内需型ビジネスを打破
日本の防衛産業は防衛省向けが大部分を占める内需型ビジネスだ。24年の伸びも主には国内の要因が大きい。市場関係者には、5類型が撤廃されれば、海外販路の拡大に直結するとの期待がある。三菱重工の時価総額は22年初まで1兆円前後だったが、25年10月には一時15兆円を超えた。
岡三証券の諸田利春シニアアナリストは「艦艇や通常型潜水艦など、日本の技術競争力が高い分野で輸出が広がる可能性がある」と指摘する。
5類型の撤廃には慎重論もある。指針をつくった際に自民党と連立を組んでいた公明党の西田実仁幹事長は「平和国家としての日本の歩みにどう影響するかという観点も必要だ」と話す。
平和国家像との両立必須
日本は戦後、政府開発援助(ODA)など非軍事の国際支援を通じて平和国家のイメージを確立してきた。22年改定の国家安全保障戦略にも「平和国家として専守防衛、非核三原則の堅持などの基本方針は不変」と明記した。
防衛装備品の輸出拡大を巡り、他国から「軍事国家に向かう」と批判されるリスクはある。同盟・同志国を含めた抑止力の強化が目的であり、平和国家の追求と矛盾しないと説く外交努力が必要になる。
5類型の撤廃により武器の輸出が完全に自由になるわけではない。防衛装備移転三原則は国連安全保障理事会が平和と安全の維持・回復に必要な措置を講じている国への輸出を禁じる。「紛争当事国」と呼ばれ、朝鮮戦争時の北朝鮮や、湾岸戦争時のイラクが該当する。
殺傷能力を持つ装備品の輸出を解禁するならば、侵略国やテロ組織に渡るのを防ぐ歯止め策も要る。