強制不妊、家族や病院から事前説明なく 検証会議で被害者が答弁

オンライン配信された第3回検証会議=配信のスクリーンショットより 拡大
オンライン配信された第3回検証会議=配信のスクリーンショットより

 旧優生保護法(1948~96年)下の強制不妊手術を巡り、日弁連法務研究財団は3日、原因究明や再発防止に向けた第3回検証会議を開いた。被害者で委員の鈴木由美さん(70)が答弁し、家族や病院から強制不妊手術だと説明がなかったことや、長年後遺症に苦しんだ経験を語った。

 脳性まひの鈴木さんは12歳の頃、子宮摘出手術を受けた。家族や病院から詳しい説明はなく、当時は「足を動かせるようになる手術かな」と思ったという。数年たっても、実態を知る機会はなかった。祖母に「怒らへんからほんまのこと言って」と求めたところ、「ママがあんたのためにしたんやで」と言われた。

 祖母との会話や周囲の女性に聞いた生理の話から、徐々に不妊手術を受けたことを理解したという。鈴木さんは「入院時の光や音を思い出すと緊張状態になることが続いた。いまだに病院に行くのは嫌い」と話した。

 検証会議は衆参両院が日弁連法務研究財団に委託。旧法に基づく不妊手術の被害実態や、旧法が存続した理由などを調べる。【近森歌音】

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