特別支援学校生を18歳人口から除外 文科省、大学進学率が不正確に

文部科学省=東京都千代田区で、石田奈津子撮影
文部科学省=東京都千代田区で、石田奈津子撮影

 文部科学省の学校基本調査で、大学進学率などに使用される18歳人口の集計から、障害のある児童・生徒が通う特別支援学校(特支)の卒業者が除外されていることが、毎日新聞の調査で判明した。18歳人口は中央教育審議会(文科相の諮問機関)でも参照される教育政策の重要指標で、大学進学率も不正確になる。有識者は「正確さを欠いた統計である上、文科省側に差別意識があると感じられる」と指摘する。

 【関連記事】
 「意味不明」「統計をインクルーシブに」文科省に戸惑う特別支援教員
 「私たち抜きの数字で…」 18歳人口から除外された当事者の違和感
 統計から障害者を除外した文科省 見え隠れする「自覚なき差別意識」

 学校基本調査は国が重要と認める「基幹統計」の一つで、学校数や児童・生徒数、入学者・卒業者数などを幼稚園や小中学校、高校、大学、特別支援学校などから毎年聞き取って集計している。

 毎日新聞が学校基本調査報告書をさかのぼって調べたところ、大学進学率(学部のみ、短大など除く)は1999年度の報告書に初めて登場。「大学入学者」を「3年前の中学校卒業者」で割って算出されており、54年度以降の進学率が掲載された。中卒時点の数字を利用したのは、義務教育段階で網羅的に集計できるためだ。

 この初出の時点で「中学卒業者」に特支中学部の卒業者は含まれておらず、義務教育学校(小中一貫校…

この記事は有料記事です。

残り664文字(全文1243文字)

全ての有料記事が読み放題

ご登録から1カ月間は99円!!

※会員ページからいつでも解約できます。

※料金は税込です

あわせて読みたい

この記事の筆者

アクセスランキング

現在
昨日
SNS

スポニチのアクセスランキング

現在
昨日
1カ月