仕事中に居眠り…それ、病気かも? 過眠症“ナルコレプシー”の女性、YouTubeで発信 「やばい完全に私」共感の声『every.特集』
配信
寝てはいけない場面でも眠ってしまう病気があります。過眠症の「ナルコレプシー」。あるYouTuberの女性はかつて先生に仮病を疑われ、仕事中に居眠りして職を転々としました。今は薬で睡眠発作は軽減しましたが、葛藤もあります。彼女が発信する理由とは? 【動画】寝てはいけない場面でも寝てしまう病気、“ナルコレプシー”。発信を続ける女性の思い『every.特集』
■動画編集中にまぶたが下がり…
青森県で暮らす、YouTuberのあこちさん(36)。動画を編集していたある日、まぶたが下がり、そのまま眠ってしまいました。 ただの居眠りのように見えますが、あこちさんは「これが睡眠発作で、自分は仕事をしている意識だし、寝ているつもりないから…。キーボードをたたいているつもりで指が動いてるんだと思います」と言います。
■自分でコントロールできない強い眠気
彼女が発信しているテーマはナルコレプシー。動画の中で「ナルコレプシーって何なん? みたいな人多いと思うんですけど、みんなにこういう病気があるよっていうのを知ってほしいので」と語りかけます。 睡眠総合ケアクリニック代々木の井上雄一医師によると、ナルコレプシーとは過眠症の一種。「睡眠発作」ともいわれる、自分ではコントロールできない強い眠気が日中に繰り返し起こる病気です。 試験中や仕事中、歩行中など、寝てはいけない場面でも眠ってしまうのが特徴です。
■「自分も一緒」…動画を発信する理由
あこちさん 「何でなの? どうしてなの? どうしてガマンができないの? (寝てしまうことが)甘えかなと思ったし…」 居眠りが病気だとたどり着くまで、あこちさんが要した時間は15年。だからこそ、自分のような苦しい思いはしてほしくないといいます。 「寝ちゃうことで悩んだ瞬間に、検索して(動画と)巡り合ってくれれば自覚ができるし、『言ってることが自分も一緒』と(親などに)言える材料を置いておきたい」
■「1型」と「2型」…発症の原因は?
ナルコレプシーには、感情が高まった時に急に体の力が抜けてしまう「情動脱力発作」を伴う1型と伴わない2型があり、あこちさんは2型と診断されています。 長年睡眠学を研究する井上医師によると、推定される患者数は1型で1万人に1人~2人。2型も合わせると、その倍はいる印象とのことです。 発症する原因について、井上医師は「脳内のオレキシンの活動が低下することで起こるんですけども、オレキシンの欠乏がなぜ起こるのかは、決定的なメカニズムはまだ分かってないですね」と言います。 思春期にあたる12歳~18歳頃に発症することが多いナルコレプシー。あこちさんに初めて症状が出たのも、14歳の時でした。古文の授業中、先生に指名されて自分のノートを見た時、寝ていたことに気が付いたそうです。 あこちさん 「え?読めない。何これ?って固まっている時に、『古文なめんな』と(先生から)言われた。混乱ですよね。自分が読めない字を書いている。なぜか注意されている。何が起こったのか分からない」
- 224
- 268
- 125