非核三原則とは、核兵器を「持たず、作らず、持ち込ませず」という運営原則を指し、1967年の佐藤栄作首相の答弁が根拠だ。なお、核兵器を「持たず、作らず」は、原子力基本法にも規定されている。

 これまで自民党と連立を組んでいた公明党は専守防衛の姿勢を示し、非核三原則を重視する立場を取ってきた。しかし、今回新たに連立を組む日本維新の会は、非核三原則や核共有について議論を行うべきとの立場だ。

 自民の高市早苗総裁(首相)も昨年、総裁選に立候補した際、非核三原則の「持ち込ませず」について「議論しなければならない」と発言した。

 日本の非核三原則の在り方が変わる可能性は大きくなっている。一方、この状況に広島、長崎の被爆者や核兵器廃絶を求める団体の間では「非核三原則は堅持すべき」と声が上がっている。

 政府は2010年の民主党政権や14年の自民党政権でも、平時は非核三原則を堅持するものの、有事には「持ち込ませず」には反対しないとしている。

 他方、世界ではNPT(核兵器不拡散条約)体制があるが、事実上崩壊している。ここでいうNPT体制とは、1967年1月1日前に核兵器その他の核爆発装置を製造しかつ爆発させた米国・ロシア・英国・フランス・中国の5カ国だけを「核兵器国」と定め、核兵器国以外への核兵器の拡散を防止するものだ。

 現在の世界では、既にインド・パキスタン・イスラエル・北朝鮮が核兵器を持ち、核兵器を「持たず、作らず」の原則すら、なくなっている。なお、同盟国が核兵器を作り、持ち、それを持ち込むという「核共有」は北大西洋条約機構(NATO)内で行われているので、「持ち込ませず」はNPTに反していない。

 現在の国際情勢は、ロシアが核でウクライナに「脅し」をかけているのに、米国は核戦争になる懸念から、軍事介入をしなかった。つまり米国はロシアの核で抑止されてしまった。

 中国と北朝鮮も核を持っているが、日本でウクライナと同じようなことが起こったらどうなるのか。米国は守ってくれるのか。

 ここまで考えると、「持たず、作らず」はそのままだが、「持ち込ませず」は検討してもいいとなるのが自然だ。つまり、米国と核共有するのだ。

 筆者は、常々漫画「沈黙の艦隊」からの示唆として、米第7艦隊の運営経費の一部を日本が負担し、核搭載原潜の日米共同運用やレンタルを提唱している。

(たかはし・よういち=嘉悦大教授)

無断転載・複製を禁じます