「世界から『日本は男性の性欲に甘い国』と言われている」 渡邊渚さんが「日本で多発する性的搾取」について思うこと
昨年8月末にフジテレビを退社した元アナウンサーの渡邊渚さん(28)。2020年の入社後、多くの人気番組を担当したが、2023年7月に体調不良を理由に休業を発表。退社後に、SNSでPTSD(心的外傷後ストレス障害)であったことを公表した。約1年の闘病期間を経て、再び前に踏み出し、NEWSポストセブンのエッセイ連載『ひたむきに咲く』も好評だ。そんな渡邊さんが、日本で起きた買春やわいせつ事件についての思いを綴ります。 【写真】10月には完全受注販売の2026年カレンダーも発売 普段とは違う表情を見せる渡邊渚さん
* * * 11月、タイ国籍の12歳の少女が都内のマッサージ店で働かされ、男性客相手に性的サービスをさせられていた事件が発覚した。約1か月でおよそ60人の相手をさせられていたという。 このニュースを知ったとき、私は心底気持ち悪いと思ったし、腹立たしくなった。働かせた店側はもちろんだが、罪の意識もなく少女に性的サービスをさせた客も全員もまとめて逮捕して、顔と名前を晒してほしいとすら思った。 女性の私が自分の12歳の頃を振り返ると、12歳なんてまだ身体も未発達で、"女児"そのものだ。しかもタイ国籍だったということは、日本語もうまく話せなかったと想像する。言語も伝わらない女児に性的なサービスをさせる日本人男性が約60人もいたことに反吐が出る。 彼女が自ら出入国在留管理局に行かなければ、この事件は公にすらならなかった。異国で体格差のある異性に性的搾取をされるという、我々には想像もできない苦痛を受け、絶望的な限界状態を生き抜いた。それだけでも、本当に頑張った。 なおかつ、自身が捕まることを覚悟して入管へ行き、それが結果的に、世界に大きく問題を投げかけることになった。彼女は本当に強い。
満員電車でわいせつな動画を見る男性の倫理観
最近の児童への性暴力に関するニュースでもう一つ気になったのは、日本人男性がフランスの航空機内で児童ポルノを閲覧したことで逮捕された事件だ。CAが発見して通報し、即刻逮捕、有罪判決が下った。 フランスはスウェーデンなど北欧と並ぶくらい女性の権利を強く守る国で、女性や児童への加害行為に世間の目が厳しい。「児童ポルノはアートだ」なんてバカバカしい言葉も、「そんな法律があると知らなかった」という言い訳も、世界的には通じない。 そもそも、機内でそういうコンテンツを見ているのもどうかしてる。私も時々、通勤時間の満員電車でわいせつな動画を閲覧する男性を見かけるが、どういう倫理観なのだろうと軽蔑している。 また、そういう男性が身体の密接する満員電車内で横にいると、何かされるのではないかと恐怖を抱いてしまう。公的な場でわいせつ動画を見るのは、単なるマナー違反ではなく、性加害に値する行為だ。
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