昨日までは普通に働いていたのに…真面目な部下が「言ってもムダだ」と会社に愛想を尽かした決定的瞬間
■雰囲気が悪い職場ほど人が辞めていく 社員は、その労働条件を受け入れたくないけれど、反対してもどうにもならないと分かったとき、態度で不満を表すことがあります。 それは意図的であるかどうかにかかわらず、会社にとって好ましくない態度となって表れます。 以下は、「職場の不満ランキング男女500人アンケート調査」の結果です。 ・1位……人間関係・雰囲気が悪い ・2位……収入が少ない ・3位……労働時間・休日への不満 ・4位……職場の環境・設備が悪い ・5位……仕事量・仕事内容が不公平 ・6位……正当に評価されない、上司が力不足(同6位) 社員は大小さまざまな不満を抱えながら仕事をしていると思いますが、こうした不満を抱えたままではパフォーマンスは落ち、離職の原因にもなります。 厚生労働省の「令和5年雇用動向調査結果の概況」でも、転職入職者が前職を辞めた個人的理由の上位には「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」「職場の人間関係が好ましくなかった」「会社の将来が不安だった」「給料等収入が少なかった」などがあります。 これは前述の不満ランキングとも共通項が多く、不満が実際の離職理由に結びついていることが分かります。 ■社員の不満に社長は気付かない 辞めた社員から内容証明で請求書が届いたり訴えられたりするといったトラブル事案に見舞われると、「目をかけてやったのに……」「可愛がっていたのに……」と非常に驚かれる社長が少なくありません。 「感謝こそされても、まさか訴えられるなんて……」と全く心当たりがない様子です。 それほど、社長にとって社員の不満は気づきにくいものなのでしょう。 一緒に机を並べる上司や同僚も同様に「最後までフツーだった、そんなことを考えていたなんて想像もつかなかった」と驚くケースは多いのです。 それでは、なぜ社員は不満を抱えていても黙ったままなのでしょうか? この疑問に対する興味深い調査があります。 『離職過程における労働者の心理―認知的タスク分析を応用したインタビュー調査―』では、社員の無力感を次のように指摘しています。 ---------- 事業主に自身の要望や意見を伝えたり、その理由や原因を積極的に問いただして調整を図ることなく退職する傾向(略)の背景には、事業主と話し合いをしても、(略)変わらないと感じる ---------- つまり、社員が黙って辞めていく背景には、「話し合ってもどうせ何も変わらない」という強い無力感があるといえます。