在日本中国大使館、サンフランシスコ講和条約「不法かつ無効」と主張
在日本中国大使館は2日、高市早苗首相が党首討論で引用したサンフランシスコ講和条約について「不法かつ無効な文書」だとX(旧ツイッター)への投稿で主張した。一部の西側諸国が「中ソなど第2次世界大戦の主要戦勝国」を排除して結んだと批判した。
高市氏は11月26日、立憲民主党の野田佳彦代表との党首討論で、台湾の法的地位を日本が「認定する立場にない」とする政府見解を維持した。日本が1952年発効のサンフランシスコ講和条約で台湾に関するすべての権利を放棄した点に触れた。
日本は台湾の帰属先を明示していないサンフランシスコ講和条約を重視してきた。72年の日中共同声明で「台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部」と表明した中国の立場を必ずしも認めず「十分理解し、尊重する」としている。
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(更新)- 川島真東京大学大学院総合文化研究科 教授ひとこと解説
中国側が根拠にしているのは、1942年1月1日、中国も加わるかたちで連合国が発した、連合国共同宣言にある、「各政府は、この宣言の署名国政府と協力すること及び敵国と単独の休戦又は講和を行わないことを誓約する」という部分。サンフランシスコ講和条約は中国、ソ連などが署名していない、「単独」のものだとくことである。中国はこうした歴史戦を通じて、台湾、沖縄などについて自らの政策を正当化しようとしている。日本は、中国の主張に対して有効に反論しながら、自らの立場を世界に伝えていくべきだろう。
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(更新)
高市早苗首相の台湾有事に関する答弁を契機にした日中の対立が尾を引いています。習近平(シー・ジンピン)政権下の日中対立を追います。