マッチングアプリ「ゼクシィ縁結び」が生き残れなかったワケ 必須じゃない“安心安全”?マチアプ疲れも影響?
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■女性がお金を払うことに懐疑的? おとうふさんによれば、「ゼクシィ縁結び」は“婚活マッチングアプリ”と謳っているため、 “真面目”な利用者が集まりやすい。すると、男性利用者の年齢層はどうしても主要アプリと比較すると高くなる傾向があるうえに、真面目でお堅く、女性慣れしていないような男性が多くなりがちだ。そうなれば女性利用者は他のアプリへと流れていき、女性が減れば男性も離れていくという負のスパイラルになる。さらにアプリにあるのは自己紹介のメッセージや写真などで情報量が少ないこともあり、利用者は外見至上主義(ルッキズム)に陥りがちだという。 「最近は利用者の間にルッキズムが深く浸透しています。近年特に重要視されているのは、若くて、イケメン、美女であるかどうか。女性は『安心安全なアプリを求めている』と言いますが、実際には自分の求めるスペックや外見の人がいるところに集まります。利用者は複数のアプリを並行して使う人がほとんどなので、アプリに集まる人たちの属性の比較もする。イケてる男性がいないアプリには、いくら安心安全と言われても集まらない。男性にも同様の傾向は当然あります」 カジュアル路線が求められているのは、「アプリのつくりや価格からもわかる」とおとうふさんは話す。 「『ゼクシィ縁結び』のユーザーインターフェース(操作画面)はどこか武骨で、保守的な印象です。今人気のアプリは女性が好みそうな心理テストなどの機能が充実するなど、かわいらしいつくりのものがほとんど。加えて、ほとんどのアプリは女性は基本無料なのに『ゼクシィ縁結び』は違います。安心できる出会いにお金を払う女性ユーザーももちろんいますが、『お金を払ってまで……』『お金を払って出会える男性がこのビジュ(アル)なの?』といった声はよく聞かれます。婚活や恋愛の文脈で女性がお金を払うことに懐疑的な女性が市場の大多数なんです」 リクルートは「ゼクシィ縁結び」サービス終了の理由について、「事業環境の変化やサービスの利用状況などを総合的に判断した結果」としている。「事業環境の変化」には、近年若者の間で人気が高まっている結婚相談所や婚活イベントの存在が関係しているかもしれない。業界最大手のIBJ(日本結婚相談所連盟)が運営する結婚相談所では、20代以下の入会者数が5年前に比べ、男性が約3倍、女性は約2倍と急増している。マッチングアプリ全盛で利用者も多い状況は続いているが……。
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