経営不振に喘いでいたのはむしろ…
今年11月14日、「京都北白川 ラーメン魁力屋」を運営する株式会社魁力屋が、エムピーキッチンホールディングスの全株式を取得、完全子会社することを発表したのである。
実は三田製麺所などを運営するエムピーキッチンはここ数年、経営不振に陥っていた。直近の業績(2024年12月期)は売上高こそ57億4600万円(前年同期比18.2%増)と伸びてはいたが、営業利益はマイナス4億4000万円。2022年12月期から3期連続で赤字となっている。
この長引く業績悪化に苛立ちを見せていたのが、エムピーキッチンホールディングスの大株主たちだ。ラーメン業界に詳しいコンサルタントはこう明かす。
「同社の株はアドバンテッジパートナーズを中心に投資ファンドが100%保有していました。投資が実行されたのは2016年のことで、国内外問わずラーメン需要が伸びることを見越したもので、数年での売却を考えたはず。ところが彼らの思惑とは裏腹に、予想以上に業績が伸びなかったのです」
ファンド側は売却先を探すものの、赤字が続く状況では、なかなか買い手が見つからない。そんな中、ようやく候補として挙がったのが近年、急成長を遂げている魁力屋だ。
魁力屋といえば、今年6月に同社初の企業買収として、「肉そばけいすけ」や「札幌みその一期一会」などのラーメン店を展開する「グランキュイジーヌ」を子会社化。これまで直営店の出店が中心だったが、さらなる出店加速のため、積極的なM&Aをしていく方針を掲げている。