こんにちは。
「国宝」を観ました。
ずいぶん前に。
評判の映画ですが、私はつらい気持ちになりました。
(原作は未読なのですが)
「国宝、よかった!!」と感じた方は、ここで引き返していただいてもちろんOKです。
どこを見るか?で感想がちがってきますよね。
たとえば、着物が好きな人は美しい着物に見とれるでしょう。
みんなちがってOKです。️
どれが正解ということではなく、私が感じた気持ちを書こうと思います。
公式サイト…
あらすじ
15歳の喜久雄は宴会のステージで歌舞伎の女形を演じ、拍手喝さいを受ける。
歌舞伎の名門の当主の花井半二郎は喜久雄の才能にほれ込む。喜久雄を引き取って日々、稽古をつける。
半二郎には息子の俊介がいた。
俊介と喜久雄はライバルであり、ともに稽古しながらきょうだいのように育つ。
半二郎の後を継ぐのはどちらなのか?
主役二人の10代のころを演じる役者さんがよかったです。二人が楽しそうに川原で自主稽古をしてるシーンが素敵。
大人になってからの役者さんももちろんよかったです。
生涯を通してライバルでありながら、同じ時代に同じ世界を生きてきた者同士(喜久雄と俊介)で、とても近い。理解し合える間柄でもある。
二人が思いやり合うシーンは胸にしみました。
では、どこがつらかったか?というと、ひとつは虐待シーンです。
師匠(親)が弟子(子ども)を稽古中、バシバシ、棒状のものでたたく。かなり思いきりたたく。青筋を立てた大人が、半裸の少年(腰回りしか隠してない)を「ちがう!そうじゃない!」と怒ってたたきます。
昭和の時代だから、よくあることだったと思います。
一般家庭も暴力が少なくなかったし、学校の先生(の一部)も生徒に暴力をふるっていた時代ですから。
(「中学校で先生が生徒を飛び蹴りしていた」と親戚から聞いたことがあります。)(その先生は問題にならず、その後、出世して校長になっていました。)
何ヶ月か前に、有名な歌舞伎役者さんが「国宝」を観た感想を書いておられるのを読みました。
「自分が子どもの頃は、稽古でもっとひどい暴力を受けた」
「それで(体が痛くて)学校を休んだこともある」
そうだったのですね。胸が痛みました。
稽古で暴力があったのは事実ですから、そのシーンを否定するつもりはありません。取材した史実に基づいて誠実に描かれたシーンなのでしょう。
それに映画では、実際よりはソフトに描いたのだと思います。
それでも、子どもへの暴力は、私は見ていてつらいです。(他の人はそうでもないのかな?)
もしかしたらたたかれたことがあまりない人はピンと来なくて、そんなに気にならないのかもしれません。「背景」のように見られるのかもしれない。
私は棒状のもので思いきり何度もたたかれた経験があるので、その痛さを知っています。他人事とは思えず、実感として気になります。
ちなみに、服の上からたたかれるより、肌を直接たたかれるほうが痛いです。だから、かなり痛いはずです。
たぶん内出血(アザ)を起こすであろう強いたたき方でしたし、稽古はきっと毎日ですから、治る前にそのアザの上をたたかれたりして、ますます痛いでしょう。
(なお、たたかれた経験がある人であっても、「いやだったな」とあまり自覚していない場合は、見てもそんなに気にならないことがあります。「あれくらい普通だよね」とスルーできたりする。)
(心をマヒさせて生きのびるために、そういうことがあります。全部感じてたら、生きているのが大変ですから。)
(しかし、ずっとマヒさせ続けていると、自分も暴力をふるってしまいやすい。「子どもをたたくのはふつうのこと」「たたいて教えるしかない」と思ってしまう。暴力の連鎖が起きる原因のひとつです。)
(「いやだった」「つらかった」と感じられるほうが、結果的には安全になっていきます。)(感じるのはつらいのですが。)
また、映画の中では、だれも子どもへの暴力に疑問を持たないように見えました。「そのくらい当然だ」あるいは「仕方ない。芸のためだから」という雰囲気でした。
止める人がいない。涙を浮かべて物陰から見ている人もいない。(「巨人の星」に出てくる、主人公の少年のお姉さんのように。)
今年、ニュースになっていた高校野球の事件(ひどい暴力やモラハラがあった)で、「強豪校ではよくあること」と書かれているのを読みました。
それが「ひどい暴力やモラハラ(精神的な暴力)で鍛える(痛めつける)から強くなれる」という文脈だとしたら、なんということでしょうか。
とてもいやです。危険でもあります。これからはやめてほしい。「暴力やモラハラがなければ強くなれない」、そんなことはないと思います。ちがうやり方があるはずです。
子どもへの暴力シーンでは、以前、観た中国の映画も思い出しました。京劇の稽古で子どもたちが、それはひどい虐待にあっていました。自殺する子が出るほどに。
それほどの虐待があったことも、史実なのだと思います。
その映画を観たあと、美しい京劇をもう無邪気に喜んで見ることはできないと思ってしまいました。
(もしかしたら今の時代の京劇の訓練はちがうのかもしれませんが。)
もうひとつ、つらかったのは女性たちの描かれ方です。
男性にひたすら尽くし、自分の人生が無い。
「自分を犠牲にして好きな男性に尽くすのが女性の人生」というふうに。そして、かわいそうな男性は慰撫する。
(女性が自分から進んで尽くしているので、「犠牲」とは思っていない様子でしたが。)
もちろん、その時代には、そういう女性が少なからずいたのでしょう。だから、否定するわけではないのです。その時代の風景を描いただけですから。
「女性は男性に尽くすもの。それが美徳」
「好きな男性に尽くすのが女性の喜び」
「女性が自分の人生を生きたいなんてワガママ」
「お妾さんは日陰者。表に出てはいけない」
そんな風潮がある時代でした。
なお、私の父方の祖父(レンガ職人の親方。明治生まれ)の自慢話は「どんなに困っても娘を売らなかった」というものだったそうです。それが自慢になる時代があったのです。
それほど「セーフティネットがなかった、厳しい時代」とも言えるし、「女性の人権や子どもの人権が無かった時代」とも言えます。
(仕事をしたのに施主に工賃を払ってもらえないことがあったそうです。)
そういう時代もあったから。 と思います。
思うけど、やはりつらいです。
女性は踏み台なのだろうか?
「芸を磨くためなら女性を泣かす」ことが「男の花道」である、という流行歌も昭和の頃にありました。
「悪魔と取引してでも、芸の道を究めたい」と願う主人公ですから、そういうストーリーになるのは納得します。
でも、やはり見ていてつらい。
女性を何だと思ってるのか。そう言いたくなります。
自分の仕事を持つ自立した若い女性も出てきますが、彼女のセリフも違和感がありました。
最初は、男性にまっすぐ文句を言ったのに、最後は男性をほめたたえていたのです。(この順序が逆だったら少し印象がちがったかもしれない。)
がっくりしました。
出てくる女性は全員、男性に都合のいい女性ばかりに見えました。(女性から好きになって、男性に尽くしに行く形ばかりでしたし。男性にとって都合のいい展開になっていました。)
子どもと女性のことを書きましたが、男性もしんどそうでした。
稽古で思いきりたたかれるのも、「男の子だから」という面があった気がします。
もしも主役二人が女の子だったら、映画を観た人の多くが「うわ、ひどい!」「あんなふうにたたくなんて!」とハッキリ感じられたのではないでしょうか?
もしも腰回り(と胸元)しか隠していない少女たちが、棒状のもので肌を直接、思いきり強くたたかれていたら、ギョッとしませんか?
同じ人間なのに、男の子への暴力は見過ごされがちです。「男の子は乱暴に扱っていい」風潮があるからです。
本当は男の子だからといって「乱暴に扱っていい、たたいていい」わけではないのです。
(この本、おすすめです。)
大人になった俊介が酒浸りになる様子は、リアルで胸が痛みました。
跡継ぎのプレッシャーがあったからではないかと思いました。プレッシャーがあっても弱音が言えたらいいですが、なかなか言えないときは、お酒などでまぎらわしたくなるかもしれません。それは珍しくなく、よくあることです。
あるいは、「長男」「跡継ぎ」として期待され、「ひとりの人間」として見てもらえていなかったのかもしれません。そうだとしたら、胸の奥ではさびしさを感じていたでしょう。
「男性が自分をあまり大切にしていない」シーンも出てきます。あまりにも大切にしていなくて、驚くほどでした。放っているのです。
その行為の根底には、「ムリする(有害な)男らしさ」がある気がしました。
「弱音は言えない」「強くなくてはならない」と思うと、「大丈夫なふり」をしたり、危険信号があっても見ないようにして対応せず、後回しにしてしまうことがあります。
男性もつらい。
男性がつらいと、周りの女性や子どももつらい目にあうことが多いです。「つらい男性」の周りの男性も大変になります。
子どもも女性も男性も。
見ていて胸が痛み、つらかったです。
その中でも助け合って生きていくシーンがあり、そのシーンはホッとしました。
希望もあります。
稽古で暴力を受けていた歌舞伎役者さんは、「自分は子どもにそういうことはしない」と言明しておられました。
映画でも次世代の子どもには、同じことをしていない様子でした。
これからは変わるかも。
変わっていくことを心から願っています。
子どもも女性も男性も、大切にされる世の中にしていきたいです。
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