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【記者解説】遺骨返還、国際的潮流に 情報全て公開を東大保管
この記事を書いた人
宮城 隆尋
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研究目的で沖縄から持ち出された遺骨について、東京大が「保管期間が長期に及んでいる」と明らかにした。背景には東大が先住民族への遺骨返還を進めるために設置した「遺骨返還等タスクフォース」がある。
遺骨返還の権利などを定めた「先住民族の権利に関する国連宣言」(2007年)など、遺骨返還が進む国際的な潮流を受けて設置された。東大は海外の先住民族、国内ではアイヌ民族の遺骨を既に返還している。
政府は沖縄の人々について先住民族と認めていない。ただ京都大学が保管していた遺骨は、琉球遺骨返還請求訴訟の大阪高裁判決を経て沖縄側に移管された。大阪高裁判決は返還請求を棄却したものの、付言で返還に向けた対話を促していた。
それらの経緯を受け、東大も沖縄側へ返すことも視野に調査を進めているとみられる。
松島泰勝龍谷大教授らによると、東京帝大(現在の東大)の研究者だった鳥居龍蔵、探検家の笹森儀助らが持ち出した遺骨が東京大にあったことが、文献などで判明している。松島氏らの調査では持ち出された際、遺族らの同意があったことは確認されていない。
東大は赤嶺政賢氏への回答で、遺骨の保管状況などは明かさなかった。調査を急ぎ、持ち出しの経緯を含めて全ての情報を公開すべきだ。その上で元にあった場所へ戻すことを検討する必要がある。
(宮城隆尋)
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