11月25日、片山さつき財務相の記者会見で、租税特別措置・補助金見直し担当室を内閣官房に設置したという報告があった。政府効率化局(仮称)、日本版DOGEとも呼ばれているものだが、自民党と日本維新の会の連立政権合意書において租税特別措置および高額補助金について総点検を行い、政策効果の低いものを廃止するなどの内容を決めたことによるものだ。

 本家の米DOGEはどうだったのか。イーロン・マスク氏が率いる天才的なシステムエンジニア(SE)チームはあえて違法行為の疑惑を持たれてまで支払い電子システムに侵入し、資金の流れを解明し、米国際開発局(USAID)の廃止へとつながった。

 しかし、それ以外の大きな歳出削減はできずに、マスク氏は政府を去った。

 歳出削減に失敗したのは、SEチームが分かったのが資金の流れまでで、行政や法律に無知だったためだろう。大魚を逃した。米大統領直属の行政管理予算局(OMB)と連携すべきだったといえる。

 日本の場合、内閣官房の行政改革推進本部事務局を改組する。本部長が首相、副本部長が行革担当相、官房長官、総務相、そして財務相。他のすべての国務大臣が本部員となる。財務相が租特・補助金見直し担当相となり、その事務局に関係省庁からの併任で約30人の精鋭官僚をそろえた。

 日本版DOGEでは、SEでなく官僚なので、資金の流れもそこそこ理解し、行政や法律知識もある。さらに、査定権を持っている財務相が租税特別措置・補助金見直し担当相を兼務しているので、予算査定に直接反映し、実効性が出てくる。

 片山氏は、足元の2026年度予算の編成や税制改正作業から必要な見直しを実施し、可能なものをすぐに反映できるのであれば、反映したいと意気込む。ただし、26年度予算は概算要求が終わり、既に予算編成も事実上完了しかけている。大きな成果は、27年度予算編成や税制改正からだろう。

 果たしてどうなるのか。米DOGEより期待できる点もあるが、すべては結果次第だ。かつて民主党政権時代に「事業仕分け」があった。その当時、財務省は裏方だったが、片山氏はオープンな場で担当の大臣との議論もいとわないというスタンスである。

 財政省で女性初の主計官を経験した片山氏と担当相とのオープン議論はどうなるのか。大変興味深い。(たかはし・よういち=嘉悦大教授)

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