昨日までは普通に働いていたのに…真面目な部下が「言ってもムダだ」と会社に愛想を尽かした決定的瞬間
■社長の自己評価と社員の本音のズレ 中小企業は特に、会社=社長という側面があります。 そのため、パワハラや退職勧奨といった問題は、会社の問題というより社長個人の性格や行動に原因があると社員は考えます。 だから、言ってもムダであると感じてしまうのでしょう。 かつては「イヤなら辞めれば? 代わりはいくらでもいるから」という考えが通用していました。 しかし、そんな時代は終わりました。 社長と社員の受け止め方に差があることを示す調査があります。 社長を対象としたあるアンケートでは、就業規則を改定する際、本来は社員代表の意見を聴く手続きが必要であるところ、従業員規模が小さい企業ほど「意見書を作成していない」傾向が見られました。 「何パーセントくらいの従業員が納得してくれていると考えるか」という問いでは、納得度の平均は8割を超えています。 この結果について、調査報告書では「(社長の)高い自己評価を示している」と言われてしまっています。 少し古いデータですので今は意見聴取の実施率は上がっていることと思いますが、それでも従業員代表者を社長が指名する慣例が残っている会社はあるのではないでしょうか。 ---------- 濱本 志帆(はまもと・しほ) 特定社会保険労務士 職場でのパワハラ・セクハラや月100時間以上のサービス残業、労災隠し、不当解雇を経験したことから、「会社が労働者を大切にできるための支援」を志し、社会保険労務士資格を取得。顧問業務を行いながら、会社と労働者のトラブル解決に携わる過程で、本来的に職場トラブルを防ぐ方法を考えるようになる。その後大学院に進学し、組織心理学とトラブル発生のメカニズムを研究。MBAを取得。大学院での研究と実務経験から、問題行動の背景には処遇に対する社員の不満があり、その8割は「不満を聴く」ことで解消していることに気づく。これを紛争解決に取り入れたところ、多くの困難事例を早期解決できるように。現在は特定社労士の試験でグループ研修のグループリーダーを7期務める。裁判になる前に職場トラブルを早期解決する実務家として15年の経験をもとに、特定社労士実務家の育成セミナーや、企業内ハラスメント研修、経営者向け研修など講師実績も多数。 ----------
特定社会保険労務士 濱本 志帆