柏崎刈羽再稼働、新潟知事の議会説明3分のみ 「公約違反だ」の声も
新潟県議会(53人)の定例会が2日開会した。花角英世知事は議案説明の冒頭で、東京電力柏崎刈羽原発(同県)の再稼働容認を表明した自身の判断について、「信任を得られるか、または不信任とされるのか判断を仰ぎたい」と述べ、「信を問う」先を県議会に委ねた。再稼働容認に関する説明は3分ほどにとどまり、傍聴席からは「公約違反だ」との声があがった。
議案の提案説明に立った花角知事は「はじめに、柏崎刈羽原子力発電所の再稼働についてです」と前置きをして話し始めた。昨年3月に経済産業相から再稼働への理解要請を求められていることを踏まえ、原発への県民理解の促進や施設の安全性の向上などに関する七つの項目について国の対応を確認することを前提に「新潟県は了解するという判断を先月21日に行いました」と改めて再稼働容認を表明した。
続けて、自らの判断に対する県民の意思を確認する方法について「今後知事の職務を続けることについて県議会の信任を得られるか、または不信任とされるのか判断を仰ぎたいと考えております」と述べた。
花角知事は初当選した2018年の知事選で、自らの判断を示した後に「信を問う」と公言し、知事選や県民投票などで県民の意思を確認するとみられてきた。このため、県民に直接問う手段を選ばなかったことに対し、傍聴席からは「公約違反だ」「恥を知れ」とヤジが飛んだ。
知事はさらに、県が9月に実施した県民意識調査について、原発に対する安全・防災対策への認知度が高くなるほど、再稼働に肯定的な意見が増える傾向があるとの独自の分析結果を紹介。「現時点では県民の賛否は分かれている」と認めた上で、「安全・防災対策の周知を継続することで再稼働への理解が広がっていくと判断した」と、容認に至った理由を説明した。
最後に「再稼働に不安を感じる県民の思いを重く受け止める」としながら、県議会に対して、自らの職務を続けることへの信任を求めた。「信を問う」手法について具体的には言及せず、議会に委ねる形になった。
県議会は、最大会派の自民党県議団(32人)が単独過半数を占めており、すでに知事の判断を信任する方針を決めている。一方、第2会派で野党系の「未来にいがた」(9人)と第3会派で非自民・無所属系の「リベラル新潟」(6人)は、知事の信の問い方自体を追及する構えだ。
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新潟県議会事務局は、柏崎刈羽原発(同県)の再稼働を巡る論戦が予定される12月定例会本会議を、別室でモニターを通じて傍聴できるようにする。一般の傍聴席(210席)が満席になった場合の措置。再稼働問題について審議が予定される厚生環境委員会でも同様の対応を検討している。
傍聴席からの大きな声での発言が飛び交う状況に対応するため、警備員が「静粛に」と書かれたボードを掲げる取り組みも始めた。議会事務局の担当者は「傍聴席は議論を聞く場なので、円滑な議事運営にご協力いただきたい」と話す。
原発の再稼働の是非を問う県民投票条例案が提案された4月の臨時会での傍聴者は、最も多い日で242人だった。12月定例会では採決が行われる最終日の22日、本会議場に多くの傍聴者が集まることが予想されている。