装備輸出規制「5類型」の撤廃、26年前半に 防衛産業拡大へ転換点 - 日本経済新聞 nikkei.com/article/DGXZQO
高市早苗政権は防衛装備品の輸出について殺傷能力のない「5類型」に限る条件を2026年前半に撤廃する方針だ。同盟・同志国への装備の提供により安全保障の協力を強める。国内の防衛産業にとっては市場の拡大につながるほか、企業間の競争や協力を通じて民生にも応用できる新技術を生み出す機会にもなる。
自民党の安全保障調査会は1日、5類型の撤廃に向けた勉強会を開いた。日本維新の会と10月に交わした連立政権合意書で26年の通常国会中の撤廃を明記しており、党の考え方を整理する。
5類型は救難、輸送、警戒、監視、掃海を指す。第2次安倍晋三政権時、武器の輸出を事実上、解禁した14年の防衛装備移転三原則の「運用指針」で示している。戦車や戦闘機などは5類型に当てはまらず、原則輸出できない。
事実上の全面解禁
国際共同開発の形をとれば、現行制度でも5類型外の装備を輸出できる。ただ途上国に既存の中古艦を売却する場合なども共同開発での対応が求められ、制度が煩雑だ。
5類型を撤廃すれば、装備輸出の事実上の全面解禁につながり、日本の防衛産業には追い風になる。防衛省の公表資料によると、24年度の調達品契約実績は三菱重工業を筆頭に川崎重工業、三菱電機と続く。22年度に5000億円台だった三菱重工の防衛・宇宙事業の受注高は23、24年度に1.9兆円近くに急増した。
日本政府は岸田文雄政権下の23年度から防衛費の大幅増にかじを切った。中国や北朝鮮、ロシアに囲まれ、急速に悪化する周辺の安全保障環境を踏まえた。防衛企業が業績を伸ばしているのは政府方針が大きく影響している。
スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は1日、世界の防衛企業上位100社の24年販売額に関する報告書を公表した。日本勢は三菱重工や川崎重工など5社が入り、販売額は23年比で40%増えた。主要国で最大の伸びを記録した。