仄かな焔は璃月を舞う   作:サツキタロオ

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どうしようもない。


第5幕:異世界から別の自分が来たらどうすればいいんだろう

 

〜玄鳥視点.

 

「………」

俺と胡桃は戸惑っていた。

目の前に俺に似た少女がいきなり現れたからだ。

 

今日は近くの崖で日向ぼっこをしていた。

特に事件も無く、平和な一日だった。

しかし、そんなやさしい日に突然こんな事が起きたので、俺達はかなり混乱していた。

「……」

「……」

俺と胡桃が沈黙していると、その少女が目を覚ましたようだった。

「ん…んん…」

「うおっ」

俺らはビックリして驚いてしまった。

「……うーん…ここは?」

少女は眠たそうに欠伸をすると、すくっと立ち上がった。

彼女の瞳孔は俺や胡桃と同じく梅の花のような形をしていた。

「あら…あなたは?」

「俺は玄鳥…あんたは?」

「私は燕。詳しい事を話すと長くなるけど、いいかしら。」

「ああ、別にいいぞ。」

俺は燕の話を簡単に聞いた。

「つまり……お前は異世界から来た俺ってコト!?」

「その通りよ。」

燕の話を要約すると、こことは別世界の璃月から保管していた封剣という剣が7本全部盗まれ、その犯人を追ってこの世界に来たらしい。

「それで、犯人に心当たりはあるのか?」

俺は燕に聞いてみたが、燕は首を横に振った。

「いいえ……全く分からないわ……」

「そうか……」

俺は少し考え込んだ。

「なあ……俺達も協力してもいいか?」

「……へ?」

「だから、俺達も一緒に犯人を探させて欲しいんだ。」

「え、ええ……それは構わないけど…いいの?私個人の問題なのに……」

「まあ、別に構わないよ。それに……なんか面白そうだしな!」

「でも…」

「人の好意は素直に受け取っといた方が得だぜ?」

俺はそう言って燕に笑いかけた。

「そう……なら、お願いしようかしら…」

燕は少し微笑んで言った。

「ああ、任せとけ!」

俺はそう答えてガッツポーズをした。

しかし、それと同時に俺のお腹がグウゥッと鳴った。

「あら、玄鳥ったらお腹が減ったの?」

「ああ……そういえば朝から何も食べてなかったな……」

「それなら、戻ってなんか食べよう。燕、場所は分かってる?」

「ええ、璃月の往生堂。でしょう?」

やっぱり別世界の俺。当然の如く璃月の事もよく知ってた。

そして三人で往生堂に戻り、俺は厨房に、胡桃は燕と話していた。

 

〜胡桃視点.

 

「それで、燕は好きな食べ物も同じなの?」

「私はマーボーカレーが好きよ。あ、それからオレンジジュースも好きかな。」

「おー、玄鳥もマーボーカレーが好きだよ!ジュースはコーラの方が好きだけど。」

「あら、そうなのね。」

燕はフフッと微笑んでいた。

「それでね。この前お互い両思いだって分かっちゃってぇ…」

「あら、いいじゃない。」

「でも…早めに告白しないと他の子に取られちゃうかもしれないわね。」

「ええ!?」

「例えば…私とか…?」

燕は私に近づいて耳元でそう囁いた。

「え、えええ!?」

私は慌てて顔を真っ赤にさせた。

「冗談よ……フフ……」

燕はいたずらっぽく笑った。

「も、もうっ!ビックリさせないでよ!」

私は頬を膨らませて怒った。

 

〜玄鳥視点.

 

「おーい!できたぞー!」俺が厨房から戻ってくると、二人は仲良く談笑していた。

胡桃の頬はまだ少し赤みがかっていた。なんか熱でもあるのかな?

「今日はマーボーカレーだよ。」俺はそう言って、燕と胡桃の目の前にマーボーカレーを置いた。

「わぁ!おいしそう!」

胡桃が目を輝かせて言った。

「あら、マーボーカレーね?」

「ああ、そうだよ。」

俺は燕にそう答えた。

「じゃあ、早速食べようよ!」

胡桃は待ちきれないといった様子だった。

「そうだな。」俺もお腹が減っていたし、早く食べようと思った。

そして三人で手を合わせてから食べ始めた。

「それで…封剣の宛てはあるのか?」

「うーん…夜の時には微かに光が漏れるのよ。その時なら、見つかるんじゃないかしら?」

俺は聞きながらカレーを10杯目のお代わりをしようとしていた。

「よし、じゃあ明日準備して探しに行こうぜ。」

「でも、暫く往生堂を開けることになっちゃうよ?」

胡桃からそう言われて、俺は少しガクッとした。

確かに胡桃は往生堂の堂主。離れてる間に葬儀ができなかったら大変だし…

「なら、こういうのはどうかしら?」

燕が指パッチンしてとある人形型の宝石を取り出した。

「それは?」

「これはスーパー代役ンと言ってね。胡桃。手を握ってくれない?」

「うん、いいよ!」

胡桃はスーパー代役ンの手を握った。

そうすると、スーパー代役ンが光り輝き…そこに胡桃そっくりな人形が現れた。

「おお、すげー!そっくりだぜ!」

俺は思わず感嘆の声を上げた。胡桃はスーパー代役ンの元に近づき、よく観察していた。

「本当にそっくり…でも、どうしてこれを?」

「これはね…旅をしてた時に友達になった子から貰ったの。」

燕は遠い目をしていた。

「ふーん、そうなんだ……でも、これで私が離れてても安心だね!」

「ええ、そうね。」

燕は微笑んでいた。

そうして色々あって夜。

 

「それじゃ、私たちお風呂に入ってくるね!」

「覗いたりしたら駄目よ?」

胡桃と燕は笑いながらそう言って、着替えを持って部屋を出た。

俺は伸びをしながら、外に出た。少し外の空気を吸いたかったし。

「ん?」

暫く歩いていると、この前邪魔してきた仙人が居た。

何故ここに?と思ったので、話しかけに行った。

「おーい。」「ん?おお、この前のガキンチョじゃないか。この伏龍様に会いたかったのか?」

「いや、別に会いたい訳じゃないけど。」

俺は伏龍から目を逸らしながら言った。

「へっ!まだ20年も生きてないガキンチョが、この最イケメンの伏龍様に何の用だ?」

「ない。」俺は伏龍の言葉を遮るように言った。

「あっそ。でも、可愛い男の子でも感激だぜ?」「うわっ!変態だ!」

「変態じゃない!変態という名の紳士だぜ!俺は!」「やっぱり変態じゃん!!」

俺は再び伏龍の言葉を遮るように言った。

すると、伏龍はやれやれと言った様子で首を振った。しかし、次の瞬間には遠くから氷の矢が飛んできて、伏龍の頬を掠めた。

 

「伏龍さ〜ん!」

 

「やっべ!甘雨だ!じゃあなガキンチョ!」

そうして伏龍は飛び降りてそのまま屋根をパルクールして逃げていった。

「……帰ろ…」

俺は往生堂に戻っていった。

「お帰り〜……って、なんか疲れてない?大丈夫?」

胡桃が心配そうな顔で言った。

「ああ……ちょっと外に居たら変なの見ちゃって…」

「そっか…気をつけてね…」

そうして二人は寝室に行き、俺は風呂に入った後にすぐに眠りについた。

 

〜胡桃視点.

「…それじゃあ行ってくるね!代役お願いね!」

「りょーかい!」

私はバッグに荷物を入れて、スーパー代役ンにそう声をかけた。

「じゃあ行こうぜ。」

 

そうして玄鳥を前にして、私たちは璃月を出たのだった。

 




・燕
CV:名塚佳織
元素:炎
武器:片手剣

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