はじめて音MADを作る方へ - プランニングについて


■はじめに

ここでは、音MADを作ってみたい!でもどういった音MADを作りたいかがイマイチ決まらない!…という方に向けて、アイデアを膨らませる際のちょっとしたアドバイスを記載していますので、ぜひ読んでいただければと思います。

音MADに限らず、作品を作るにあたって1番必要なのは「意欲」です。モチベがないとなにもアイデアが浮かびません。
素材となる人物のセリフや動きを如何に幅広く網羅してるかが、音MADを作るうえでのカギとなります。言うなれば素材への愛のようなものです。
そうすれば、「ここのフレーズにこのセリフがフィットしそう!」という発想が自然と生まれてくるようになります。この辺はやっていくうちに自然と身についていくと思います。
あとはいろんな音MAD作品を定期的に徘徊して、いいと思った音作りや映像美をどんどん記憶して、真似できる範囲で盗んでいきましょう。



■テーマのプランニング

まず、以下の2点を確定させることから始めましょう。

  • 使う楽曲・BGM

  • 素材にするキャラクター・人物

  • 作品のタイトル(これは後回しでもいい)

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早い方だとまずタイトルから決定すると思います。筆者も大体そのパターンです

「使う楽曲」について

個人的に推奨したいのが「なるべく1ループが短い楽曲を採用すること」です。
音MADを作る際は、目安1分半以内にループが収まる楽曲を選択する事で、ゴールまでの距離が短くなりモチベーションの安定に繋がると思います。逆に長いと制作期間もその分必要としますし、労力も倍になるのであまり推奨しません…
時間が長めの音MADを作るのは、ある程度慣れてからをおすすめします。


「作品のタイトル」について

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視聴者層の興味を引く際に結構悩むのが「作品のタイトル」。

単純に「この曲とこの素材で音MADを作りたい!」というビジョンが固まった上で、特にタイトルにこだわりを入れない方であれば大丈夫ですが、もし気を引くような秀逸なタイトルにしたいと思ったら、ニコニコで「神タイトル」タグ検索をしたり、X(Twitter)で「#mad_idea」ハッシュタグ検索などをして、知恵を借りるのもアリかもしれません。
おもしろい・響きの良いタイトルの動画には「神タイトル」なるタグが付けられることがあります。
これに関しては作品公開直前までじっくり考えることができるので、後回しにしてもかまいません。


「素材にするキャラクター」について

ほとんどは一体の人物に焦点を当てて作るのがメジャーです。代表的なもので言えば「ドナルド・マクドナルド」や「真島茂樹」とかの音MADは比較的有名ですよね。

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無論、ジャンルを問わず自分が使いたい素材で自由に作るのもベストです。

私的オールスター(自分好みのコンテンツをごちゃまぜにしたグループ)系だと、とりあえず使う楽曲だけ先に決めておいてから「とりあえずこのキャラをここに使おう」といった簡単な構築を比較的スムーズに行えると思うのでオススメです。
テーマがとっ散らかる為やや混沌とした動画にはなってしまいますが、それも音MADの醍醐味という事で。

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普段みられない組み合わせにより夢のコラボが実現するかも…?

今回は例として「ドナルド」を素材にした音MADを作る過程で話を進めていきますので、ご参考としておいていただければと思います。

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■素材配置のプランニング(音声編)

曲と素材が決まったら、次に素材でどういった旋律を奏でるかを考えます。
原曲を何度も聴き返したりしながら、頭の中でうまいことセリフやネタを考えてみます…ここらへんはもう発想力あるのみです。

思いついた部分から、忘れないうちに箇条書きでドンドン付け足して行っちゃいましょう。記憶力に自信のある方は頭にインプットしたままでもOK。

例:

・音程合わせで使う素材:
  ドナルドのケータイ着信音
  ランランルー
  鏡の前でポーズしてる時のオケヒ音
  朝昼夜CM目覚まし時計の音

・25秒辺からケータイの音を挿入
・24秒辺にセリフ「みんなもいっしょにやってみようよ、いくよ」を挿入
・1分13秒辺からドナルドが質問攻めされるシーンを入れる

など

つぎに曲の小節(以下meas)ごとに行を作り、先ほど箇条書きした項目をもとに、どんな素材を音合わせ(シンセやドラム)に使うかや、どこにどんなセリフをハメるかを、穴埋め形式でざっくりと考えてみます。

例:

1meas:足音ドラム
2〜4meas:足音ドラム、このへんでルー挿入
5〜8meas:オーケストラヒット音(デン!)ソロ
9〜11meas:ランランルーのコーラスソロ
12meas:「みんなもいっしょにやってみようよ_いくよ_」セリフ挿入
13meas:ケータイ着信音でシンセサイザー挿入、笑い声でリズム感を挿入
17〜20meas:「すると後日、フェルナンデスくん2号が昼寝していると…」
21〜23meas:「起きてくださ〜い」
24meas:「あ、あなたは…?」
25meas:「ドナルです」
26〜31meas:演奏パート。目覚まし時計、ランラン×4、宝箱つんつんベース、足音ドンドン。
32〜33meas:「ドナルドは今ダンスに夢中なんだ」セリフ挿入
34〜41meas:綱引きの掛け声挿入。
42〜43meas:受け答えパート「ドナルガってしゃべるの?」「知らないです」
44〜45meas:「ドナルガの目ってなんで赤いの」「知らんわ」
46meas:「ドナルガの苗字ってマクドナルガ?」「知るか」
47〜48meas:「ドナルガって何センチ?」「これくらい」
49meas:この辺でドナルドがブチギレて投球連打
おわり

「ドナルガクルガ:sm40814380」より

考えついたものが何度も脳内再生出来るようになれば、その感覚を忘れないうちに音声として形にしたいですね!

続いては映像のプランニングについてです。



■素材配置のプランニング(映像編)

「音MAD」と聞こえは音声が最重要のように感じますが、映像による表現もとっても大事ですよね。自分でバランスのいい配置に挑戦するもよし、ほかの作者さんの割り付けや作風をリスペクトするもよし。個々人の腕の見せ所といっても過言ではありません。

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ざっくりとした構図を、とりあえず紙かタブレットでラフコンテしてみます。

音程合わせの素材をどこに配置するか、音程の変化をどう表現するか(REDZONEでいう左右反転のような技法)をイメージします。
絵が苦手で描けないという方も大丈夫。テキトーなワクを描いて簡単な素材名を書くだけなので、自分で見てわかれば良いです。

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複数の音程合わせ(楽器系)素材を主張させたい場合の表現の一例。

人間が受け取る情報のうち、約8割は視覚からの情報といわれています。
音程合わせ系の音MAD(YTPMV系統)は「なんの素材が音を鳴らしているか」の表現がミソなので、それを映像でしっかり伝えたいところ。

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なにか喋ってるシーンは、そのセリフに合わせたキャラを手前レイヤーやセンターに持ってきて主張させたり、タイミングよく字幕を入れるなどの方法を使って、セリフを強調させると良いでしょう。
特に、音声の置換で改変・改造している台詞は、文字を付ける事でより客観的に伝わりやすくなります。

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音声メモ・ラフコンテの時点でガッツリ決め込まなくて問題ありません。あくまでイメージをある程度把握する為のメモに過ぎませんので、音声・映像制作ソフトで実際に形にしていきながら少しずつブラッシュアップしていきましょう。
作ってる途中で「やっぱりココ変えたいな〜」ってなると思いますので、コンテ通りにいかなくても全然大丈夫です。納得のいくまで試行錯誤しながら、無理のない範囲で制作を進行していってくださいね。

今回例に挙げた「ドナルドの音MAD」の完成系がこちらの動画です。
参考というのもなんですが、良ければ当記事の振り返りみたいな感じでご覧ください!↓

■おわりに

長々と説明しましたが、音MADの作り方は人それぞれたくさんあり、当記事で紹介した制作過程はその内のほんの一部に過ぎません。
他の音MAD作者さんも公開している様々な解説記事を基盤に置き、そこから皆様に合った制作スタイルを発見していくのが一番だと確信しています。
当記事もまた、これから音MADを制作していく皆様の跳躍台のようなものになれば幸いです。

良い音MAD制作を!

※余談ですが、自分はスライムみたいにボヨヨンと弾ませるモーションが好きなので、その手法を愛用しています。
aviutlのイージングスクリプト31番を使用。詳しい使い方は以下のURLより https://aketama.work/aviutl_easing_1

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