今年の新語・流行語大賞、高市首相の「働いて働いて働いて働いて…」
今年の世相を反映した言葉を選ぶ現代用語の基礎知識選「2025 T&D保険グループ新語・流行語大賞」のトップテンが1日、発表された。年間大賞には、高市早苗首相が10月に自民党総裁に選ばれた直後に述べた「働いて働いて働いて働いて働いてまいります/女性首相」が選ばれた。
現職の首相が年間大賞に選ばれるのは、1999年の小渕恵三氏(ブッチホン)、2001年の小泉純一郎氏(米百俵、聖域なき改革、恐れず怯(ひる)まず捉(とら)われず、骨太の方針、ワイドショー内閣、改革の「痛み」)、09年の鳩山由紀夫氏(政権交代)に次いで4人目。
高市首相は1日午後、東京都内であった発表・表彰式に「受賞者」として登壇し、「賛否両論いただきました」と振り返った。そのうえで「日本国の国家経営者としては、なんとしても、自分も働いて働いて働いて、国家国民の皆さまのために貢献したい、そんな思いがございました。決して多くの国民の皆さまに、働きすぎを奨励するような意図はございません。また、長時間労働を美徳とするような意図もございませんので、そこはどうか誤解のなきようにお願いします」と説明した。
選考委員は首相のこの言葉をどう受け止め、年間大賞に選んだのか。
漫画家のやくみつるさんは、表彰式後の取材に「トップ10の中でも有力だったのは、高市さんの発言のほか、お米(古古古米)や『国宝』だった」と明かした。「世間の話題を独り占めしており、そこ(年間大賞の決定)に収斂(しゅうれん)するのは難儀ではなかった」とした。
「高市さんが今後どういうふうに動いて、働いてくれるんだろうか、ということを注視するきっかけになれば」と話した。
初めて選考委員を務めた講談師の神田伯山さんは「高市さんをかばうわけではなく、私自身も経験があるが、言葉っていうのは、どうしても言葉足らずになることがある」と、首相発言への賛否が割れた背景を分析した。
神田さんは、高市氏が女性初の首相になったことに言及。「『今年を表す』という意味で『女性首相』という言葉を除(の)けるいうのは、逆にバイアスがかかりすぎるのでは。そういう意識は選考委員お一人お一人が持ったかもしれない」と語った。
トップテンには、「不気味」といった評判が一転した大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」や、邦画の実写作品の歴代最高興行収入を22年ぶりに更新した映画「国宝」のヒットで合言葉になった「国宝(観た)」、節目の年に関連報道や書籍刊行が相次いだことを受けて「戦後80年/昭和100年」などが入った。
このほか、ノミネートの30語とは別に、プロ野球巨人で選手・監督を務め、6月に亡くなった長嶋茂雄さんが「戦後の復興期から高度経済成長の日本を照らし続け、日本プロ野球を国民的スポーツとした象徴的な存在であった」として、長嶋さんの愛称「ミスタープロ野球」が、選考委員特別賞に選ばれた。
トップテンに入ったほかの言葉は次の通り。
トランプ関税▽エッホエッホ▽緊急銃猟/クマ被害▽古古古米▽二季▽オールドメディア
- 【視点】
「馬車馬のように働く」ことを追認し、「美徳」とするようなメッセージとして伝わらないか、「働かせたい側」にお墨付きを与えないだろうかと、高市氏の「受賞コメント」を受けてもなお危惧します。単なる「意図」の問題に矮小化はできません。高市氏がこの言葉を語った総裁選の場内からは、笑い声が響いていました。「笑える」話でしょうか。過労は命と人権に関わる問題です。現行法でもなお、労働環境で心身の健康を害されるケースが後を絶ちません。「面白おかしく」この問題を取り上げるのではなく、制度の問題がしっかり取り上げられることを願います。
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- 【視点】
記事にもあるように、新語・流行語大賞ではこれまでも政治関連の言葉が大賞を受賞したりノミネートされたりするケースは多くありました。 今回興味深いのは、高市首相がこの授賞式に「受賞者」として登場したことです。選考委員会の解説では「働き方改革推
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