「血で真っ赤じゃないか…」山上被告が慟哭した長兄の自死…妹が語る“安倍元首相を狙った理由”「統一教会の機関誌の表紙に安倍さんが」【銃撃事件・公判】
「窓口は見つからなかった」
弁護人 「事件発生当時のことは?」 Aさん 「その日の昼近くになり、叔父から電話が来ました。犯人は山上徹也と聞かされて驚きました」 弁護人 「兄のことと思った?」 Aさん 「間違いなく兄だろうと。夜になって叔父の家に行ったりして、ニュースを見ていたら『特定の団体に恨みがあって』と言っていた。間違いなく統一教会だと確信しました」 さらに被告人が安倍元首相を狙ったことについては、「不思議だと思うことはなかった」と証言する。 Aさん 「安倍首相は統一教会の機関紙の表紙に載っているのを見たことがあった。称賛しているようにも見えていた。母の妹も信者なのですが、叔母から選挙のときに『自民党の候補者に(票を)入れてほしい』と言われたことがあります。UPF(統一教会の関連団体)の動画も『素晴らしいから見て』と言われていました」 弁護人「叔母からの支援要請は自民党の候補者?」 妹「そうです」
弁護士「山上家の子供たちは、外に助けを求めることはできなかったのか」 妹 「統一教会の献金によって破産しました。相談先窓口を探しましたが、子供を脱会させたい親用の窓口や、献金を取り返そうという被害者の窓口はあったのですが、親が入信して困っている人の窓口は見つからなかった。 母は自らの意思で献金をしていました。私たちには到底口出しはできなかった。絶望と苦労の中で、徹也は事件を起こした」 妹の答弁中、山上被告は涙をこらえているのか額を手で押さえてジッとしていた。 11月20日以降の被告人質問では、山上被告が本人の口で事件について語っている。12月18日に最終陳述、1月21日に判決言い渡しが予定されているこの公判。今後の動向も注視したい。 (了。前編から読む)
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