今は恥じることないってことは・・・これからは分かんないってこと
柴崎さん:それまでにアルバムは大体出来てて、11~12月はシングルを作ってたから
中断して。そう、シングルを演ることに関して時間がかかったんだよね。
上杉さん:歌難しいんだよ、あの曲
●もうアルバム制作も七合目半位?
柴崎さん:もっと行ってる気はしてるけど、九合目ぐらいまで・・・(笑)
●その苦労の果てに感性したシングル「Secret Night」ですが。昨日テープを貰ったばかりで
まだ15回ぐらいしか聴いてないんだけど・・いや初め”誰だこれ?”と思いましたよ。
最初のパート聴いた時は。
柴崎さん:・・・やっぱり新曲ずっと出してなかったから、俺達が変化した部分とかを大きく
感じるのかもしれない。
●いや、それもあるけど上杉君の声の質。これが抑えてるっていうか淡々としてるっていうか・・・
さっき歌が難しいという声もありましたが、印象として最初のパートでは”感情を溜め込んでる”
というか、パキっとしたっメロディにすんなり歌を乗せてるという感じでもないし、
歌う時苦労したでしょ?
上杉さん:そうですね。これを俺よりうまく歌える奴がいたらちょっとお目にかかりたいかもしれない
・・・(笑)っていうぐらい難しい。でもとにかく「世界が終わるまでは・・・」で、自分の中では
一段落したという気がしてる部分があって、で次への新たなる曲を探してて時間が掛かったんですけど
この曲は個人的に凄く自分の目指すところに近い曲は個人的に凄く自分の目指すところに近い曲でね、
絶対シングルにしよう!って盛り上がりました。
●サビに入るまではWANDSの曲だと分からないくらいで。”あれ、上杉君こんな声だったっけ?”
たぶん、低い音程からメロディが始まってるせいもあるんだろうけど、今までに聴いたことがないほど
背筋にゾッと来る曲だよね。で、サビの♪Secret Night以降の歌パートでやっと”ああ来た!”
っていう感じになるから・・・ある種メロディの構成なんかも、今までと全然違うし。
柴崎さん:凄くニュアンスがいろんな部分で出るメロディだから、歌う人によって全部曲が
変わっちゃうくらいに。
●このメロディから、どういうイメージを膨らませようと思ったの?
柴崎さん:曲の持ってる”不良な部分”というか”頽廃の匂い”みたいなところをより一層強調したい
と思ったし、あとは静と動のメリハリをつけるようにプレイしたつもりだけど。決して
計算されて整った感じにはしたくなかったですね。それに新しいプラスαを加えられれば
もっと良いだろうなと
●すなわち”柴崎カラー”を?
柴崎さん:そうかな(笑)
●ははは。木村君はどう?
木村さん:どっちかっていうとクレッシェンドな曲ですよね?だんだんこう、拡がってって
最後に爆発するような曲だから・・・凄く良いなあと。
●アレンジ的な部分としては?
木村さん:シンセよりも、もっと肉声の部分を前に出して・・・シンセはもう全然後ろって
感じで。
●そうだよね、Bメロの♪Ah・・後ろ指なら”指す”より”指される”がいい♪あたりのバッキングも
肉声のコーラスだし。今までならシンセでアレンジしてたかもしれないのに・・・
一種、感覚的なコーラスが使われてる。
上杉さん:嫌いなんですよ。コーラス。
●はははは・・・だから凄く良い意味で思いっきり裏切られたって感じがして。もっと言うと
”装飾”も減ったね、飾り的な音の部分とかが。
柴崎さん:ああそうですね、シークエンスの部分とか。それは的を得てるな。
●今日良いヘッドフォン買って聴いてみたんだけど(笑)例えばギターにしてもそれでよく聴くと
左側の方では今までの柴崎的芸風の音がちゃんと鳴ってて・・・プレイ自体も曲が進むにつれて
段々派手になってくんだけど、基本的に全面にでてるのは凄くシンプルなエイトビートで刻むような
ギターのパッキングじゃない?
柴崎さん:ああ、そうですね。
●だから、”ああ、これは柴崎君も何か今までと違う感覚で曲を捉えて活かそうとしてるのかな?”
と思って。
柴崎さん:特にA,Bメロはあんまりコテコテした音はない方がいいなって
●弾いてはいるんだけどね(笑)
柴崎さん:そう、でも前に出すのは淡々としたクールさっていうか・・・だから、あんまり
アクティブな要素を入れちゃうと、このメロディの良さが無くなる感じもしたし。あとは
その”飾りが減った”っていう部分はまったくそうで、全部の楽器の演奏状態を含めて
曲の色がでるっていうか。
●ドラマのノリとかも凄いよねえ。
柴崎さん:そうそう。
●一瞬の間みたいなとこで叩かれてるフレーズとか、本当にもう好きに叩いてるっていう感じ
じゃない?(笑)だから、”あれあれ?もっとガチっとしたリズムが今までのWANDSだったけど
これはもっとグループ主体のリズムを目指してるんだな”って
柴崎さん:とにかくドラムとかベースも含めて、人間が減ってる演奏のダイナミクスが活かされてて
良いなあと・・・自分で言ってる(笑)
●決め事ナシ!のデカいノリ。
柴崎さん:そうですね。
●あとギターソロ。これもまた今までと全然芸風が違う。
柴崎さん:これはあんまりソロっていう感覚では演ってなかったんだよな、バッキングでもソロでも
なく、みたいな解釈でちょっと(指が)動く感じで。
●ブルージーでもあり、さりげなく弾いてるようでもあり、でも音が粒粒してるっていうか・・・
”俺はギター弾けるんだ!”的なソロじゃあなしに楽勝カマしてる(笑)本当にいろんな意味で今までと
違う曲だよ・・・そうそう間奏に被さって、女の子が英語でしゃべってるフレーズもありますけど?
上杉さん:ええ、一人は誘惑してる感じでわりとセクシーなことを言ってて。
もう一人はののしってる。何か”静と動”というか、そういう部分を強調したくて・・・
優しい事を言ってる人もいれば、相反することを言ってる人もいるんだよっていう風に
●ふむ。とにかく驚いた。何ていうか””これがシングルなんだったらアルバムはどうなるんだ?”
的な・・・・すげえ、ロックだぞこれは!って感じで。
上杉さん:それは言えると思います。
●どうですか、この詞を書いた段階でのテーマの生まれ方は?
上杉さん:うーん・・・
●これは”現在形の上杉昇”である?
上杉さん:ですね。
●かなりスリリングな現在形だ。
上杉さん:現在形・・・・少なくとも思想的な部分ではそうですけども。
●♪後ろ指なら”指す”より”指される”がいい♪と思ってます
上杉さん:・・・・はい。
●続けて♪しかもプラトニックだ♪・・・なかなか想像を喚起する深い詞
上杉さん:はい。
●その後♪今は恥じることない♪とまで言ってます。
上杉さん:今は恥じる事ないってことは・・・・”これからは分かんない”ってことですけどね。
●おまけに最後は♪これ以上明日を待てない♪ですからねえ。
上杉さん:まあ・・・・生きていくためにはいろいろあるかなと。
●結構、いろんな意味で今の上杉君であり、WANDSの”決意表明”というか”片道汾の燃料しか
持たずにいくぞ”みたいな切迫感と勢いがある。
上杉さん:そうですね、うん。
●このシングルはWANDSにとって、どんな意味を持つシングルになると覆いますか?
木村さん:う~~ん・・・・でも、今現在演っていることがWANDSであって、
それをみなさんがどういう風に見るかは分からないですけども。これがWANDSですので
ストレートにとってもらえると良いなあと思います。
柴崎さん:決して”こういうことも出来るんだよ”って曲ではなくて、現在の自分たちの姿が
この曲だから。このシングルは今の俺達の音楽性がダイレクトに反映されてると思うよ。
WANDSはこうでなきゃいけないなんてことはあんまり考えてないし、そういう事にとらわれだしたら
どんどん音楽演る事がつまんなくなっちゃうと思うしね・・・・
●でも・・・非常に格好良いよね、ロックだね、この曲は。もちろんド・ハードロックとか
そういうのではないかもしれないけど。アレンジとか、歌詞の感じとかも含めて、これは
もしかしたら”嫌いな人は嫌い”な曲なのかもしれないし、”暗い”という人がいるかもしれないし
”起伏が激しすぎて良く分からない”って人もいるかもしれないけど・・・・
全員:(うなずいてる)
●でも、格好良いからいい!本当に。さて・・・95年のWANDSはこの曲で幕を
明けるわけだけど・・・良い感じだね、3人なりの緊迫感がどんどん高まってきてるって感じがするし。
上杉さん:ええ。やっぱり、”自由”であるべきじゃないですかロックって。だから漠然としずぎてる
けど・・・何か自分の目指してる場所も、そこだし。
柴崎さん:うん、またそういう匂いに魅力を感じるようになってきたっていうのも
あるかもしれない。
●アルバムも楽しみにしてます。
柴崎さん:他のバンドの人に聴かせると”何これ全然変わっちゃったじゃない、不良じゃん!”
とか言われてますよ。何か複雑な気分だけど。
上杉さん:生活感は凄くでてるな、今度のアルバムが一番・・・なんでもありだから。
放心状態でもいいし、眠っててもいいし、それこそ、本当のロックじゃないかってそういうロックを
演りたいから