらにひだひだしていて、イソギンチャクが生えたでこぼこの海底みたいですよね。頭をぶつけてしまったでっぱりは、「輪状ヒダ」といい、足裏がくすぐったいのは、ミクロのでっぱり「絨毛(じゅうもう)」のせいですね。近づいてみてみましょう。

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小腸の内側はこうなっています。

 近づくと、絨毛がびっしりと生えていますが、その表面をこれまたびっしりと腺細胞が覆っており、その細胞にはさらに細かいブラシのような「微絨毛」が生えています。この微絨毛は電子顕微鏡レベルでないとはっきり見えず、光学顕微鏡ではブラシのように見えるため、「刷子縁」とも呼ばれています。小腸のひだひだは、輪状ヒダ、絨毛、微絨毛と大中小の3段階構造なんです。

 絨毛と絨毛のくぼみの部分を「陰窩(いんか)」といいます。ここには細胞質に赤い顆粒を有して、小さな爪に塗った赤いマニキュアのように見える、「パネート細胞」がいます。腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)コントロールしている役目があると言われていますが、正確な働きはよくわかっていません。

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小腸の絨毛の断面、拡大したものです。

 陰窩は、パネート細胞が住んでいる場所であり、新しい細胞がつねに誕生している産院でもあります。陰窩で生まれた腺細胞は、絨毛の先端まで数日かけて移動し、てっぺんまでくると死んでしまい、剝がれて便の一部に
なる運命です。腺細胞は、つねにフレッシュな状態で、胃から送り出されてきた食べ物の栄養を吸収するという大事な役目を担っています。小腸がないと人間は生きていくことができません。吸収を司る腺細胞以外に、粘液を分泌する粘液細胞も少数含まれていて、食べ物に適度な粘液を与えてお尻の方にスムーズに送る機能も有しています。

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小腸の表面積のトリビアも、本書内でご紹介!

オプショナルツアー1 自由に動ける「胸腔・腹腔フロアガイド」

 今回のからだツアー、主に身体の外から入りやすいところをメインツアーとして設定していますが、入りにくい“秘境”ほど、やはり魅力があるものですよねぇ。そこで、からだツアーの通になりたいみなさんに特別に、いくつかのオプショナルツアーをご用意しております。まずは、「胸腔・腹腔」へとご案内したいと思います。

†私たちの身体は、スーツケース?

 私たちの身体は、いってみればあらゆる内臓を上手につめこんだスーツケースみたいなものです。頭部に関しては、とっても柔らかくて壊れやすく、かつ、最も重要な臓器のひとつである脳が入っていますから、その全体が、まるでジュラルミンケースのようなカタイ頭蓋骨で守られています。

 胸部と腹部は、頭部ほどではありませんが、収納されている大事な内臓たちを保護するために、それなりの伸縮性を保ちつつもやはり丈夫な骨に囲まれています。胸部は、心臓の前側に「胸骨」という細長いネクタイのような形をした骨があり、そこから左右放射状に「肋骨」が肺を囲んでいます。肋骨は適度なすきまをもって等間隔に配置されているため、楽に呼吸ができるよう膨らんだりしぼんだりの動きが可能になっています。   

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わたしたちの胸と腹のなかみですね。

 一方、腹部は、下半身と上半身の“要”となる丈夫な「骨盤」によって支えられています。また、胸腔と腹腔を隔てているのは横隔膜で、腹腔側から上を見上げると、横隔膜はまるでプラネタリウムの天井のスクリーンのように見えます。伸縮自在な天井ですね。

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スーツケースのように内臓がパッキングされています。

 私たち病理医は、病院で亡くなった患者さんの解剖(「病理解剖」といいます)を行うことがあります。解剖を行うことで、どんなふうに患者さんの病状が変化していったか、主治医の見立てを客観的に評価することができます。医師は生涯、診療を通して患者さんからさまざまなことを学びながら、自身も成長する必要があります。病理解剖は、自分の担当の患者さんから医学を教えていただく最後のチャンスになります。自分の治療が適切であったかどうか、謙虚に振り返る姿勢が医師にとっては何より大切です。

 病理解剖では、患者さんのお身体にメスを入れ、胸腔と腹腔を大きく開き、中にある臓器をすべて摘出し、各臓器を詳細に調べていきます。所要時間は、病理医の熟練度や患者さんの病気の状況や体格によっても変わりますが、胸腔と腹腔の内臓を取り除くだけなら1時間ほどあれば可能です。

 臓器を全部取り除くと、ぽっかりとふたつに仕切られた空虚な空間が現れます。胸腔と腹腔はすべての臓器がなくなると、まさに荷物をつめる前のスーツケースのようなのです。

†うす~く広がる胸膜・腹膜

 胸腔と腹腔は、正常な状態であれば、つるつると光沢があり、臓器が触れてもするすると抵抗がないように若干の湿り気を持ち、摩擦が起こらないようになっています。臓器の表面と胸腔や腹腔の壁はいずれも同じような性状の膜、「漿膜(しょうまく)」に覆われています。

 さらに漿膜に近づいていきましょう。そこには「中皮細胞」という|扁平な細胞がうすく1層になって広がっています。場所によっては立方状の形のところもあります。中皮細胞は細胞の表面に微絨毛を持ち、この毛にはヒアルロン酸がたっぷり含まれています。これによって、若干ぬめり気を持った摩擦が起きづらい状態を保っています。また、中皮細胞同士の間には小さな穴があり、そこから血液の中の液体成分である血漿成分が滲み出てきて、少量の胸水や腹水が出たり入ったりしています。わずかな水分があることで、やはり摩擦が起きにくい環境を整え、臓器同士がこすれて傷まないようになっているのです。超高性能なスーツケースなんですよ!


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人体のなかを旅する一冊です!

【本書の目次】

はじめに──食べもの・空気・バイキンとともに巡るからだ一周旅行
 
序章 からだツアーの旅じたく
1.つぶつぶしながら増えたり減ったり
2.かわいい形の細胞の部品たち「細胞小器官」
3.まるでビルの工事現場! すべては細胞から
4.「器官」を巡るからだツアー、集合場所は?
5.身体のなかの植物?
コラム1: 細胞からはじまる医学部カリキュラム
 
第1章 ごっくんからうんちまで「ジェット 消化器ツアー」
1.お口の中のハードとソフト
2.まるでつぼみ!「味蕾」がさき乱れる舌
3.自動制御スプリンクラーの唾液腺たち
4.クロワッサン顔負けの多層な食道粘膜
5.ゴージャスな二階建て構造の胃粘膜
6.脳相? 妄想?
7.十二本の指の長さの十二指腸
8.消化管脇道コースへ!
9.作るのは肝臓、貯めるのは胆嚢
10.花の都、肝臓
11.マルチタレントな肝細胞大公開!
12.小島の浮かぶ腺房大海原、膵臓7
13.水玉でオシャレなリゾート、ランゲルハンス島
14.家を建てられる土地の大きさに匹敵、回腸・空腸
15.危険! 腸に落とし穴?
16.杯を酌み交わす細胞たちと乾杯! 大腸
17.多様性といえば、腸内フローラ
18.お腹の中をぐるり周遊、盲腸と結腸
19.1日数度の肛門筋肉組体操
 
オプショナルツアー1:自由に動ける「胸腔・腹腔フロアガイド」
私たちの身体は、スーツケース?/うす~く広がる胸膜・腹膜
 
第2章 吸って吐いて「風かおる 呼吸器ツアー」
1.2つのツアーの入「口」
2.死の交差点、誤嚥というリスク
3.0・5秒間の口腔チームプレー
4.呼吸器ツアーは、左右へ自由行動
5.23回も分岐が! 迷わないで行けるかしら?
6.ふさふさした毛がそよぐ
7.アルプスの少女の友達? クララ細胞
8.肺胞はごく薄製法がウリ!
9.肺胞がのりづけされるCOVID-19肺炎
10.肺胞を破壊するタバコの煙 
 
オプショナルツアー2:自由に動かせる「骨格筋ワイルドツアー」
内臓の反対語は?/インナーマッスルを鍛えるおしゃべり病理医/しましま模様が特徴の「骨格筋」/骨格筋一つひとつがマッチョになる筋トレ
 
コラム2: 病気のことわりを知る学問「病理学」
 
第3章 溜まったら出す「水の都 泌尿器ツアー」
1.男女でだいぶ長さの違う「尿道」
2.伸縮自在の洞窟「膀胱」
3.腎臓と膀胱をつなぐ丈夫なチューブ「尿管」
4.左右の大きな万能ソラマメ「腎臓」
5.急降下と急上昇を繰り返す、絶叫コースター「腎臓の機能単位:ネフロン」
6.ミクロな未開拓地球「糸球体」
7.絶叫コースターの主経路、尿細管
 
オプショナルツアー3:産毛の生える平原「皮膚ガイド」
私という存在をまるっと包む人体最大の臓器「皮膚」/皮膚、そのテッペキの構造/平原の一部にふたつの丘が!「乳腺のひみつ・序章」
 
コラム3: もうひとりの主治医「病理医」
 
第4章 ドライブしませんか?「からだ交通網、循環器ツアー」
1.壊れたパイプの修復方法
2.全身を周遊する流れるプール
3.ドキドキの力はどこから?
4.4つの部屋と扉、戸締りが重要
5.エレキな心臓、漏電や断線に要注意
6.錆びる動脈
7.血管建築のポイントは太さと構造
8. 血液ダダ漏れ? 穴ぼこだらけの血管もある?
9. もうひとつの交通網、リンパ管
 
オプショナルツアー4:ふたこぶの美しい丘「ときめき乳腺ガイド」
母乳をつくるぶどうの房?/伸縮自在のぶどうの実?
 
第5章 これぞサバイバルツアー「免疫サファリパーク」
1.どんなバイキンで旅します?
2.たくさんの白血球
3.食べたら死んじゃう好中球
4.食べても死なないマクロファージ
5.フットワークの軽いもうひとりの食細胞「樹状細胞」
6.樹状細胞とヘルパーT細胞、素敵な出会い
7.お互い励まし合う免疫担当細胞たち
8.緊急事態! ウイルスがやってきた!!
9.ナチュラルに殺し屋(!)の細胞
10.樹状細胞、再び走る
11.細胞の名札と名札フォルダー
12.なんとか無事帰還!?
 
オプショナルツアー5:これぞ秘境!「脳と脊髄、からだ遺産ツアー」
やり取りされている情報量はネットの比じゃないぞ!/全身に張り巡らされた情報ネットワーク/シナプスでつながる個性豊かな神経細胞たち
 
コラム4: かたちとストーリー、見立てと病理診断
 
オプショナルツアー6:精鋭部隊で構成される「内分泌株式会社ガイド」
 
第6章 どちらがお好き?「ハネムーン 生殖器ツアー」
1.【女性ツアー】酸性雨の降るトンネル?
2.【女性ツアー】トンネルを出るとそこは子宮頸管だった
3.【女性ツアー】子宮体部には、“内膜床暖房”完備!
4.【女性ツアー】ジュディ・オングの腕のような卵管
5.【女性ツアー】100万分の1の人材になれ!
6.【男性ツアー】避暑地にぴったり!
7.【男性ツアー】過酷なレースコース
8.【男性ツアー】からだの軽井沢?
 
オプショナルツアー7:骨の髄までわかる、からだ通のための「造血器ツアー」
赤い故郷と黄色い故郷? 骨髄はいずこに?/置かれた環境で人生、いや“血球生”が変わる?/血球たちの墓地?「脾臓」
 
コラム5: リベラルアーツとしての医学?
 
おわりに
主要参考文献
索引


著者=小倉 加奈子(おぐら・かなこ)
順天堂大学医学部人体病理病態学教授、同附属練馬病院病理診断科科長、臨床研修センター副センター長。2002年順天堂大学医学部卒業。2006年同大学院博士課程修了。医学博士、病理専門医、臨床検査専門医。大学病院の日々の診療において、病理診断を担当しながら、研修医・医学生の指導にあたる。同時に、故・松岡正剛氏のイシス編集学校で編集コーチ(析匠)を務め、編集工学のメソッドを医学でも活用すべく、順天堂大学STEAM 教育研究会「MEditLab」を主宰し、医学を身近に感じてもらう様々なプロジェクトを企画。著書に『おしゃべりながんの図鑑』『おしゃべり病理医のカラダと病気の図鑑』(以上、CCCメディアハウス)。趣味はお絵描きと読書。モットーは、ちゃっかり・ついで・おせっかい。





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